食生活がますます高度化し、自宅で本場の料理長が手掛けた味を、簡単に再現できる時代となった。本音のところはそんなことはない、宣伝に騙されているのだと思っていたが、女房が友人からいただいた中華料理の各種は、自分が抱いたレトルト食品のイメージを大幅に修正せざるを得ない本場もので、優れものであった。このシリーズはいまだ口に入らない一品を除きすべて試食した。どれも甲乙つけがたく、さすが看板に恥じない優れものであった。
販売店は横浜中華街でも有名な重慶飯店製である。試食したのは、メンマ、ザーサイはすでに味付けされたもの、エビシュウマイ、マーボードーフである。メンマ、ザーサイの煮つけは、どこのものでもさほど変わりはないが、エビシュウマイは、むきエビが詰まった、まさに海老三昧で、食感もよく、合格品であった。別格はマーボードーフである。料理はいたって簡単で、準備した木綿豆腐1丁をさいの目に切って水抜きし、深皿に広げて、その上にマーボードーフ醤(ジャン)をかけ、ラップをして電子レンジで3分調理して出来上がりである。
食卓では、ラップを外し、軽く豆腐とジャンを混ぜ合わせれば、それで一品完成である。ホアジャンの香りが立ち込め、本場の香りと味を堪能することができる。酒の肴によし、ご飯にかけてマーボー丼ぶりもよい。さすが重慶飯店の名に恥じないおいしさである。
商品を包んだ紙箱には、家庭で簡単本格四川料理、レンジで簡単!豆腐と混ぜるだけ!重慶飯店「マーボー豆腐醤は、陳調理部長が四川料理に欠かせないスパイスを独自にブレンドし、秘伝のレシピで作りあげました。本格四川料理ならではの山椒の香り、しびれる辛さ、その奥に、濃厚なうまみが詰まった本格派マーボートウフをご家庭で簡単に調理できます。ひき肉など、具材もたっぷりでご飯がすすみます。と書いてあり、3~4人分のレシピが載っている。
残念ながら友人からいただいたものなので、値段は定かではないが、久々にレトルト食品のすごさに驚嘆した次第である。カレーなどは古くから商品化されているし、手間をかけず、すぐに調理ができる商品も多い。食事を調理する人の立場での簡単さと、値段の安さ、おいしさ等、進化し続けるレトルト食品に接し、時代の変化に触れた思いである。