奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

ひな鳥たちへ

2012-10-23 | 心詩~こころうた・世
不器用な子に生まれたね
それで失敗ばかりだね
あまりに不器用すぎるから
泣き方さえも知らないの

愛想笑いでごまかして
波風立てずにいるのにね
面白がってる子たちがさ
石をどぶんと投げるんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
声に出さなきゃ届かない
声に出しても届かない



臆病な子に生まれたね
それで損してばかりだね
あまりに臆病すぎるから
人の目さえも見れないの

背中で受け取る陰口に
胸の真ん中痛むけど
じっと唇かみしめて
ひとりで耐えて過ごすんだ

やめて やめてよ
いくら心で叫んでも
それは誰にもわからない
言われた人しかわからない



ひとりでじっと耐えた子は
いつか必ず強くなる
あまりに傷つきすぎた子は
誰かが守ってあげなくちゃ

大人になったそのときに
二度とうつむかないように
心の傷のかさぶたが
二度と剥がれてこぬように

もう やめて
声に出して言えたなら
自分に自信が持てるでしょう
自分を好きになれるでしょう






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賞への応募用に書いたものの、応募規定を読み誤り(トホホ)、他に応募できそうな賞も見当たらず、やむなくこちらに掲載することにいたしました。
「不器用な子」も「臆病な子」も、モデルは自分自身。

長い夜

2012-10-23 | 心詩~こころうた・己
今日もひとり
長い夜をむかえる
孤独な膝を抱え
つけっ放しのテレビの前で
朝がくるのを待つ

人恋しいくせに
ひとりでいることに逃げている
心の矛盾は 心の叫び
助けて助けてと 私にのしかかる


今日もひとり
心の中で泣く
孤独な背中を抱きしめ
誰でもない誰かに
救いを求める

人恋しいくせに
心の受け止め方がわからない
傷つけられることに慣れていても
優しくされることには慣れていないから


今日もひとり
孤独な心と
長い長い夜を過ごす