シャキーン! ムサシアブミが脱皮した。
シャープな葉柄の陰にはサトイモ科特有の花、仏炎苞が顔を出し始めている。
さまざまに姿を変えていく。まるで、あのトランスフォーマーのようなムサシアブミなのである。
オキナグサ、もう間もなく開花することだろう。これは、たぶん黄花のほうだと思う。
ひと頃、暗赤紫色、黄花とも、びっくりするほどの群生となったことがあったのだが、気をよくして分稙したら一挙に王国は瓦解した。
王国の再興を期して、いま、その末裔たちが烽火を上げている。
先陣を切って目覚めた奴がいる。
タデ科イブキトラノオ属の多年草であるハルトラノオのことなのだが、目覚めたとはいっても花びらはなく、ほころんだ白い部分は萼とされる。
その萼から突き出た雄蕊の葡萄色(えびいろ)が目を射る。
ショウマ(升麻)の仲間を四つほど
アワモリショウマ(泡盛升麻)、ユキノシタ科チダケザシ属の多年草である。
大和国の花友さんからお送りいただいたものだが、いま武蔵国の様子を窺うかのように頭をもたげ始めた。
こちらは「那智」を冠したナチアワモリショウマ(那智泡盛升麻)、「和歌山県産の」との意が込められている。
アワモリショウマと比べるととても小さく、せいぜいが25㎝ほどか。付近のHCで求めたもので、こじんまりと仕上がり鉢でも面白い。
アカショウマ(赤升麻)である。こちらも、大和国からの到来物である。
「赤」というからには花色が赤いのかと思ったが、根茎や葉柄の基部が赤みを帯びることからの命名のようだ。
名札には「ベニバナショウマ(紅花升麻)」とあったもので、地植えにしてもう4~5年になるのだろう。
そう、こちらは名前の通り、濃い紅の複総状または円錐状の花序をつける。
もともと「升麻」とは、キンポウゲ科サラシナショウマ属 の多年草のサラシナショウマ(更科升麻)のことを指すという。
そうだからして、ショウマと名の付くこれらの植物は、サラシナショウマに花が似ているところからの命名なのだ。
厄介なのは「アスチルベ」の存在だ。これも、花序が上記の草々と酷似している。
アスチルベは園芸種である。諸説あるようだが、上記の草々との交配種とされている。似ていてしかるべきということか。
期せずして、そのショウマを名に抱く花が4種揃ったことになる。花期も長いし、見目もよい。いいもんだよ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます