逆境力―どん底の日々がボクに力をくれた | |
宮本 延春 | |
主婦と生活社 |
平成23年7月3日(日)、「社会を明るくする運動」俗に言う「社明運動」の講演会に出席しました。
講演会の講師は、この本の著者である宮本延春(みやもと・まさはる)先生です。
宮本さんの著書には、「小学生のとき、いじめで学校嫌いになり、中学1年の成績表はオール1。18歳で両親と死別し天街孤独の身となる。23歳のとき、偶然見たアインシュタインのビデオに衝撃を受け、小学生の勉強からやり直し、24歳で私立豊川高校定時制部に入学。恩師や周囲の支えから、27歳で名古屋大学理学部に入学、物理学を学ぶ。その後、母校である豊川高校で教師になる。…」と紹介されています。
講演の内容は、ご本人の生い立ちから小学校、中学校、そして社会に出て、教師になるまでの生の声でした。
宮本さん以外にも、これまで不良だったけれど教師になった人、中卒で弁護士になった人など、逆境を跳ね返して立派な社会人になられた人の本がベストセラーになってきました。
私は、これらの人達に共通するものを感じます。
それは「本人の持つハングリー精神」と「よき人生のアドバイザーの存在」です。この二つが存在しないと逆境力にはならいと思います。
つまり、社会の中で落ちこぼれた人間が社会の中で認められる人間になる可能性…
言いかえれば、「本人の力」(遺伝的要素)と「支える人」(人生の恩師)(金銭的援助)、これに尽きると思います。
宮本さんの場合、少林寺拳法で世界大会に出場できる位の実力を自らの力で積み上げられました。
私も高校生から少林寺拳法に入門、多くの大会にも出場し、大学拳法部監督、スポーツ少年団支部長もやってきました。
その体験的考察では、少林寺拳法に入門すること自体、もともとハングリー思考を持っている人ではないかと思います。
16歳で我慢できる精神力が存在し、やらなければならない環境にいたからこそ、逆境力が育ったのでしょう・・・
今、社会的ひきこもりが問題となって、彼らを社会の中へ引き上げることが求められています。
しかし、社会的ひきこもりの人が、この種の本を読んでも、ハングリーで逆境を乗り越えられる人でない限り、彼らを目覚めさせることはできないと思います。
講演では、自分は決して特別ではないと言っておられました。それは、成し得たから言えることで、やはり、特別な人なのです・・・
確かに、人間、追い詰められれば、それなりに逆境を乗り越えようとします。しかし、このように乗り越えられる人は、果たしてどれだけいるのか・・・
逆境を乗り越えられず、挫折していく人も多いのが、現代社会ではないでしょうか・・・・・