おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』より
文章の中に差別的な箇所があるかもしれませんが、原文のまま掲載します。
p166女性は三十過ぎでも四十でも卵子があるかぎり出産する!
友人の金沢大学のK博士は、大の子煩悩ですが、第一子が生まれたとき、細君は陣痛から二日かかってやっと出産したという難産型です。
出産の時医師から「どうなるかわからない、諦めてくれ」と宣告を受け、苦闘のすえに産み落としたのです。
もう二度と産めないというのが、K博士夫婦の実感でした。
そこで同じ薬学をやり、漢方をやっている私のところに相談に来たのです。
「第二子を産みたいが、漢方では難産を和らげる方法はないのか」といわれました。
「冗談じゃない。女性は健康だったら安産で生めるはずだ」と、漢方薬で細君を健康管理して、三年目に第二子を妊娠しました。
十月十日経って、いよいよ出産予定日、K博士の研究室に電話がありました。
三、四十分遅れて病院に着いたら、付き添いの人が「もう生まれましたよ」と玄関に出てきました。
あとで細君がいうには、第一子の難産はうそのように、陣痛がはじまったらスムーズに第二子はこの世に誕生したということでした。
漢方では、女性の妊娠は「妊娠病」という病気になっています。
女性の生理がとまって、毎月の出血がなくなり、たまるわけです。
下腹部にたまりがあるから腰が重くて動けない。
そのたまりをはずせば楽になるというので、異常体であるとしているのです。
妊娠して走リ回っている人はいないし労働する人も少ない。
女性は妊娠すると本来の自然な女性に返ってきます。
もう一人がお腹に入っているのだから、とにかく冷えや貧血になりやすいのです。
そこで漢方には、昔から妊娠病に備えた安産薬に「当帰散」や「当帰芍薬散」というのがあります。
血行をよくして温かくする補血強壮薬で、「当帰」とか「川芎(せんきゅう・きゅうはくさかんむりに弓)」を処方したものです。
これを処方に応じて飲んでいれば、帝王切開なんてことをしなくていいのです。
女性はだれでも出産できるように生まれているのです。
京都の『大原女』といえば、昔から頭にはしごやしょうぎをのせて、花を売って歩いています。
あるとき、妊産婦の大原女が急に産気づき、京の町で自分でお産をしてちゃんと始末して帰ったといいます。
京都の人の間で大原の女は元気だといわれるのはそこからはじまっています。
人間が健康ということはそういうことなのです。
それを産婦人科に入院してわあわあ大騒ぎしたあげく、切開して赤ん坊をとり出すというのは、現代女性のどこかが異常であるということなのです。
よくいう常識のうそに、三十歳を過ぎた女性は、子どもを産むのは諦めておけというのがあります。
オールドミスは結婚前から脅かされて、異常状態がつづいているのだから、緊張の連続なのです。
緊張していたら出るものも出ません。
お腹がいつもつっているわけです。
そういう女性はたいてい、下が冷えて頭ばかりかっかしているものです。
こうした場合は温性血剤で調整して、緊張を解いて自然に返すことが必要です。
妊娠中、安産薬で健康を保っていれば、三十歳過ぎだろうが、四十歳過ぎだろうが、卵子があるかぎり出産はできるのです。
昔は、子どもを産めない女性を『石女』といいました。
石のように冷たい女性という意味ですが、いまは子どもを産まない女性がふえています。
間違った男女平等がうそを常識に仕立てているのではないか、と考えてしまうのです。
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