kebaneco日記

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青紅葉の都旅 大徳寺編

2023年06月10日 | 旅行記&その他

大徳寺本坊の特別公開の最終日(6/4)になんとか間に合ったね〜と、ホテルのシャトルバスで京都駅に行き荷物をコインロッカーに入れて、大徳寺へ。

 

去年・今年と何度か京都の特別公開は予約してきたけど、今回は20分ごと20名ずつの入場が許される事前予約のできない1時間弱の見学というアレンジ。朝ごはんをゆっくり食べちゃったため(苦笑)、到着したら1時間後の11時の回になりますと言われた。大徳寺には塔頭が多いので1時間あればいくつか見られるので、それはそれでオッケー。まずは、同じく春の特別公開(6/18まで)をしている興臨院へ。

 

最初の写真は、室町時代の姿を残す興臨院の表門。畠山義総が創建、畠山家の衰退後荒廃し、前田利家が屋根の葺き替えなどを行い再興し、興臨院は前田家の菩提寺にもなった。

 

方丈庭園 資料をもとに「昭和の小堀遠州」と言われた中根金作が復元した

 

方丈庭園だけでなく、本堂、茶室「涵虚亭」も公開されていた。豊臣政権の五大大老の前田利家がなぜ?と思ったら、この後本坊を拝見した時にガイドの方から、当時は大徳寺に塔頭を持つのがある種のステータスだったという話を聞き、なるほど〜と納得した。

 


美しい佇まいの唐門
 
 
室町時代の特徴をよく表しているといわれる。写真を撮ってたら、同じく本坊の見学を待って見学をしていたであろう人から「撮りましょうか?」「お願いします」「じゃあお返しに撮りますよ」という撮影会(笑)。お天気に恵まれて檜皮葺の屋根の色、新緑、青空、全てが美しかった。
 
 
まだ時間があるから、と次に向かったのはお隣の瑞峯院。大友宗麟が菩提寺として建立した。最初、キリシタン大名がお寺って?と繋がらなかったのだけど、洗礼を受けたのはこのお寺を建立した後だと説明書があった。

 

表門

 

方丈前のお庭、独坐庭

 

寺号の「瑞峯」をテーマにした蓬莱山式庭園、枯山水の打ち寄せる波を見ながらしばし縁側に座ってみた。青空と一緒にお庭を見ると、のんびりした感じに見える波も、こうやって空を視野に入れないと打ち寄せる波が少し荒く見えて面白い。

 

方丈裏の庭、閉眠庭

 

写真ではうまく撮れていないけど、右上に向けて縦に4個配置された石と、写真上の方に水平に置かれた3つの石で、十字架に組まれた石組みだと言われている。表の庭に比べると、こちらは静かな感じがする。あたしが写真を撮ったのはお茶室の安勝軒につながる廊下。

 

公開してない大慈院あたり

 

織田信長の姉の安養院、大友宗麟の姉の見性院、村上周防守、山口左馬らが創建した大慈院。長谷川等伯による花鳥山水図屏風を保有していたのだけど、明治維新後に散逸してしまった。今回特別公開されている本坊の国宝唐門も、実は大慈院のものだったのだけど、明治維新後に移築されて今の場所にあるのだそう。どれだけすごい塔頭だったんだろう。

 

千体地蔵塚の前にこんな碑があった、大慈院は紫式部ともゆかりがあるんだね

 

かくして、本坊の見学の時間がやってきた。茶所で点呼があり、ガイドの女性が手際よくあたし達を勅使門下に案内してくれた。勅使門も山門の金毛閣は扉が開かれ下をくぐることができた(が2階部分の天井にあるとされる長谷川等伯筆の龍図や迦陵頻は見られない)し、仏殿・法堂は内部で説明を聞きくことはできたが、撮影禁止だった。どういう建物の中に入ったかは、前回のエントリーを参照くだされ。

 

離宮と利休の旅 初日 利休の巻 - kebaneco日記

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この時外から見た建物に中に入ることができて、法堂では狩野探幽の天井画雲龍図の下で、順番に手を叩いて鳴龍を経験して満足。その後いよいよ唐門へ。なんと柵の中に入れてもらって、細かい説明を受けた。これが秀吉が建てた聚楽第の遺構だと伝わり、大慈院にあったものを今の場所に移築した。日光東照宮の陽明門のモデルになったと言われる。彫刻の彩色が華やかな四脚門。金具の飾りのように見える柱の装飾、実は柱と同じ木から掘り出して彩色で金具のように見せていると聞いて驚いた。

 

 
みんな待ちかねてた
 

 
 
 




破風の下の柄については丁寧なガイドさんの説明があった
 
 
40分くらいの短いツアーだったけど、ガイドさんのメリハリある説明が楽しくあっという間だった。これがみたくて、根性出して諦め悪く京都まで来たと言っても過言じゃないので、こんな充実した説明、少人数で静かに見学できて全てが報われた気分。よかったね〜、あたしたちもJR東海も頑張った(笑)、でも小腹空いたね〜、と前回来た時は前を通るだけだった今宮神社の名物あぶり餅を食べに行くことにした。
 

境内の緑も美しい

 

いいお天気、いい匂いのする今宮神社の脇道でしばし並んで順番を待つ。きなこをまぶしたお餅を親指サイズにちぎって竹串に刺して、炭火で炙って焦げ目をつけた名物あぶり餅。一条天皇の時代に疫病が流行した時、紫野の疫神を再興し疫病が治ったことから、あぶり餅は厄除けの菓子とされているようだ。一人一皿いただいたので、しばらくはコロナにかからないかもね〜なんて言いながら、この後バスで相国寺に向かった一族であった。


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