
妙なこだわりが服を着て歩いているようだったあたしの母は、「ハウツーものは本ではない」と仰せであった(笑)。
若い頃は、そうとも言えるがそんなにバッサリ切らなくとも、と思っていた。が、持ってた書籍を電子化したり、電子書籍を購入するようになって、あの親にしてこの子ありなのか?と唖然とさせられた。要するに、母の定義で「書籍」に収まらないものは、9割がた電子化したか処分したかで書棚にはないのである。辞書類は検索できるフォーマットで電子化したので、紙で持ってたときよりも使い勝手が良くなったのは嬉しいサプライズだった。
かくして何段階かに分けて本棚1個分を処分して、残ったのはこんなような本。くりまんじゅうさまが「美しき愚かものたちのタブロー」を昨年お求めになったとコメントをいただき、そういえば、と一角を写真に撮ってみた。電子化で空いたスペースには、父の蔵書を譲り受けたものが収まっている。
スペースってできると埋まっちゃうんだっていう、なんだかな、な状態(苦笑)。が、書籍の持つ物理的な重さは、その内容と経てきた時間と思い出も一緒なので、なにものにも替え難い。
上の段の「牧野日本植物図鑑」は、先生のお描きになった植物画集と一緒に、こないだ買ったばかり。小説などは読み終わったものはほぼ処分して、積読状態のものだけが残っている。下の段にある「古典彫刻技法大全」と「はじめてのモネ」は頂き物で、前者は去年とある大学の学長が藝大の仏像修復の授業を見たいと来日された時に、右端の方にある「すぐわかる東洋の美術」と一緒に期せずして活躍した。が、今後使う予定は皆無であろう。なので、皆さん揃って電子化処分対象候補(苦笑)。小説の類は今後は図書館利用もアリだなぁと思ったりする。
一方で絶対に電子化せずに残したいのは、ヴァザーリの「ルネサンス画人伝」。画家で建築家のジョルジュ・ヴァザーリが、膨大な数の画人の生涯を記した伝記集。全部は日本語化されていなくて、日本でもお馴染みのジョット、ボッティチェルリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、など15名分だけが和訳され出版されたもの。上野で西洋絵画史を学び直すっていう本はハウツーものだけど処分を免れている。下の段に並ぶ美術館案内なんかは、そのうち電子化してしまおうと思っている。iPad airに入れておけば何冊も一気に持ち歩けるので、旅行には便利だから。今でも既に旅行のガイドブックは電子版を愛用している。
こうしてみるとこれからは大して減ることはないだろうと思っていた書棚の面々のなかにも、電子化・処分の候補者がいることがわかった。時間ができたら行動に移そう。が、棚にスペースを見つけるとせっせと自分の部屋の本を運んでくる輩がいるので、気をつけねばならない(苦笑)。今だってこの写真に写っていない本棚の下の方は、あたたしには買った覚えのない本がずらりと並んでいる。困ったもんだ。
うちにもあります 昨年ネット購入しました 今は文庫本になっているようですね。
松方幸次郎の史実に基づくフィクションで 国立西洋美術館は
松方コレクションがあったからこそ作られたのですね。
規模は大違いですが 中土佐町立美術館が町田氏のコレクションをもとに作られた話とダブります。
松方氏はモネのアトリエを訪れ そのとき交わした会話が
松方氏の心に深く残ったのですね。
2018年12月に ボストン美術館・メトロポリタン美術館・ナショナルギャラリーを見学し
その規模や収集力に目を見張りました。とくにボストン美術館はモネの作品が多かったです。
『美しき愚かものたちのタブロー』を読んでから行ったら
3つの美術館でまた別の感動があったと いま思います。
それまで私は原田マハさんを知りませんでした。松方コレクションも知りませんでした。
国立西洋美術館で松方コレクションが 数年前展示されていますね 行きたいものです。
本は増えますが『牧野日本植物図鑑』は捨てないでください。
牧野博士がお好きだったお父様が 娘のそばにいるみたいですね。
ワタシは小説などの新刊はほぼ図書館で予約して読み(予選)それでもう一度読みたい、手元に置いときたい(決勝)になったものだけ買うことにしています。
電子化ってスキャンして保存されているんですか?
未だそれに踏み切れないワタシ、遅れております・・・
美術や音楽関係の本が多いですね。
原田マハさん、私も好きです。
松方コレクションをフランス政府から返してもらう条件の「器」としての国立西洋美術館でした。
この時に少し描いてます
https://blog.goo.ne.jp/kebaneco/e/5e754ff551245e634ba99e033829d7d2
美術館は行く前に収蔵品について何か読んでいくと楽しみ方が全く異なります。
アメリカ東海岸を代表する3大美術館に足を運ばれたのであれば、
今度は小さくてもきらりと光る美術館(ニューヨーク市内だけでもたくさんありすぎますが)にいらっしゃるのもいいかもです。
でもその前に、西洋美術館にぜひ。
そこから東博も芸大美術館も徒歩圏内ですしね。
そうですね、牧野植物図鑑は永久保存版です!
電子化ですが、書籍を電子化してくれる業者がありますのでそういうところを使っています。
たとえば雑誌の和樂の付録の京都のお寺の境内の地図なんかは、持ち歩いてボロボロになる前に電子化しますし、
仕事で必要に迫られて買ったものは、繰り返して使いそうなら業者に電子化してもらいます。
一方で、小説などは書籍で買った物はブックオフなどで売る、そして欲しいものは電子版を買い求める形で「電子化」です。
最近は最初から電子版の書籍を買ったりしてます。
移動の時にiPadだけで何冊も本を持っていける利便性は、覚えてしまったらもう元には戻れないです。。。
しかも、あたしが父の遺影に使いたいと思ったものでした(却下されたけど)。
https://blog.goo.ne.jp/kebaneco/e/add7d6f1665754e7dc5957a7bf7a1b7b
ここに再掲載
そしてうしろの本棚には 百科事典がたくさん並び
お父様は勉強好きでしたね。ご自分も勉強されるし 子どもたちにもきちんと教育を付けました。
ご両親が相次いで天に昇られたことは 何と言っても夫婦仲がものすごくよかったことの証明です。
お母様のあとをすぐに追われたお父様。お母様は愛されてましたね。
横長の時計の後ろに牧野先生の植物図鑑があったでしょ?
奥の方じゃなくて比較的取り出しやすいところに置いてたんだと思って、なんかびっくりです。
父は告知してなかったけど自分の病気のことは知っていたと思います。
認知症の母を置いていかなければならないと心配してて
母が亡くなったことを伝えた時に「わたしが先じゃなくてよかった」とぽつり、でした。
自分の体の不安、母を置いていく不安、誰にも共有できなかったんですよね。
告知していたらあたしたちに話して少しは楽にしてあげられたのかも、と後悔してます。