ステーキ漂流記
6月16日
再訪2回目「KUISHINBO 京橋店」和牛サーロインステーキ200g
ま、まさか、「KUISHINBO 京橋店」に黒毛和牛があるなんて……。
午後2時過ぎに京橋。この時間になると軒並みランチタイムが終わり、ランチに入りそびれた人はランチ難民になる。みんな昼寝か喫茶タイムになる。そんな時に、喫茶タイムにならなそうな店を一軒思い出した。
「KUISHINBO 京橋店」。
そう、そこは「ステーキ漂流記」のスタート地点でもある。認識としてはオーストラリア牛やUS牛の店という印象がある。その上、同じ系列の「食いしん坊」はいまいちだった。しかし、京橋店はいまいちという印象はない。むしろ、高くはないのに、妙に敷居が高い雰囲気がある。あれは「食いしん坊」の他の系列店にはない。「食いしん坊」の系列店にある「1000円以内で肉がガッツリ食えまっせ」という雰囲気はない。どこかアダルトな雰囲気があるステーキ屋なんだよね。それこそ葉巻が似合うような。
で、ふと店の表看板を見て、今日、気がついた。和牛サーロインステーキがWAGYUと表記され、分かりにくくある。ん、「KUISHINBO」に黒毛和牛、あったの? 少なくとも他の系列店にはないぞ。これは食べなくては、と店内に歩を進める。
席に着くと、店員の女の子にランチのメニュー表を渡されるが、それにはWAGYUはない。
「ボク、和牛が食べたいんだけど」
と言うと、ディナー用のを持って来てくれたが、それには特選サーロインステーキとあるだけで、和牛というメニューはなかった。しかし、女の子は「この特選サーロインステーキは黒毛和牛です!」というので、とりあえず頼むことにしたら……ちょっとして女の子店員が、
「すみません、特選サーロインステーキは黒毛和牛じゃありませんでしたが……」
ん、続きがある。
「3000円200gで黒毛和牛サーロインステーキを出します」
を、裏メニューゲット!?
そこで、すかさずボクが
「どこ産の牛?」
と訊くと、今度は店長と思われる男性が肉塊を持ってやって来た。
「今日入ったばかりの青森県産A4を出します!」
!!
青森県産!
暫定日本一美味いステーキを出す両国の「CAMARO’s DINNER」と同じ青森県産! これは期待が一気に高まる!
正直、茨城県産か群馬県産が出てくるかと思ったら、まさかの青森県産!
とりあえず、前菜的にコーンバターを頼んでつまんで待っていて、ようやくステーキ配膳。
を、こ、これは期待出来そうな雰囲気!
一口。
これだ!
旨味爆発!
どこを食べても脂身みたいな旨味の塊!
しかも、鉄板プレートで出しながらも、肉の下にもやしを敷いている。ぬかりなし!
美味い!
柔らかい!
…………けど、けどだ。
これが日本一美味いスリランカ人の青森県産黒毛和牛ステーキと比べると…………んん、判定が難しい。その場で二つを食べ比べないとわからない。
が……………………「CAMARO’s DINNER」の青森県産黒毛和牛ステーキはA3なんだよ。「KUISHINBO」はA4。僅かながら油っこかった…………んんん。
おそらく、山形牛や佐賀牛との違いは青森県産の牛は爆発的な旨味にある。佐賀牛と山形牛も旨味は凄いが、なんて言うか落ち着きがある。近江牛も濃厚な旨味だが、爆発という程じゃない。
青森県産の黒毛和牛は別に松阪牛や米沢牛、近江牛、山形牛のようないわゆるブランド和牛ではないが、間違いなく知る人ぞ知るマニアの黒毛和牛。
これを「産地は関係ない、質で選んでいる」というステーキ屋もいるが、茨城県や群馬県と山形、青森、近江、佐賀とでは生産者には悪いが違いがありすぎる。
「KUISHINBO」の店長も確信犯的に青森県産の黒毛和牛を出したね。やられた。まさか、最初に行った店が満点修正になるとは…………。今回の「KUISHINBO」は気合いが入っていた!
★★★★★