景気がいいときには、中州のキャバクラ嬢も質が悪い。ホントにオマエは人間の格好をしているだけだな。ホントはオマエは妖怪人間ベラだろ。と思えるのをよく見かけた。その日、帰宅して床についてもかならず寝汗をかいた。
要するにバブルの頃だ。僕はそのベラからも相手にされなかったのでやや落ち込んだ。一晩で2千万、2千5百万使ったという人間が、そこらじゅうにいた。
もう妖怪はたくさんだと言う気がしてきて、誘われても10年ぐらいいかなかった。
ところが久しぶりに行くと中州は健全になり、オネエチャンは俺がスターにするから任せろといいたいほど若くて頭がよく顔もよく乳が大きい。妖怪はいない。
つまり就職難の時代、当然に中洲にも光がさすようになったのだ。賢くても行き所がなくなった。
どうしても振り返ってしまう。物品税があったころヨット・クルーザーには30~40%の税が課せられた。それが突然、4月だったことはよく覚えているが、3%の消費税のみになった。
貧乏人は乗るなということだ。なぜもっと怒らない。チンピラ経営者の言い訳なんか聞くな。おかしいことは明白だ。
軽減税率だの何のと、どうでもいい細かさに引きずり込まれてはならぬ。2%がどうしたんだ。料飲税をご記憶の方も多いだろう。それでいいじゃないか。8000円以上の飲み食いは税金3%だった。それ10%にしろよ。あるいは30。
(ネットにあった物を使わせていただきました。カタマラン・双胴艇。 20ノット出ます。風はタダだ。)
そこでクルーザー。最高のクルーズ、からけんプライベートビーチ(丘からは行けないので事実上)、キンキンに冷えたビール、からけん特製の料理。これでメロメロにならなかったら妖怪の類だ。
あの大きな船が空中に浮いているように錯覚する。水が澄んでいる。とくに冬。12月は暑い。
ところが中には舞い上がらないのがいる。生まれて初めてのことばかりのはずなのに動じない。強がりでなく心がびくともしてない。まるでオーナーのような口をきく。教養はなくともキャパがある。こう言う女をなんと言うか。
内縁の娘。
とくに今年は暖かく今日も汗をかいた。温暖化は僕のためにある。
このシリーズここまで、いわゆる動じない、肝の据わった、達観した人は、悔しがらずに読めたはずだ。しかし残念なことに貧乏がふさわしい人がいる。貧乏脱出のための本質的努力を怠る人たち。歯軋りはやめろ。歯がなくなる。
僕は貧乏だが、あえて選んだ名誉の道だと思っている。だから、貧乏脱出のため、カネだけに価値を置けというのではない。しかし、金持ちは時間を持っている。教養を高める時間を。それが究極の目標だ。
まだまだ面白いことは、書いたことの100倍はあるがこのシリーズはこの辺にしようと思う。
あまり愉快ではないことも書きましたがシリーズ最後まで読んでいただいてありがとうございました