kebaneco日記

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タリシオ

2017年12月11日 | 携帯から(旅先からも)
東日本大震災が起きたとき、日本音楽財団は復興基金に寄付するため、保有していた、残存するストラディバリウスの中で最も保存状態がよいとされる、レディー・ブラントと名付けられたストラディバリウスのバイオリンを売ることにした。設定した最低入札価格は1,000万ドル。

その時に彼らが頼ったのが、タリシオという弦楽器に特化した修理も製作も手掛けるオークション・ハウス。彼らは1,589万ドル(12億円強)というストラディバリウス史上最高値で、このバイオリンを売却することに成功した。落札者は非公開。その資金で日本音楽財団は、障害者向け仮設住宅の建設や、被災地の水産高校に教習用船艇を寄贈するとの計画を打ち出していた。

ここはそのタリシオのニューヨークのオフィスの一角のホール。50人も入れば一杯になるような小さなもので、オルフェウス室内管弦楽団が超プライベートなコンサートを開いたりするようなところ。オークションは下見も含めて立派なホテルを借りて行われたと思う、しかもロンドンで。でもこのオークションハウスが音楽の力を復興の力に変える手助けをしたんだと思うと、なんとも言えない気持ちだった。

今回の出張の仕事は音楽とは無縁のトピックだったのだけど、クライアントのニューヨークオフィスが開いてくれた知らない世界への扉、最大のクリスマスプレゼントだなぁ〜と思った。

さ、現実に戻って仕事、仕事〜

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2 コメント

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知りませんでした。 (みどり)
2017-12-11 21:35:18
初めてそのような話を聞きました。
善行というものは、そんなふうに(ほとんどの人が知らないうちに)為されるものなのでしょうね。
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みどりさま (keba)
2017-12-11 21:53:15
そうですね。
12億もの金額って本当に桁外れなんですって。
目的を知っていて高い金額で落札したのかも
なんて思うと、
あの時の善意にあたしたち、ちゃんと応えてられてないぞ、と怖いです。
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