映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『洲崎パラダイス 赤信号』

2007年12月17日 | Weblog
よい

川島雄三 監督
新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、植村謙二郎、平沼徹、松本薫、芦川いづみ、牧真介、津田朝子、河津清三郎、加藤義朗、冬木京三、小沢昭一、田中筆子、山田禅二、菊野明子、桂典子、加藤温子、隅田恵子 出演

行くあても金のあてもない男と女。残った金は数十円。勢いで乗ったバスでたどりついたのは遊郭だった。

1956年(売春防止法が成立した年)の作品。
当時の赤線地帯の雰囲気というよりも、その周囲にいた人々の雰囲気を描いている。

基本はダメ人間なのだが、そのダメさを自覚・理解しているので取り立てて責めることもなく責められることもなく、なんとなくその場になじんでしまう。

子どもの様子がおもしろく、知らない人がやってきても平気なのだが、だからといってすっかりうちとけるわけでもない。一時的な人間に対する自分の安全の守り方を自然に習得しているのだ。

三橋達也のダメさ、新珠三千代のこずるさがすばらしい。カタギを象徴している芦川いづみもかわいい。

川島雄三監督が『幕末太陽傳』よりも好きな作品と言っていた作品。
テンポのよさはこれでも変わらない。