映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『流れる』

2007年12月23日 | Weblog
よい

成瀬巳喜男 監督
田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、中北千枝子、松山なつ子、杉村春子、岡田茉莉子、泉千代、賀原夏子、宮口精二、仲谷昇、加東大介、竜岡晋、栗島すみ子 出演

大川にほど近い花街にある芸者置屋、つたの家。ここに職業安定所の紹介でやってきた女中・梨花は女将つた奴に面会、呼びにくいからといきなり名を“お春”に変えられてしまったものの無事採用が決まり、さっそく住み込みで働くことになるのだった……。

玄人文化の衰退、男と女の関係の変化のなさ、引き芸ともいうべき抑えた演技、相手によって違う態度の妙。見所満載である。

田中絹代もそうだが、いるだけで存在感がある粟島すみ子の貫禄が凄い。ただものではないというのが素人にもわかる。

加東大介の中北千枝子の前と山田五十鈴の前での態度の変化、山田五十鈴の女将としての態度と粟島すみ子の前での態度、別れた旦那を待つときの表情の変化がすばらしい。

鋸山の宮口精二が、静かな雰囲気を壊すおもしろい役をやっている。