kebaneco日記

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離宮と利休の旅 初日 離宮の巻

2022年12月27日 | 旅行記&その他
京都は去年の夏ぶりの訪問、私の目当ては離宮。早々に24日に桂離宮、25日に修学院離宮の参観をネットで予約して、宿も予約し、1カ月前に新幹線の予約が確定するのを待っていた。
 
 
主人は大学時代に頻繁に名前を聞くのに一度も境内に入ったことのないお寺の一つ、大徳寺に行ってみたいと言う。了解〜と調べてみたところ、今年は利休生誕500年。千利休とゆかりの深い大徳寺、その塔頭のひとつ聚光院では5年半ぶりに国宝狩野永徳・松栄による本堂の障壁画が、保管されている京都国立博物館から里帰りして、本堂で特別公開されていることが判明。そりゃ行くよね、ってことで時間指定のチケットを予約、かくしてあっさり初日の予定が決まった。
 
 
さて当日、岐阜羽島以西の雪のため減速走行して、新幹線は40分遅れて京都に到着。今回初めて京都駅から提携ホテルに荷物を送るサービス、Crosta京都を往復で利用。京都駅地下の窓口で荷物を預けると、その日の17時以降ホテルで受け取りができるので、観光を終えてチェックインするまで荷物のことは忘れていて良い。翌日はチェックアウト時に手続きをしておけば、午後2時以降8時までの間に駅の窓口でいつでも受け取ることができる。今回は雪で遅れたので、これがなかったら昼食の時間がなくなっていたかも知れず、なおさら便利だと感じた。
 
 
というわけで、身軽になってお昼を済ませ桂離宮へ。京都駅からは地下鉄烏丸線で四条烏丸、そこから阪急京都線で桂まで、そこから徒歩約20分。桂駅が思っていたよりも充実していて、なんだここでご飯食べればよかったね〜、って話をした。あたしは前回来たのは大学生の頃で、その当時はまだ駅ビルなんてなかったと思う、だから昼食難民になるのは嫌だからと京都駅で済ませたのだった。
 
 
桂離宮は後陽成天皇の弟八条宮初代智仁親王によって、宮家の別荘として創建された。1615年に山荘の造営が始まり、途中荒廃した時期もありながら、1662年ごろまでに建物や庭園を整えて今のような姿に完成、1881年に八条家が途絶えた後1883年に宮内省所管となり、名前も桂離宮になった。創建以来火災に遭うこともなく、当時の姿をほとんど完璧なまま今に伝える総面積69,000平米。小堀遠州は直接作庭に関わっていないものの、その影響を受けた工匠や造園師が技法を凝らして遠州好みに結実させた。
 
 
 
「あられこぼし」の石畳 真ん中が高くなっていて排水にも配慮されている


 
表門を内側から見たところ 入り口側の道幅がやや広い
 

 
洲浜から茶室松琴亭を望む
 
池に突き出した石が敷き詰められた洲浜、その先に灯台に見立てた灯籠を配して海を演出し、その先の中島と石橋をつなげて天橋立にみたてている、とされている。ここからの眺めは、この回遊式の庭園がどんなに素晴らしいものなのか、期待を高めてくれた。
 

 
松琴亭 後陽成天皇の宸筆
 
 
桂離宮の中で最も格の高い茅葺入母屋造の茶室へは、切石の橋を渡って向かう。見る角度によって趣の異なる茶室。松琴とは拾遺集の「琴の音に峰の松風ふなり いづれのおより調べそめけむ」から。


 
一の間の襖が青と白の市松模様、これほんとに17世紀ですか?みたいな


 
橋を渡って
 

 
賞花亭へ
 


ここは苑内で一番高いところにある茶屋風の小亭
 
 
松琴亭も賞花亭も、ほぼ北に向いている。夏の間、御所からここまで避暑のために訪れていたというからなんというか・・・。ちなみに写真に映り込んでおられるこの方は宮内省の職員。今回あたしたちが参加した13時からの回は、参加者が全部で12名。これを2グループに分けて対応された。あたしたち6名に対してメインの説明員がお一人、最後尾について案内してくださったこの方と、お二人で苑内を案内してくださった。
 


