久しぶりに、桐椰の家へ行った。
ふとトイレに行きたくなったのだが、ちょうど買い物に出ることも
あって、お店で借りることにした。
ところが、いつも行く近所のコンビには閉店しており、近所に
それ以外の店はないようだった。
仕方なく、近くの民家で借りることに。
とはいえ、少し歩かないと民家はない。それでも家に帰るよりは
近いということもあり、歩くことにした。
2~3分後、人気のない山道のような場所に、ひっそりと佇む民家を
見つけ、僕は早速インターフォンを押した。
中から出てきたのは、40歳くらいのオジサン。
足元には2匹の子犬、そして肩越しに中を覗くと奥さんらしい人がいた。
「すみません、ちょっとトイレを貸して下さい」
「あぁ、構わないよ」
トイレの場所を教わり、慌てて駆け込む。
やっと落ち着いて一息つく――そのとき、ふっと意識が途切れた。
――気が付くと、自宅だった。
瞬間移動?
いや、トイレで眠ってしまって、そこから無意識の内に歩いて
帰ってきたのだろうか。
どちらにしても、桐椰はびっくりしているだろう。
それに、あの民家のオジサンにもちゃんとお礼を言っておきたい。
僕は再度桐椰宅へ向かった。
桐椰は、
「いつまで経ってもあの民家から出てこないからどうしたのかと思った」
と笑った。ごめんごめん、と言って、2人で例の民家へ向かう。
――しかし、そこには民家はなく、ただの空き地になっていた。
「場所、ここだよな?」
桐椰に確認する。
「あぁ、間違いないはずだけど」
きれいさっぱり、跡形もなく、完全に、なくなっていた。
僕らは、2人して途方にくれるばかりだった。
ふとトイレに行きたくなったのだが、ちょうど買い物に出ることも
あって、お店で借りることにした。
ところが、いつも行く近所のコンビには閉店しており、近所に
それ以外の店はないようだった。
仕方なく、近くの民家で借りることに。
とはいえ、少し歩かないと民家はない。それでも家に帰るよりは
近いということもあり、歩くことにした。
2~3分後、人気のない山道のような場所に、ひっそりと佇む民家を
見つけ、僕は早速インターフォンを押した。
中から出てきたのは、40歳くらいのオジサン。
足元には2匹の子犬、そして肩越しに中を覗くと奥さんらしい人がいた。
「すみません、ちょっとトイレを貸して下さい」
「あぁ、構わないよ」
トイレの場所を教わり、慌てて駆け込む。
やっと落ち着いて一息つく――そのとき、ふっと意識が途切れた。
――気が付くと、自宅だった。
瞬間移動?
いや、トイレで眠ってしまって、そこから無意識の内に歩いて
帰ってきたのだろうか。
どちらにしても、桐椰はびっくりしているだろう。
それに、あの民家のオジサンにもちゃんとお礼を言っておきたい。
僕は再度桐椰宅へ向かった。
桐椰は、
「いつまで経ってもあの民家から出てこないからどうしたのかと思った」
と笑った。ごめんごめん、と言って、2人で例の民家へ向かう。
――しかし、そこには民家はなく、ただの空き地になっていた。
「場所、ここだよな?」
桐椰に確認する。
「あぁ、間違いないはずだけど」
きれいさっぱり、跡形もなく、完全に、なくなっていた。
僕らは、2人して途方にくれるばかりだった。