渡辺武著 わかりやすい漢方薬
第二章 漢方薬はどう診断するか
5 肝腎の解毒と利尿作用
お釈迦様から内臓が出た
京都の嵯峨野・清涼寺にあるお釈迦さまの立像は、約千年前にインドから中国を経て日本に渡ってきた、三国伝来のお釈迦さまとして有名ですが、二十年前のこと、釈迦の像の背中がポッカリ開いて、中からぞろぞろと経文や布袋のような物が出てきたのです。
千年も眠っていた像の胎内から物が出てきたというので、住職塚本善隆博士は、京都大学の人文科学研究所の所長ということでもあり、その科学的調査を開始されました。
釈迦の胎内には、経文などのほかに五臓六腑の心臓、胃、肝臓など現代医学でわかっている内蔵がすべて布で作られ、納められていたのです。
もともと、このお釈迦さまの立像は、奝然(ちょうねん)というお坊さんが宋に赴き、仏像と経典を持って帰ったことに始まります。
この仏像は釈迦の像で、伝説によると、お釈迦さまが「インドは仏教がだんだん衰えてきたから、私はもっと仏教を大事にするところに行きたい」というので像をかついで天山山脈を越えて中国に渡りましたが、偉いお坊さんが来たというので途中、中央アジアで足止めされて、唐に行き着けませんでした。
その息子の代に、唐の遠征軍によって、唐の都にやっと辿りついたといういわれのある像です。
これを、入宋した奝然が南支の彫師に模写させて造り、はるばる日本に持ち帰ったというのです。
清涼寺は浄土宗のお寺で、「あれはニセモノだ」「いや、インド伝来の本物だ」と、長い間いわれてきた像でした。
だから千年目に背中が開いて内臓が出てきて、やっと北宋の彫師が模写したものであるということがはっきりしたわけです。
問題なのは、その内蔵物です。
宋時代というと日本は平安朝の初め、その時代に宋では人間の内臓の五臓六腑のことがはっきりわかっていたということです。
心臓は赤い袋で心臓の形がつくられ、腎臓は紫の布、胃は黄色、というように、酸苦甘辛鹹の色づけによって分類されて入っていました。
面白いことに、この釈迦像には〝仏牙(ぶつげ)〟といって象牙の歯が入れてあります。
仏さまはたいてい口を結んでいるのですが、歯ができたら、目から鼻から口から内臓から全部ができた。
そこで「わしが日本に行きたいのだから、おまえは残っとれ」ということで、宋で模写した釈迦と入れかわって、日本に来たのだと伝説でいわれています。
だから、インドから三国伝来した釈迦像が来ているのだと、まとこしやかに伝えられたものです。
実は宋の模写が日本に持ってこられたのですが・・・。
一説では、この内臓は、千年前に日本で信者たちが作って入れたといわれています。
すると、日本でも千年前に人間の五臓六腑がわかっていたことになります。
漢方の本場、中国では、胃はどこにある、腸はどこにあるということは、漢時代からわかっていましたが、はっきりした形でわかっているのは、宋時代に中国から日本に伝来したこの模写のお釈迦さまの像で明らかになったのです。
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