これは、かのじょの描いた、もうひとつの傑作です。
かのじょが深く愛している天使を描いている。わかりますか。
釈尊を描いている時とも、また試練の天使を描いている時とも、ちがう愛を感じるでしょう。
まるで、自分の弟のように愛している。この人のために何でもしてやりたいと思っている。
そういう風に、かのじょは彼を愛しているのです。
何のてらいもない。本当に、愛されている当人が、恥ずかしがって逃げるほど、かのじょは何度も、愛していると、彼に言う。
かのじょの愛は、このようにまっすぐなのです。
なぜ、かのじょがこのように彼を愛するか。それは、彼が、愛する人間のために、どれだけの心を尽くして、どれだけのことをしているかを、知っているからです。
シリウスは、絶対等級は、アンタレスよりもアルデバランよりも小さいが、全天では一番明るい星です。大事なのはそれだ。いちばん光を注いでくれる星。めだって大きい。誰が見ても、いっぺんでわかる。あれがシリウスだ。
あれこそが彼だと、かのじょは言いたいのです。