「なんとまぁ、気の長い企てを志したのだろう」 なんて、いまは思う。 種を蒔き、水遣りを欠かさず、時宜に応じた心遣いで芽が出ることを待つ。 「苗を買えばいいじゃないか? 手間が省けるし、気に入った花がすぐ手に入る。」 ずーとそう思っていた。いや、いや、本当のところいまだってそう思っている。 「どう、センブリを育ててみない。種から!」 昨年、いろいろご教示頂いている山野草の師匠から、メールでそんなお誘いを受けた。 内心、困ったことだな、なんて独り言ちた。センブリを育てるなんて自信ないし、種からなんて面倒だ。しかし、せっかくのお申し越しをお断りするのも気が引けるので、「それでは・・・」とチャレンジすることに。 確か、種蒔きしたのは2月頃だったと思うのだが、残念ながら記録がなかったので定かなことは申し上げることができない。 まぁ、それ相応の年ともなると、記録にとどめておかないと、記憶になかなか残らないという不具合が生じる。これは、致し方のないことだ 笑 |
初めての挑戦ではあったが、4~5本の花茎が立ち、二年草だけにロゼット状で年を越そうというグループが10株ほど成長した。 そして、9ヶ月ほど立った11月2日の早朝、一番花の開花を見ることができた。 |
🌼 花の名前: | ムラサキセンブリ | 📸 撮 影 日: | 2021/11/02 7:01 | |
🌱 科 目 名: | リンドウ科センブリ属の二年草 | 📅 投 稿 日: | 2021/11/04 | |
📝コメント: |
"関東以西から四国、九州、朝鮮、中国東北部からアムールに分布。センブリに似るが、紫の花をつける。レッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定。 |
⛺️ 撮 影 地: | 自邸ベランダ |
この日の日記では、そんなセンブリたちの成長の足跡を辿ってみようと思う。 ただ、これほど上手く成長して、その花姿を見せてくれるなど想定外のことだったので、事細かな記録は残っていない。繰り返すことになるが、記録がないと、己が脳内の生体メモリーにアーカイブされることは望み薄だ。 幸いにして、折々に写真は撮っていたので、その画像を貼り付けることで、そだレポ(育てている植物の栽培記録)に変えたいと思う(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/03/04 発芽を確認 |
📷2021/03/04 ミクロのもやし!? |
📷2021/04/15 本葉らしきものを確認 |
とにかく、このセンブリの種というやつはとても小さい。ミクロという表現が大袈裟ではないほど小さいのだ。鼻息の荒い猫の額の庵主など、呼吸をしようものならそれだけで吹き飛んでしまうほどの細かさなのだよ。 それがモヘモヘとわき出てくるわけだから、それだけで神秘を感じちゃうよ。 水遣りにしてからが恐る恐るといった風。ジョウロの水流だって、この子たちにしてみれば南岸低気圧がもたらすゲリラ豪雨のようなものなのだろう。 それが、5月ともなると、なかなかしっかりしてきて、植物らしき態様を整えてくる。 さらに一ヶ月後、6月23日の画像では、「これからずんと大きくなるぞ!」という株と、「私、今年は咲かないわ!」と囁きながらロゼット状のまま周囲の気配を伺っている株とを確認することができる。 「ほらっ、僕はこんなに大きくなっただよ!」なんて、 誇らしげに背伸びをしているのが7月18日の画像だ(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/05/22 植物っぽくなってきた! |
📷2021/06/23 おっ、葉が階を重ねてきたど |
📷2021/07/18 対生する葉の節間が広くなってきた |
7月18日の画像から2週間ほどが経過した31日、このA鉢の株たちが順調に成長していた。A鉢は当初6本の伸長した株と、2~3のロゼット状の株が見られたのだが、1本、また1本と姿を消して3本だけが残った。 B鉢の成長苗は1本だけ、残り8株がロゼット状態を保ったままとなっている(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/07/31 成長著しいA鉢 |
📷2021/08/29 A鉢で残ったのは3株 |
📷2021/08/29 B鉢は1本だけ伸長し、あとはロゼット |
9月初旬、A鉢の株には側枝が確認できるようになる。 10月初旬ともなると、A株、B株ともに待望のつぼみが目立つようになり、いやが上にも、期待が高まる(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/10/09 A鉢には側枝が確認できるようになる |
📷2021/10/10 つぼみの多さに胸躍る! |
📷2021/10/12 画像右手手前がA鉢、奥がB鉢 |
ここまで来ると、あとは開花を待つのみって気になってくる。初めてのチャレンジにしては、ことのほか上手く運んでいる。いや、出来過ぎの感が否めない。 花育てにしたって結果がすべて、まぁ、たまには自分を褒めてやってもいいだろう 笑 10月初旬ともなると、A株、B株ともに待望のつぼみが目立つようになり、いやが上にも、期待が高まる(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/10/23 B鉢の頂上花のつぼみ |
📷2021/10/23 A鉢の頂上花のつぼみ |
📷2021/10/31 B鉢に小さなほころびが |
2月の播種から9ヶ月が経過しようとしている。長い道のりであった。もう一息だね。すべての苦労が報われる瞬間がそこに待っている(大袈裟だねぇ~。水遣りしてただけなのに 笑) 猫の額において、センブリの初めての開花はB鉢であった。ムラサキセンブリである。 開花は11月2日の7時に確認した。長かったなぁ~~~。種からの育成って、半端ないよね。 その12時くらいの画像を見てみると、雄しべの葯にはびっしりと花粉が充ちているのがわかる。花の態様は、とどまることを知らぬ気に時々刻々と変化していくのだね。 そして、今日、B株の花数は七輪となった。なかなか雅なものだね(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。 |
📷2021/11/01 B鉢の頂上花のつぼみがほころぶ |
📷2021/11/02 雄しべの葯には花粉が確認できる |
📷2021/11/05 なんとも雅な花姿なのだ |