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国家と理想どちらが大事か?

2009-07-21 22:36:52 | 歴史
古代民主制のローマ帝国が中世専制国家ビザンツ帝国へと変貌していく中で、よくいわれるのが「そこまでしてローマ人は帝国を存続させたかったのか」という文言であろう。

しかし、後々に物語としてローマ帝国をとらえる私達はそう思うのであるが、もともと国家というものが生活がかかった人々が自分達を守る為につくりあげた共同体である。理想と方向が違ってきたからとおいそれと国家を捨てることは出来ないのである。

かつてギリシア人は古代民主制の理想が衆愚制に呑まれる中で国を半ば放棄した。

結果として気力あるマケドニア人に制圧された後にローマの支配化に入った。

実は国家というのは理想を実現した状態が出現すると、必ず歪がどこかで現れて国家の形態を変えざるを得なくなるものらしい。

もともと国家というのが理想としてのあるべき形があり、それを実現するために構成員としての国民が存在するのではなく、生活のかかった国民が食っていくためにつくりあげた共同体なのだから。

国民が国を捨てるのは国が食わせていけなくなるときである。それでも国民は権力機構をひっくり返すのであって共同体そのものを解散させるわけでないことは後々の革命の歴史が証明している。

そして、ローマからギリシア人が引き継いだビザンツ帝国こそ、ローマの理想の残骸をシンボルとして残しつつ、現実に国家の形を合わせて生き延びた帝国と言える。

ビザンツ帝国を語るときには彼らの国家が生き残ることへの並ならぬ執着心を抜きに語れないと思う。それは島国日本が国家を強く意識しなくても海防に努めれば何とかなってきて、明治以降に国家が生き残ることを強く意識し始めたこととは大きく事情が異なる。

「生き残る」をキーワードにさらに読み進めてみたいと思う。

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