鎌倉徒然草

鎌倉に住んで25年。四季折々の自然を楽しみながら、オリジナルの和雑貨の企画、製造、販売を展開しています。

JR上野駅公園口 つづき

2021年07月12日 | 日記
一気に読んだ。

1933年、東京オリンピックの前年出稼ぎのため上野駅に降り立った、一人の男の物語です。自分の「居場所」を確認、求め活きる人達の心の旅の一冊。

浅草生まれの私は、あの時代の上野駅のたたづまい、匂い、音・・・、すべて体現している。前に前にと、勢いよく突き進んでいる時代でした。

でも、その繁栄の陰で置き去りにされた人たち、いや、見捨てられた人々の姿がこの本に丹念に描かれている。でも、テーマはここではなくて、奥が深い。誰もが自分の居場所を求め、探す、築く。しかし家族も構築できず「働く」こともできなくなった人達の背中に、見えるはずのない「国策」の黒いシールをが見て取れる。

この国がどこへ向かおうとしているのか?それは、、読む人一人一人につき刺さる1冊になるでしょう。
  柳美里「JR上野駅公園口」 河出書房新社
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避暑地の恋

2021年07月12日 | 日記
ラジオから流れてきました。名曲です。

さわやかで、匂やかで、ときめきます。

コロナ下では、それっ!と「避暑地」に行くことも叶わず、恋も・・・。

マスク越しのお顔しか見られないのですから、恋も中々・・・。

でも、もうしばらくの辛抱でしょう、ここまで来ました。私は2度目のワクチン接種が週末です。どこか正直ほっとしています。

勿論、気はゆるめません。慎重に行きます。

暑さがこたえています、この数日。鎌倉の湿気が強く、この時期はトーンダウンの私です。こんな時は横になって半日読書です。

柳美里の「JR上野駅公園口」を読みました。重いテーマでした。

物語は1933年の東京オリンピックの前年、出稼ぎで上野駅に降り立った一人の男の物語ですが・・・、

繁栄の陰に置き去りにされた人々の描写が心を打つのです。

薦めてくれたBさん、ありがとうございました。
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