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うつ病-6・・・方剤解説・・・3 クラシエ薬品加味帰脾湯(済生方という書物に記載されています)

2015-03-14 13:52:54 | 日記

昌栄薬品の宮原 規美雄です

うつ病-6

・・・方剤解説・・・

3.クラシエ薬品加味帰脾湯(済生方という書物に記載されています)

【組成】

気剤といって気の運行を円滑にする薬物

生姜(辛温の気剤)

木香(辛温の気剤)

酸棗仁(さんそうにん・酸平の気剤)

 

血剤といって血液に作用する薬物

山梔子(さんしし・くちなしの実・苦寒の血剤)

当帰(とうき・甘温の血剤)

柴胡(苦平の血剤)

 

水剤といって水毒の病証に用いる薬物

白朮(苦温の水剤)

茯苓(甘平の水剤)

黄耆(甘微温の水剤)

遠志(おんじ・苦温の水剤)

人参(甘微寒の水剤)

 

脾胃剤といって脾胃に胃の機能を助ける薬物

甘草(甘平の脾胃剤)

大棗(甘平の脾胃剤)

竜眼肉(甘平の心と脾胃に働く薬物)

 

又黄耆・人参・白朮・甘草・大棗・茯苓は元気を出し、胃の働きをよくする生薬。

茯苓と遠志は落ち着かない不安定な精神状態に作用する生薬

柴胡は肝気が鬱結したものを疎散させる生薬

 

【効能】

体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症

 

【解説】

加味帰脾湯は、四君子湯(人参・白朮・茯苓・生姜・甘草・大棗)という処方を基にして、遠志、黄耆、の利水剤、当帰の補血剤、並びに酸棗仁、竜眼肉など鎮静強壮剤を加えて帰脾湯が形成され、その上に柴胡、山梔子の血剤が加味された処方です。

脾気虚から生じる心血虚を治療する方剤です。

従って、普段から胃腸が弱く顔色が優れず気血の生成も不十分であり、心血の不足から動悸・不眠・精神症状などを呈している方が対象となります。

『漢方診療医典』には「この処方は貧血・健忘・動悸・神経過敏・不眠などで物忘れして困るものによい」「気分が沈んで眠れない者が目標である」と記されているため、落ち込みやすいといった陰性の精神症状の方を目標に用います。

 

【このような人に】

○普段から思い煩いやすい方に

○精神症状に加え、眠りが浅いといった不眠症状のある方に

 

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