世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

Kの肖像

2014-03-22 06:54:28 | 画集・線刻派

これはかのじょが、同人誌用に制作した絵です。

同人の作品の挿絵としてつけた絵です。

ひとえのきつい目が印象的ですね。冷たい冬の風の中で荒れた髪は人物の荒れた人生を思い起こさせる。そこを生きぬいている強い人間の目を、かのじょは表現したかったようです。

この絵をつけた作品を書いた女性を、かのじょは愛していました。
未熟な人で、かなり荒れた人生を歩んでいる人でしたが、魅力的な部分があった。かのじょは最大限、その人に尽くそうとしていたのです。

天使は人間に支配的にふるまうものではありませんよ。このように、友情を結び、尽くしたいと思っているものなのです。

かのじょが同人活動をやめた直接の原因は、ある同人の女性の嘘でした。

どんな嘘にも耐えてきたかのじょですが、ある女性が、これはもう耐えられないという嘘を、平気でついたからです。

まことをつくしても、馬鹿にされるだけならもうやめようと。

いろいろなことが積み重なり、限界がきていたということもありましたが。

この絵は、かのじょが、同人活動を通して、人の心によりそい、人の心とともに生きていこうとしていたことの、証しです。




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ばらの実

2014-03-22 03:19:24 | こものの部屋・第3館


       



「今日はクリスマス・イヴだね。君に、プレゼントをあげよう」
「プレゼント……?」
 環が、問い返した。目の前のおじいさんの顔は、さっきまでの人と同一人物とは思えないほど、変わっていた。大きく、暖かな、包みこむような、ほほ笑み。なつかしいような、ずっと前にも、会ったことが、あるような……。
「力だ。小さな、小さな、力。そら、今、君の中に、すうっと、入っていった。まるで、魂が、キャンディを飲みこむみたいに」





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