新古今和歌集の部屋

唐詩選画本 出塞行 王昌齢 蔵書


 しゆつさいこう
 出塞行
  をうせうれい
 王昌齡
はくそうげんとう
白草原頭
のぞめばけいしをくはう
望京師黄
がみつなかれなし
河水流無
つきるときしうてん
盡時秋天
くはうやこうじん
曠野行人
たゆばしゆとう
絶馬首東
らいしんぬこれたそや
来知是誰

ゑひすのちはくさもあをからず。しろ
きゆへはくそうげんといふ。こきやう
の京をしたいのそめともみやこは
みへず。さて/\とをいところへきた
事かな。みやこはいつくのほとぞと
おもふて見のそめともみやこは見へ
ず。たゝ見るものとてはつくる事もな
くびやう/\と西よりひかしのかたへ
くはうがの水のなかるゝのみじや。さい
外の事なれは秋のてんにくはうくわつ
たるのはらて人かげもない処じやに
馬にのつてひかしから来るはたれ
であろふ。なにものそ人かけもない
ところでひよつとひとを見たゆへ
はなはたおとろいたていじや。く
わしくは箋注こくじかい又は
唐詩せんかう釈本ニあり。

出塞行
    王昌齢
白草原頭、京師を望めば、
黄河、水流れて尽くる時無し。
秋天、曠野、行人(こうじん)絶ゆ。
馬首、東へ来るは知んぬ是れ誰(た)ぞや。

意訳
西域の白草の平原に立って長安の方を望むと、
黄河の水は、地平線の彼方まで続き流れて、尽きる時が無い。
秋空の下、果てしない曠野が広がり、旅行く人の姿も絶えた。
さて、西の辺塞の方から馬首を東に向けて来る人は、一体誰であろうか?

※出塞行 楽府題。

※白草原 固有地名とも、西域で乾燥すると白くなる草原とも、白い花の咲く草原とも。

※京師 長安の事。


唐詩選畫本 七言絶句 巻三


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