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虹の数学

2022-06-17 21:17:09 | 地球と物理

雨上がりに虹が出ていると何歳になってもワクワクするものです。

古くは旧約聖書で大洪水の後に契約の虹なんてのもありますね。

ドラクエでは虹の架け橋を渡って竜王を倒しに行ったりもしました。

 

さて、そんなロマンチックな虹を数学、物理学で説明しようという無粋な話なんですが、太陽の光ってのは専門的な言葉を使わせてもらうと様々な周波数の電磁波が混成されたものだってことです。真空中の電磁波の進行速度は周波数に関係なく一定なんですが、物質中では周波数に応じて速度が遅くなります。これまた知識をひけらかすみたいでやーらしーのですが周波数に応じて屈折率が変化する、即ち物質の誘電率に分散性があるということです。真空の誘電率は相対論的に慣性系間の変換でもかけない限りスカラー量と考えて差し支えないんですが、物質の比誘電率は定数じゃないんです。定数になるのは線形・等方・非分散・非履歴性となる場合なんですが厳密には大抵の物質はどれかに引っかかるわけです。それぞれ一体なんじゃらほいってことになるんですが、逆の場合について解説すると

非線形・・・誘電率が電界強度に依存している

異方性・・・誘電率が電界と電束の間で大きさと向きを変換するテンソル量として作用する

分散性・・・誘電率が電界の時間変化に対して依存性がある=周波数に依存性がある

履歴性・・・ヒステリシスとも呼ばれ、誘電率が電界強度の履歴に依存している。誘電体では顕著に表れるのはPZTなど限られた物質ですが、透磁率の場合は鉄・ニッケルなど割と見かける物質にこの性質があって、電気設備の施設管理では色々厄介のタネでもあったりします。

 

水滴ってのは低い周波数では特に誘電率に分散性が見られるわけじゃないけど、可視光領域になると赤い光と紫色の光では誘電率がそこそこ変わってくる。誘電率の変化は物質中の電磁波の進行速度に直結します。波動の速度が変わるということは屈折率が変わるということにつながってくるわけです。屈折率が変われば入射光の曲がり方も変わる。

 

で、表題の虹が現れるわけです。

 

で、虹を見てるとある瞬間に確かに様々な波長の光が混ざってるってことは分かりました。

次はそれをどうやって計算するかという厄介な話をしてみましょう。

 


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