藤式部ナレーション 7:52
それにしても、この宮を如何に扱えばよい物か?いつも違う御樣子も、この密通のせいだったのだ。なんとああ、情けない。こうして、人伝てではなく、不快な事を知りながら、これまでの樣のように、お世話できるものだろうか。と、光る君は、己が心ながらも、思い直す事は、できまいと、お思いになるのですが。
(道長、近づく)
藤式部 何か御用でございましょうか?
道長 子の日の宴に、お前の父を呼んだ。
藤式部 それは、、、存じませんでした。ありがとうございます。どんなにか光栄に思いましたでしょう。
源氏物語 若菜下 72源氏、密通を思う
「さても、この人をばいかがもてなし聞こゆべき。珍しき樣の御心地も、かかる事の紛れにてなりけり。いで、あな、心憂や。かく、人伝てならず憂き事を知るしる、ありしながら見奉らむよ」と、我が御心ながらも、え思ひ直すまじく覚ゆるを、