ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

霧の中で

2012-01-11 14:44:14 | Weblog
曇天の朝に
湖面に霧が立ち
白鷺が羽根を休める
岸の大樹は冬枯れている

湖水が濁って
錦鯉の影は時々に
色をおぼろげに増しながら
湖面は波が乱れて水ぬるみゆく

時すでに南中を過ぎて
黒雲下り来て
白綿の雪
舞う

針も餌も無い
釣り糸を
静かな湖面に垂れ
自然と語らう仙人への驚愕
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ある婦人の眠り

2012-01-10 17:03:34 | Weblog
明日へと繋がる
冬枯れた道
いぶした色彩の路地

ひっそりと眠っている住宅街に
常緑の緑 生垣が輝いている場所

ちらりほらり八重咲きの椿
その紅の色を燃え立たせて
沈黙の空に向かって咲いている

良く刈り込まれた垣根
緑に埋め込まれた紅は
色彩が運動していて
今にも飛び出してきそうな様子

乾いた空に浮かぶすぢ雲
上を見上げる
紅く激しく赤い椿


空の鏡に大地の緑と椿の紅が映り
反転した空の大地に
希望の太陽が光っていて

今日 一日
正しく陽を回して

午後三時の日向は
横たわる婦人の寝息

静かにカーテンが揺れていて 
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月の夜

2012-01-09 22:17:27 | Weblog
乾ききった空気に
月の雫が大気に滴る
満月は沈黙が破られ

多くが電話回線を通じて語られる

夜を凝視して
天空の輝きと
このひっそりとした地上に
遠く回線は繋がりながら
PCの画面で密かな楽しみを味わう

月光が甘く
狂気の振りをして
私の窓辺にやって来て

感情を浮遊させる
血の濃くなりだす
この月光に肌を晒していると
順次 体毛が銀色に染まり始める

月光を浴びきって
暗い銀盤で泳ぐ 
夢のように昏い

弱い光の雫が垂れてきて
乾いた大地に染み込んで

憑かれたように
幾つも穴を掘る
ライトを降ろす

まるで魂の入れ物のように

夜景の光に魂が集まり
瞬いている

乾いた空気が
カァンー カァーンと鳴って

満月の夜は
穴だらけだ

月光と夜景の灯が混じり合う場所では
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個人史

2012-01-06 16:26:37 | Weblog
高安国世作品集めくりつつ今この人の歴史食っている


作品集 手にした時は見晴らしのいい尾根の縦走 単独行


詞華集 初めて受け取る花束はそわそわする昼下がりの一ページ


一首一首味わって一歩一歩見通せる山頂へと近づく個人史作品集は


情念の強度が人をして文芸へ向かわせているこの晴天続きに
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ビックバン

2012-01-06 08:19:58 | Weblog
冬枯れの小道
黒雲と白雲がせめぎ合い
空から漏れる陽光は真っ直ぐに
希望を伝えていた

丘に登ろう
夢いっぱいの胸を秘めたまま

野薔薇の可憐な花を花瓶に活けて
朝日のあたる東の窓辺に置こう
華やいだDKに醸し出される輝きや夢を食べてしまえ

そして一編の詩文を丁寧に編んで
諸天善神に捧げよう

花と常緑の緑と鈴と香
朝夕の勤行を定刻に進めて

銀河のリズムに同期したなら
ゆっくりと地球霊化が進む

香りが滲み出てくる この身体に
髭曼荼羅に描かれた世界が湧き出て
華やいだ仏間が世界を包む

この地球をやすやすと手の平に乗せる
仏菩薩で太陽系は満たされているから

大丈夫 友よ
生きて死んで
この銀河果てても続く輪廻転生を楽しもう
常住の仏らと会話を交わす

次のビックバンは何時にしよう…
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DKより

2012-01-04 10:58:45 | Weblog
私が座る椅子
DKの窓側だ

東向きに窓が切ってあり
揚々たる午前の陽光が眩しい

日溜まりに柊の植え込み
ヒタと止まった 時 陽光 
耳を澄ますと遠く光合成の音がした

なあ 君よ
私の居る椅子を地獄の最下層としようか…

あらゆる負の感情の吹き溜まりの
逆円錐の下の頂点としよう
ドロドロのタールが頭上に見える

しかし愉快だ
オセロの角を取った気分

ここ ここから
大白法の南無妙法蓮華経を唱える
朝に夕に負の感情の牙城を急襲
黒を白に浄化
埃を払い
掃除

地獄の最下層には
柊の花壇があって
日溜まりに
朝露がキラキラ珠のように光り

音楽が絶えず再生され
私の趣味の書架があり

そう この地球の地獄の最下層は

私のマンションのDKにある
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新たな決意

2012-01-03 15:15:13 | Weblog
この仏法 生きざま闘争 冬晴れに地球包むと決意の題目


ミゾオチに仏の残像留めつつ人とは 仏 正念の祈り


下腹に黄金の龍飼っている東北アジアに真の夜明け
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砂浜幻想

2012-01-02 17:27:12 | Weblog
電信柱をヒュウヒュウ鳴らして
細い路地を立て込んだ家々を縫って
雪混じりの烈風が吹きすさぶ
海辺のこの漁村

灰の空に白波の立つくすんだ蒼

太陽は南中に近く
早い雲間に隠れては照る
円満に輝いては鋭い雲は
鉤爪を伸ばしては
天道を翻弄した

強くあるいは弱く
浜辺の光度が変わり続ける
光のリズムが出来上がり
海岸が流動に晒されて

波・光・風
音波光波に満ち満ちて

凍えた体に烈風は染み渡る
このまま砂地に倒れこみ
胎児の格好をして
夢を織る

ランタンに点火したような
明るさで…

妖精たちが光の輪に集まりだした
ヒュウヒュウと風の音と
スースースー寝息が混ざる
灰の風に暖色の息
灰の海辺に春の広野が見えて

防寒具に包まれて
砂地で寝ころぶ

我 一人
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