渡辺武著 わかりやすい漢方薬
漢方薬はどう診断するか
4 水滞(水毒症―水滞証)
眼からおしっこが出ている
作家の今日出海さんといえば、初代文化庁長官だった人、長官に任官される前、それまでの疲労が一度に出て、時病である眼病のため失明寸前といわれました。
今さんはこれまで目の角膜剥離の手術を二度やりましたが、いずれも成功という状態ではありませんでした。
そこで、京大病院の眼科で三度目の正直で再手術をすることになりました。
今さんは大の高所恐怖症です。
パリに留学しておられたお嬢さんを案内して、エッフェル塔にエレベーターで登ったが、上から下を見るのが恐くてじっと坐っていたという人です。
角膜剥離の手術は、眼の角膜をはりつける手術ですが、入院中の今さんからお呼出しがあってかけつけると、眼からはとめどなく涙が出ていました。
話の最中もハンカチを出して眼をぬぐっておられます。
担当医も「これでは水の中で角膜をはりつけるようなものだ」といって手術を少し延ばしました。そして、「二週間の間に涙をとりましょう」と約束しました。
涙がとめどなく出てくるということは、眼が悪いわけではありません。
胃や腸の中に水滞が起っていて、大・小便でスムースに排泄されないために、仕方なく眼から涙で水分を出しているわけです。
そこで『桂枝加苓朮附湯』という神経痛やリウマチに効く薬を処方して、胃や腸の水滞を大・小便で出すことにしました。
最初は人の顔も涙が出てじっと見ていられなかったものが、八日目、十日目にはすっかり水分がとれて、カラッとした眼になりました。
角膜手術は三~四度が限界とあって、担当医も好条件で手術して、今度は見事に成功しましたが、担当医も今さんもなぜ涙が出なくなったのか、私が胃や腸の水滞が原因だといっても、理解するまでずい分時間がかかりました。
現代医学で治療薬の少ないのは、眼科、婦人科、精神科の分野があげられます。まず、眼科の眼の治療に、胃や腸の水滞で涙がとめどなく出るという論理は出てきません。
眼の涙は眼の病が原因で出ているとしか考えられないのです。
それもそのはず、欧米では胃や腸に水滞が起るなんて考えられないこと。
肉食で塩分は取らなくても、肉から直接に摂っています。
乾燥しているから、頭から皮膚から、自然に水分は発散しています。
腎臓に負担をかけて小便で水を出すこともありません。
だから欧米人には泌尿器官の病気は非常に少ないし、研究も大変におくれています。
ところが、日本人は米食に野菜食で、水滞で発散ができないので、小便で出していて、腎臓に負担をかけています。
眼病の薬は〝二階から目薬〟のようなものです。
肝油を飲むか、肝を食べるか、ビタミンA、Dとか、脂肪に溶ける栄養を摂るくらいしかないのです。
しかし、現実に眼から涙がとめどなく出ていたら見えません。
しかし、医師からはさしずめ仮性近視ぐらいにしか診断してもらえないのではないでしょうか。
せいぜい、自律神経遮断剤か催眠剤で眠らされるのが落ちです。
漢方は、眼は眼科ではなく皮膚の一部と見ているのです。それで昔から眼はその人の身体の状態を説明しているといわれてきたのです。
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高所恐怖症は水滞
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