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中国の古典による、四季の養生法・冬の過ごし方
黄帝内経素問(こうていだいけいそもん) 四気調神大論篇(しきちょうしんたいろんへん)第二 第四節
四氣調神大論篇 第二 第四節 冬 から再掲載します
柴崎保三著鍼灸医学大系黄帝内経素問 四氣調神大論篇 第二
第四節
冬三月此謂閉藏。
水冰地坼。
無擾乎陽。
早臥晩起、必待日光。
使志若伏、若匿若有私意、若已有得。
去寒就温、無泄皮膚使氣亟奪。
此冬気之應、養藏之道也。
逆之則傷腎、春爲痿厥、奉生者少。
冬三月これを閉蔵(ヘイゾウ)と謂う。
水冰(こお)り地坼(さ)く。陽に擾(わず)らわされることなし。
早に臥し晩(バン)に起き必ず日光を待つ。
志をして伏(フ)するが若く、匿(かく)れるが若く、私意あるが若く、已に得るところあるが若くならしむ。
寒を去り温に就き、皮膚を泄(セイ)して氣を亟奪(キョクダツ)せしむることなかれ。
これ冬氣の應、藏を養うの道なり。
これに逆うときは則ち腎を傷り春痿厥を爲す。
生を奉くる者少し。
冬は草木はしおれ落ち、穀物は倉の中にしまいこまれ、昆虫は土中にもぐるという如く、地戸閉塞して陽気も中に伏蔵するの時期である。
それ故に冬の三月(十一、十二、一月)を閉蔵というのである。
東洋学術出版社素問 四気調神大論篇 第二
冬三月、此謂閉蔵。
水冰地坼。
無擾乎陽。
早臥晩起、必待日光、使志若伏若匿、若有私意、若已有得。
去寒就温、無泄皮膚、使氣亟奪。
此冬気之応、養蔵之道也。
逆之則傷腎、春為痿厥、奉生者少。
冬三月、此れを閉蔵と謂う。
水 冰(こお)り地 坼(さ)く。
陽に擾(みだ)すことなかれ。
早く臥し晩く起き、必ず日光を待ち、志をして伏するがごとく匿(かく)るるがごとく、私意あるがごとく、已に得ることあるがごとくせしむ。
寒を去りて温に就(つ)き、皮膚を泄して、気をして亟(しば)しば奪せしむることなかれ。
此れ冬気の応、養蔵の道なり。
これに逆えば則ち腎を傷り、春に痿厥となり、生に奉ずる者少なし。
閉蔵=陽気が伏し、万物が皆潜み蔵することをいう。
冰(こおる・にすいに水・正字)=凍る
坼=裂く
陽=陽気。生体が持つ生命力、単に気ともいう
泄=もれる。この項では汗を出すこと。
蔵気=五臓の気、機能
痿厥=手足が萎え力が入らず冷える病状。(明解漢和辞典・漢方医学大辞典)痿=痿は陽の痿なり
厥=厥は陽の衰なり(西山英雄編著・漢方医語辞典)
訳
冬の三ヶ月は陽気が伏し、万物が皆潜み蔵する季節であります。
この季節、水は凍り地は凍ることにより裂け、このように陰の季節であるため陽気によって人が擾(わずら)わされることはないのであります。
人は、冬は早く眠り、少し遅く起きるべきであり、朝は太陽が地平線を離れてから起き、夜は暗くなってから寝る、このように日光との動きを待って行動すべきである。
志を伏せ、しまい隠しているかのように安静にさせ、気持ちは何かやりたいことはあるのだが、表立って意示を示さないというようにして、自分の欲するものは已に皆得られたので、これ以上欲しいものはないという気持ちでいることです。
寒さで冷えすぎないようにし、体の保温につとめ、体を動かし過ぎ汗を出すようなことをして、閉蔵している陽気を消耗させるようなことをしてはならない。
このように、冬に従い蔵気を養うという養生法であます。
この養生法に反すると、腎を傷害し、春になって痿厥を為し、人の春の生気に対する適応能力を減少させてしまうのです。
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