賞花亭にこしかけて前を向くと、目の前はこんな景色
 

 
左を向くと園林堂と笑意軒が見える
 


園林堂は本瓦葺き宝形造屋根の持仏堂 雨が降り始めて虹がかかった
 
 
 
笑意軒は田舎屋風の茶室
 

 
取手が矢のモチーフは茶室には珍しい
 

 
船着場になっていて目の前が池
 
 
残念ながら、書院は修理中で見ることはできなかった。が、もうこの段階で十分17世紀の日本の技術や感性を味わうことができた。雨も降ってきた。少人数でゆっくりと時間を割いてもらえたし、説明員の方達の対応も含めてとても満足のいく1時間であった。ちなみに荷物は参観者休所のコインロッカー(後でお金が戻る)に預けることができ、長傘も借りることができる。あたしたちはスマホ以外は預けてさらに身軽になり、長傘を借りて見学した。
 
 
よかったね〜と出てきて、さっきよりくっきりとした虹が駐車場の向こうにかかっているのを見つけて、さらにハッピーになる。しかも、駐車場に次の回の見学者を送ってきたのか、空車のタクシーがいる。手を上げて止めた。が、駐車場から出てこない(苦笑)。普通お客さんの方に寄ってくるよね?と思いながらも、また20分歩くよりは短いからいっか、と乗り込んだ。「どちらまで?」と聞かれて「桂駅まで」と答えた後、チッって思ったよねっていう間があった。降りてから「京都の洗礼受けたね〜」「あの運転手、ちぇっクズひろた、って思ったよね」と盛り上がった。
 
 
が、観光客はわれわれのような古狸ばかりではなく、あんな態度を取られたら縮こまっちゃう人もいるかも知れない。桂離宮の余韻を打ち消すようなあの態度は、観光地のタクシー運転手として失格、プロとして最低だと思う。と同時に、あたしたちは今まで奈良や山陰で随分と甘やかしてもらったんだなぁとも思った。
 
 

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (クラリス)
2022-12-27 18:17:08
素敵な写真をたくさんありがとうございます😊
冬の京都も良いですね〜。
タクシー屋さん、ちょっとというかかなり残念😔どこから目線なんでしょうね。
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素敵!! (みどり)
2022-12-27 21:28:05
これは是非行かねばと思いました。
来年、ひまになったら行きます。
襖の市松模様、鬼滅の刃ですね(笑)
タクシー運転手、残念でしたね。
京都の“いけず”の洗礼あびちゃいましたか。
面白い経験したと思って流してください。
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Unknown (tsubone)
2022-12-28 02:09:39
コロナ以前、京都か大阪でコインロッカーもいっぱいで大きな荷物を持て余してやっと預け場所を見つけた事を思い出しました。
このサービスいいですね!メモメモだわ。
桂離宮、素晴らしいですね。これは行きたいなぁ、これもメモメモ。
京都のイケズは昔からなんでしょうかね。
実家は西陣と取引してて散々嫌な思いをしたらしく、ワタシ東京の学校に行く時に祖父から「京都の男とはつきあうな」と言われましたw
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クラリスさま (keba)
2022-12-28 02:11:51
お天気が変わりやすく、傘を片手にスマホを向ける、みたいな時もあったのですが
iPhoneのカメラ機能のおかげでなんとか、です。
冬の京都、寒いけどいいですよ〜

タクシーの運転手さんは、なんなんでしょうね。理解できないっす
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みどりさま (keba)
2022-12-28 02:14:58
おすすめです
ネットで予約ができますから、関西からなら日帰りだったとしても
桂と修学院の2か所見学できるかもしれません。

確かに鬼滅!
主人は6年京都にいたので、いけずは想定内、
「でたな〜」って感じで受け流しました。
とはいえ、大学生の時にやられたら凹んだかもしれません。。。
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tsuboneさま (keba)
2022-12-28 02:23:25
普通の一時預かりもしてくれますし、市内や大阪市内の提携先ホテルなどへ送れます。
時間と交通費を考えたら、駅からホテルまで送ってくれる代金が1,000円は悪くないと思う。
桂離宮は現在書院を修復中なので(来年11月くらいまでかかるらしい)、
それが終わってからならあと数カ所は見学場所が多くなると思います。

京都の男とは付き合うな、わかる気がします(笑)
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