若い頃、本屋さんは私のワンダーランドだった。
10代の終わり、自分に何ができるのか、何をしたいのか迷いあぐねている時、気が付くと本屋さんにいた。
本の魅力は、たくさんの自分の知らない世界に誘ってくれる事だが、何より「知」を身にまとえるような気がしたのだ。
真剣に読んでないロシアの古典文学を学校のカバンに忍ばせ続けていた事があった。あれは何だったのでしょう、今では理解に苦しみます。
この節は、書店に足を運ばなくてもキーを打てば即座に本は配達してくれる。
でも、でもですよ、私は本屋さんで、本と自分が遭遇するあの瞬間が好きなのです。紙の本、なんて言い方をしなくてはいけない時代、装丁の美しさにひかれたり、なじみのない著者の本を、乏しいお小遣いの中から買い求め、読んだら手放せない1冊になったことも1度や2度ではなかった。
そんな1冊、最近娘に勧めたのが木村治美「主婦の天気図」もう絶版です。
今から30年前、子育ての真っ最中に読んだ忘れられないエッセー集です。
引越しの度、本はずいぶん処分してきたけれど、矢張り捨てられない本は捨てられないのです。
それらの本の背表紙を見ると、それなりにくたびれてきていて、己の姿にダブり、一人苦笑してます。