今日は二四節気の一つ「うすい」
空から降る雪から雨に変わり、雪が解け始めるころと書かれています。
二月一九日から「啓蟄」までの期間と言われこの時期に春一番の吹く頃だそうです。
今日の奥河内、私の住む河内長野は雪がチラつく寒い日でした。
暦の上での春は、まだ遠く郷土の名峰金剛山も雪におおわれ真冬の様相です。
この寒さでアウトドア派の私も「かめ」のごとく首をすくめて家のなかで退屈な日々を
過ごしています。
今日の金剛山
自宅近くから500mmの望遠レンズで撮影 (午後1時30分ごろ)
啓蟄まで二週間あまりありますが、今日は最近読んだ不思議な昆虫について話します。
本の題名は「昆虫はすごい」光文社新書で昆虫好きのものには興味の湧く本です。この本によると
私たちがやっているほとんどのことは、昆虫に先にやられています。農業、牧畜、建築、恋愛、嫉妬、
交尾、さらに戦争から奴隷制まで。虫けら等と呼べない存在です。数ある中の数例を紹介しますので
話の種にでもどうでしょうか。
摂氏100度のおなら
ミデラゴミムシは摂氏100度の高熱のオナラを敵に噴射します。このオナラが人の指に当たると熱
を感じ強力な臭いと茶色のしみが残り、皮がむけるそうです。他の虫はこの熱で死ぬそうです。
この虫の腹部にはヒドロキノンと過酸化水素という二つの科学物質を貯蔵する袋があり危険を感じると
両者を腹部の先端にある小さな部屋に流し込み酵素が反応し爆発させるそうです。
その反応の際にベンゾキノンと水が合成され強力な臭いになるそうです、現在の化学兵器に匹敵する
機能が小さな体内に備えられており、科学合成を一瞬に行うていると思います。
自爆攻撃
バクダンオオアリは敵のアリやクモに遭遇すると筋肉を硬直させ体内の袋を爆発させ粘着性の液が
腹部から飛び出し相手を絡めとって動けなくし、自らは死ぬそうです。又巣の仲間を救うために犠牲に
なるそうです。このアリは大顎腺という頭部にある防衛物質を分泌する袋が大きく発達しているそうです。
高度な保存技術
狩りバチは自分の幼虫に日持ちのするエサを与えることに成功している。彼らは毒針を使って麻酔に
より獲物を仮死状態にし全く鮮度を落とさずに長期間保存することができるそうです。我々も今でこそ
冷凍冷蔵庫がありますが、その昔は干物や塩づけが関の山であった。虫の世界はすごいと思います。
動物界で最速の動き
アギトアリは狩りに出るときは大顎を全開にして獲物に近ずき、大顎の付け根に長い毛が生えており
獲物がこれに触れると時速230㌔㍍の速さで閉じ獲物を挟む。その間、わずか0.12ミリ秒である。
貞操帯
古い時代に人の社会にも貞操帯という鍵のついた下着があり、自分以外の男性と関係を
持たせない器具があった。ギフチョウやウスバシロチョウは雄が交尾の際に精包を送り込むと
同時に粘液を出し、交尾栓という蓋を雌の生殖器にかぶせてしまう。自分の子孫を残すための
知恵である。雄が雌の背中に乗り続けているオンブバッタもほかの雄を近づけない為であるそうです。
昆虫の世界の一部を紹介したが、まだまだ不思議なことはたくさんあります。興味のある方は
丸山宗利先生書 「昆虫はすごい」 光文社新書 定価 780円+税
を一読されてはいかがでしょうか。我々以上に生活の知恵を持った昆虫がたくさんいます。
機会があれば又不思議な昆虫の世界を紹介いたします。