2019年9月中旬、世の中がまだ平和だった頃、家人と二人、白馬五竜・安曇野へと旅に出かけた。
信州新町で蕎麦を食い、白馬五竜では山野草を愛で、安曇野へ流れて美術館を巡ったり、直売所で買い物を楽しんだりと、たわいないものである。
その一つ、Vif穂高という直売所で買い物を済ませ、荷物を車に積もうとしていたとき、そのクサアジサイと出会った。
話には聞いていたが、相見えるのは初めてのこと。
しばらく見つめ合う。
懇ろに挨拶を述べ、東国への同行を打診してみた。
なんのことはない、クサアジサイの方も慇懃に礼を返してくれ、同行を快諾してくれた。
そして今年、三年目の春を迎えた。
この土地に慣れたのか、芽吹きが凄い。
花の時期は、7月から9月頃まで。機嫌がよいと、思い出したように10月頃まで両性花や装飾花のいくつかをみせてくれることもある。
そう、どんな花が咲くかだよね。
画像をクリックしてみてくれる。2020年6月30日の画像が表示される。これが、クサアジサイの花の写真(一人故郷を離れ、異郷に暮らすクサアジサイの情念がほとばしる 写真でしょ 笑)。
「花は淡紅色~白色。両性花は円形の萼片が5個つき、直径5~7㎜。雄しべは多数。装飾花(中性花)は広卵形~菱形の萼片が3個つき、直径約1.5㎝。」
上記は、「三河の植物観察」さんの「クサアジサイ」の項から引用させていただいた。
バイカカラマツに関しては、花の少ない時期から何度となく投稿し、「四季咲きか?」などと口走ったものである。
今日は、もう一つのカラマツソウ、こちらは台湾だと思うのだが、それとわかるほどにつぼみが目につくようになってきた。
画像右側に、しな垂れて艶冶な表情を浮かべているのがあのバイカカラマツ。ころんとした小さな玉っころが台湾と思われるつぼみ。
📷2022年4月18日:カラマツソウの仲間たちがなのだが・・・。
その台湾と思しきバイカカラマツの葉なのだけれど、やけにデカい気がする。さらに、斑が入っているような・・・。去年はこんなじゃなかったはず。
ちょっとズームにしてみようか。
📷2022年4月18日:葉脈が美しい。しかし、歯の表面に浮き上がる斑、こんなのなかったはずだけど。
ねっ、かなりまだら(斑)模様が目立つでしょ。
山野草の愛好家には、斑入り好きな方が多い。ナルコユリ、ギボウシ、ツワブキ、・・・、等々、枚挙にいとまがない。
その斑の入り具合によって、中斑、外斑、蛍など、いろいろな表現でその文様を表現するなどといった高踏的なお遊びも。
ただね、「おっ、いいものが出たね」と、素直に喜べないところもある。
それは、この斑入りってやつ、植物の病気を疑わなければならないことだってあるんだよ。
斑入りが何故生じるのか? 一般的に考えられることは、遺伝子の異変による突然変異。
ところがこれだけではない。例えば、椿であれば、ツバキ斑葉ウイルスなどの感染症。
ブラ散歩の途中巡り合ったことがあるけど、葉のグリーンの部分が退行して黄色となっており、おっ、なんて凄い斑入り品種だなんて感心したことがあったけど、実はそれが上記のウイルスに冒された椿だった。
だけどね、この感染症を始めとした変異と斑入りとは、ある意味不可分の関係性があるとの研究結果もあるらしい。
病が病じゃなくなり、それが代を重ねた結果、斑入りとして定着するなんて現象が生ずるのだという。
さて、この台湾バイカカラマツの現象は、ウイルスに感染したのか、突然変異なのか、PCR検査でもしてみるかい。
これはつぼみのズームね。愛らしいでしょ。
📷2022年4月18日:これはつぼみのズームね。愛らしいでしょ。
予想される花姿は次の画像。ツクシカラマツに見られる特徴的な花糸だけでなく、バイカカラマツに見られる花被片もある。
その花被片と花糸との微妙なバランスが、台湾(バイカカラマツ)そのものの危うい存在を物語っているようである(あっ、これ、政治的な発言じゃないからね 汗)。
📷2021年5月6日:花弁状のモノと立派な花糸が同時に見て取れる。
クサアジサイ、アジサイのようでアジサイでもない花なのですね。
三河の植物観察を見ると、クサアジサイ属がらアジサイ属に分類が
変更されるようになったとのことですね。
アジサイが終わった7~9月に花を咲かせ、2度目のアジサイが楽しめる
というわけですね。
三河と言えば、三河千鳥というアジサイがあることを思い出しました。
斑入りというのは、凄い斑入り品種とみるのでなく、病気として疑う
必要があるとは知りませんでした。病が病じゃなくなり、それが代を
重ねた結果、斑入りとして定着するとは、面白いですね。
「かつて17世紀のオランダでは、チューリップの球根でバブル景気が引き起こされました。
(中略)
このチューリップバブルの中でも特に高値で取引されたものが、「斑入り」や「ブロークン」です。
ところが現在では、この複雑な模様は、ウイルスによって引き起こされる症状であることが知られています。ウイルスは植物に感染すると、部分的に色素体に異常が生じて、モザイク状のまだら模様が生じます。このモザイク模様が、複雑で美しいチューリップの花を作っているのです。」
(https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=1061 ヤマケイオンラインさんのページ)
Ninbuさん、こんばんは。
こんなの検索していると、ざく、ざく面白い話が出てきます。
斑入り、いいですよね。好きなんですが、これがなかなか普通種と比べるとお高いってのは、経済学の論理、希少なものはそれなりの代価が必要だよってことなんでしょうね。
でも、な~んだ、斑入りって病気なんだ、なんて思うと、自らの庭に斑入りが少ないことの言い訳として、実に溜飲の下がるものとなるのでは、なんて 笑
クサアジサイもいいものです。なよとして、君の支えになってあげたいなんて思ってしまう始末の悪い存在です 汗
ヤマアジサイもいいですね。
猫の額には藍姫が暮らしてますが、はじめは500円ほどの小さな苗でした。
挿して、挿して、各所に増えてます。
今年は、紅でも入れてみようかと思ってます。
コメント有難うございました<(_ _)>