映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『風の歌を聴け』

2008年08月18日 | Weblog
風の歌を聴け(1981) - goo 映画

よい

大森一樹 監督
小林薫、真行寺君枝、坂田明、巻上公一、蕭淑美、阿藤海、黒木和雄、室井滋 出演

村上春樹のデビュー作である小説を映画化。夏休みに生まれ故郷の海辺の町へ帰省した大学生の、馴染みのバーでの友人たちとの再会を描いた作品。

原作をかなりわかりやすくした印象。ちなみに、リンク先の「あらすじ」はもっとわかりやすく説明してある。とても映画を観ただけで、あそこまで理解できるのは無理だと思うが。

時代と喪われたものごとへの愛情・追憶がよく出ている。

約20年前、この映画を観たことのない学生であるわたしたちが、ほんとに「床一面にピーナッツの殻が敷き詰められたジェイズバー」を再現した大森一樹をバカにしていたが、それは間違いではなかったようである(笑)。

もうひとつ、主人公が三人目の彼女(室井滋)とベッドの中でテレビで放映された映画を観ているが、あれは『ひとりぼっちの青春』というやつで、淀川さんの日曜洋画劇場でわたしが幼稚園か小学生のときに放映されたはずである。わたしもこの作品をテレビで観て、とても強い衝撃を受けたのを覚えている。マラソン・ダンスコンクールに参加するカップルの話だ。

真行寺君枝がおそろしいほどの美しさだ。

『サン・ジャックへの道』

2008年08月18日 | Weblog
サン・ジャックへの道 - goo 映画

よい

コリーヌ・セロー 監督
ミュリエル・ロバン、アルチュス・ドゥ・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリー・ビュネル、パスカル・レジティミュス、エマン・サイディ、ニコラ・カザレ、マリー・クレメール、フロール・ヴァニエ=モロー 出演

ストレスで薬に依存している兄ピエール、頑固なオバサン教師クララ、アルコール漬けで文無しの弟クロード。険悪な仲の兄姉弟が、亡き母の遺産を相続するためフランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmにも及ぶ巡礼路を一緒に歩くはめになった。このツアーの同行者は、ガイドのギイ、山歩きと勘違いして参加した女の子エルザとカミーユ、アラブ系移民の少年サイッド、従兄弟サイッドにだまされ、二人分の旅費を母親から出してもらったラムジィ、物静かな女性マチルド。9人の男女が、様々な思いを胸にフランスのル・ピュイから旅の一歩を踏み出した。

宗教や人種などの重いテーマを軽やかに描いた作品。
カトリックの聖地巡礼のロードムービーだからといって、カトリックへの批判的な目も忘れていない。
メインは三兄弟の話だが、参加者それぞれにおおかれすくなかれ問題を抱えており、それらが徐々に明らかになっていく。
三兄弟の夢が途中途中で挿入されるが、これもおもしろい。

ハッピーすぎるエンディングはわたしの好みではないが、まあ許容範囲。

タイトルは「サン・ジャック」だが、作品中では「サンチャゴ」としか言っていない。なぜだ?