マンションの壁紙の上から自分で漆喰を塗ってまで、好きな家を整える人の動画を見る。
ブラボー!!と思う。
こういう人がホンモノではないかと、私は思う。
18歳で無謀に単身で上京して、必死でお金を貯めて、19歳で最初に自分だけの力で手にした6畳一間の城は、古いながらも壁が漆喰だった。
(二階建てで一階が大家さんの住居。二階が女子限定の4所帯で、トイレと廊下の掃除は当番制で「木の札」が回ってくる(笑))
私はその空間が愛おしくてたまらなくて、流し台の木の扉も漆喰に合わせて真っ白なペンキで塗ってみた。
そこに苺酒や梅酒を自分なりに造って入れてみて、それが嬉しくてたまらなかった。
お金がなかった時代だったけど、当時は自分なりに夢中で得意になって、できる限りを足掻いて(あがいて)みたなあ。
顔を洗うのも料理するのも同じ「水」しか出ない水道だったけど、タオルはDCブランドにしてみたりね(笑)
ナッチャッテしか買えない時代にそれを必死で我慢して、
ホンモノを指をくわえながら憧れた時代……
それもこれも今は「愛おしい」としか言えない。
これこそが今の自分を肯定してくれるというかね。
これだけは手放さずに、バカにせずにと私は思う。