ハイビスカス・トリオナムの花後である。 地中海東部沿岸地方が原産とされるアオイ科フヨウ属の一年草で、和名では銀銭花、朝露草などとして江戸時代の園芸書などに取り上げられている。 一例を挙げると、次のような書物にそれぞれその名が見える。 ・中村学園大学の貝原益軒アーカイブ蔵 貝原益軒『大和本草 巻之七 草之三』(15ページ)には 「銀銭花」 ・国立国会図書館デジタルコレクション蔵 伊藤伊兵衛『増補地錦抄』巻之七には「朝露草」 ちなみに、大和本草では、銀銭花は金銭花(金盞花ではない)とともに語られているが、これは「ゴジカ」のことのようである。 あっ、そう、そう、ハイビスカス・トリオナムは学名だという。 トリオナム? サイトでは、いろいろな説明が垣間見える。三色のとか、三時しか持たないとか、その意として“3”がキーワードになっているようだ。 このところ散歩ネタが続いたので、久々に自虐ネタ、じゃなかった、自庭ネタを考えてみようかしら。 と言っても、正面切って花でございというネタには乏しい 汗 そこで、荒涼とした坪庭のいまをご紹介しようかな。 ほらっ、障害物も何もない、ただ風だけが通り過ぎていく。でもね、季節ともなれば、そこそこに葉も茂れば花も咲く。ご覧の通り、それぞれの季節を待つ山野草がじっと息を潜め、その時を待っているんだ。 📷2021/11/18:猫の額の坪庭のいま
鉢物やちょっと変わった仲間たちもご紹介しておこう。 まず、トウチクランのいまを。唐竹蘭と書く。ユリ(イヌサフラン)科チゴユリ属の多年草で、チャバナホウチャクソウ(茶花宝鐸草)とも言う。 花色が白(クリーム)系統のホウチャクソウはご存じのことと思うが、この子は茶系なのである。今年、伊予国からお輿入れ願ったのだが、残念ながらふさわしい花の写真を撮ることが出来なかった。ご興味のある方はこちらをご覧いただきたい。 次は、クサボタンのいまだ。キンポウゲ科センニンソウ属の半低木なのだが、センニンソウの仲間に特有の痩果を作る。あれほど多くの花が咲いたのに、二つほどしか出来なかったが、着々と完成形となりつつある。 坪庭の隅っこで、危うく倒壊を免れているムサシアブミの果実がある。秋の深まりとともに、朱の色が濃くなってきた。 昨年もこの実を蒔いてみたが、発芽は見られなかった。まぁ、そんな小細工をしなくても強い子で、結構増えるんだけどね(画像をクリックすると大きな画像が表示されます。{戻る}ボタンをクリックすると前の画面に戻ります)。
最近、やっとわかってきたことが一つある。園芸にとって、“待つ”ってことがどれほど大事なことかってことが。 今年、センブリを種から育てたでしょ。彼女たち、二年草なんだ。それでも、いくつかが成長し花を見ることが出来た。僥倖というしかない。本来であれば、来年でしか合うことが叶わなかった花に会えた喜び。まさに待った甲斐があったと思える瞬間だよね。 そう、この坪庭に住まう花たちも春の日差しを待っている。待つことのじれったさはもちろんだけど、楽しさだって知っているんだね。 |