実は自分、ワカメを全く受け付けない時期がありました。
行商のおばちゃんにそそのかされ、お袋が大量のワカメを買ってきたんです。
それから毎日ワカメの出ない日はありませんでした。
味噌汁はワカメ単体の日もあればワカメと何か・・・そんな感じで、ワカメが入ってない日はなく、さらに酢のモノにもしっかりワカメ。
その当時はむしろワカメ大好きで嬉々として食べてたんですが、一週間も経過した辺りから「またか・・・」っていう気持ちになってきたんですよ。
で、お袋に
「ワカメじゃない奴がいい」
って言ったらメッチャ感情的に
「だったら、食うな!!食わなかったら勿体ないだろ」
とどやされて、しぶしぶ食べてたんですよ。
そのうち、時間も経過してきてワカメもちゃんと塩漬けされてなかったんだろうけど、臭いがキツくなってきたんです。
既にワカメに対して嫌悪感を持ってたところに加えてその臭いですから、口につけようとすると既に気持ち悪い。
でも、残すとお袋が怒るし、無理やり飲む訳ですよ。
そうこうしているうちにえずくようになるんです。
ワカメの味噌汁を見ただけでトイレに駆け込む訳です。
最初はお袋もいつもの調子で「だったら食うな」なんですが、とにかく食欲そのものがなくて、3日程全く食事が受け付けなくなりました。
さすがにヤバイと悟ったらしく、病院に行ったら
「ストレスからくる拒絶反応」
その日からしばらくワカメが食卓から消えました。
ただ、そのトラウマは壮絶なモノで、ワカメが食べられるようになったのは5年後くらいで、ちゃんと普通に食べられるようになったのは大人になってからですね。
笑い話に今はしてますが、つまり同じ食生活を続けると自分と同じトラウマを持つ子供も出てくる可能性があるという事。
ごはんと味噌汁だけで十分とかほざく連中に言いたいですね。
マジで家庭崩壊するぞと。
作る側の苦労もわかるし、大変なのもわかる。
でも料理を作る根底っていうのは
「食べてもらって"おいしかった"という反応が見たい」
のが根底だと思う。
忙しいからたまには味噌汁とご飯だけの食事・・・というのならまだ「なべの延長線」という事で理解するけど、毎日それが続いたら絶対食べる側のストレスになってくるのは間違いない。
何度も言ってやる。
食事は作る側と食べる側があって初めて成立するって事。
だから、無責任な発言をした料理研究家が大嫌いなんです。