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黄帝内経素問 五蔵生成篇 第十 第四節 訳

2011-04-01 09:23:17 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 五蔵生成篇 第十

第四節

 診病之始、五決爲紀。

欲知其始、先建其母。

所謂五決者五脈也。

是以頭痛癲疾、下虚上實、過在足少陰巨陽。甚則入腎。

徇蒙招尤、目冥耳聾、下實上虚、過在足少陽厥陰。甚則入肝。

腹滿脹、支鬲胠脇、下厥上冒、過在足太陰陽明。

欬嗽上氣、厥在胸中。過在手陽明太陰。

心煩頭痛、病在鬲中。過在手巨陽少陰。

 

 病の診断の始めは、五決を順序たててしるすこととなります。

 

その始まりを知ろうと欲するならば、先ず病状が生ずるもとである証を決定しなければなりません。

 

所謂五決とは五脈であります。

 

頭痛や癲疾(てんしつ)は、下が虚し、上部は病の邪気が盛んな状態をいい、病は足の少陰腎経と足の巨陽すなわち足の太陽膀胱経にあります。病が甚だしくなれば腎に入ってゆきます。

 

めまい、目がかすむ、まぶしい、聴力障害等の症状が起るのは、上が虚し、下部は病の邪気が盛んとなり、病は足の少陽胆経と足の厥陰肝経にあります。病が甚だしくなれば肝に入ってゆきます。

 

腹がはりふくれ、胸脇に膨満感が生ずるのは気が下より上逆して、頭部を冒して、頭目昏花・悪心・嘔吐などの症状をあらわし、病は足の太陰脾経と足の陽明胃経にあります。

 

気管支炎、気管支喘息、呼吸困難などは、胸中に厥が在り、病は手の陽明大腸経と手の太陰肺経にあります。

 

胸苦しく、頭痛するのは、胸膈中に病があり、其の病は手の太陽小腸経と手の少陰心経にあります。

 

東洋学術出版社素問五蔵生成篇

【注釈】に

⑥心煩頭痛―この字句は誤りである可能性がある。『甲乙経』によれば「胸中痛み、支滿し、要背相い引きて痛む。過は手の少陰、太陽に在るなり」とある。〔本来は〕このように改めるのがよいのであろう〔が今はしばらくもとのままとする〕。 とあります。

【解説】に

 この段落の文章には、脱簡や誤りがある。第一節、第二節、第三節には、下虚上実、下実上虚、下厥上冒の句があるが、第四節、第五節にはない。また、第一節、第二節には、腎に入る、肝に入るという句があるが、第三節、第四節、第五節にはない。また、第五節にある心煩頭痛は明らかな誤りであろう。 とあります。

 

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