うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

さらに深みへ。

2010-03-25 02:10:28 | 読書
中村彰彦さんの「幕末入門」。

会津→新選組→長州→薩摩→土佐…という順番で、それぞれの藩の
成り立ちから、幕末・明治までの思想の変化・事件などをわかりやすく書いてくれています。(新選組は藩ではないので別格だけど、幕末には欠かせない)

まさに入門!

藩論というか、藩ができたころからの思想とか、それが後々に佐幕か倒幕か、というところにまで至るには、理由もあるんですね。
関ヶ原からの長州藩の反徳川思想は有名ですけど、そこまでさかのぼって幕末を解説して
いただけるありがたい本です。

それにしても、どうしても歴史は勝者の歴史。
それって、私がついこの間まで浸かっていた、古代の政権争いと、たかだか150年くらい前の幕末でもほとんどおんなじなんだなぁ…と思ってしまいました。
それがこの国の歴史なのだから、悲しくもなり…。

日本書紀が勝者側の手によって書かれた歴史書だから、その裏にどんなに汚い謀略や暗殺が
あっても、自分たちを正当化するようにしか書かれていない…ってのと同じようなんです。

どちら寄りってわけでもないですけど、幕府側は、主として薩摩、長州に陥れられたような。また、その同じ藩内でも、思想の行き違いによって、謀略と暗殺がすさまじい…けど、
あんな時代だったので、犯人がうやむやにされたり、他の藩や組織の仕業とうやむやにされたり…。ああ、オソロシイ。

たまたま、今日お店のお客さんと、戦争関連で公表されるのはウソばっかりだ…みたいな
お話をしたところだったので、ああ、歴史を振り返っても同じだヨ…と思ったのでした。

ちょっと話はそれますが、実際に戦争に行ってきた兵士さんなんかは、
殺し合いが大きなトラウマになって、帰国してからもその心の傷が癒えず、
カウンセリングを受けたり、自殺される方も多いそうです。
…やっぱり、戦争…というか人が人を殺めることも、ダメなんです(T_T)
だから、幕末あたりの、暗殺、人斬りが当たり前のような状態って、当事者たちの感覚が
すでに麻痺してしまっていたとしか思えない…。

歴史を知ることで、イロイロと考えることって多いですけど、それこそ歴史を知る意義かも
しれませんね。
ついつい面白おかしく歴史小説を読んでしまいますけど、それだけではダメなんです、きっと。


コメント
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