今日のうた

思いつくままに書いています

黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 1

2014-11-16 12:05:02 | ⑤エッセーと物語
狭い日本になぜ54基もの原子力発電所が存在し、国民がどんなに反対の声を
上げても無くす方向にはいかないのか、私はずっと疑問に思ってきました。
陰で大きな力が働いているのではとは思っていましたが、それがどんなものかは
解りませんでした。

『黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 狭い日本に核プラントが54基も存在する理由』
(鬼塚英昭著 成甲書房)を読んで、そこには国を超えたとてつもない巨大な利権と人脈、
そしてそれぞれの思惑が絡まり合っていることが判りました。
原発はいったん始めてしまったら麻薬と同じで、止めるには一筋縄ではいかないということを
思い知らされました。

どれだけ理解できたかは自信がありませんし、書かれていることが全て正しいかどうかは
私には分りません。私が理解した範囲で、本に書かれている気になる言葉を
ピックアップしていこうと思います。この本の初版が2011年5月30日ですので、
現在とは若干の違いがある箇所があります。

まずロスチャイルド家とは何なのか。この本で私は初めて知った。ウィキペディアによると
「18世紀後半にフランクフルトのゲットー(ユダヤ人隔離居住区)出身の
 マイヤー・アムシェル・ロートシルクが銀行家として成功したことに始まる。
 現在、ロスチャイルド家が営む事業は主にM&Aのアドバイスを中心とした投資銀行業務と
 富裕層の資産運用を行うプライベート・バンキングが中心である」

どこにも原子力との関係を示す記載はない。
この本には次のように書かれている。
私はまず、ヴィクター・ロスチャイルド(1910~1990)について書くことにする。
どうしてか?彼こそが"原発マフィア"の中でも最も大きな力を持っていたからである。
しかし、いかなる原爆の本を読んでも、日本を問わず、欧米においても、
一行たりとも全くその姿を見せたことがない。
彼は闇の中にほぼ完全に隠されている。しかし、彼こそが原子爆弾を、そして
原子力発電所を創造した男なのである。

原子爆弾を製造すべく、アメリカは「マンハッタン計画」を立てる。この計画は、
1939年8月2日に、アルバート・アインシュタインがフランクリン・ルーズベルト
大統領に書簡を送って、原爆製造にアメリカが着手するようになった、というのが現代史の
定説とされている。
しかし、ヴィクターこそが原爆製造の"主役"であることは全く知られていない。
すべてが謎につつまれている。

ヴィクターはイギリス陸軍の飛行機を乗りまわし、あらゆる国々でウラン探しを続けた。
広島と長崎に原爆が落とされた後、当時のウラン鉱山の約80パーセントが
ヴィクターの手に落ちていた。第二次世界大戦が終了すると、ヴィクターは、
ウランの大量販売に乗り出すのである。

・・原爆がアメリカの軍事戦略の中心となっていく。こうした風潮のなかで、
原子力の平和利用としての原子力発電所が誕生してくるのである。
私たち日本人は、大きな"平和利用"としての原子力、すなわち核分裂を考えているが、
平和利用とは軍事産業の一分野なのである。どうして原子力発電にアメリカは
力を入れるようになったのか。
核分裂から電力を取り出して、工場や一般家庭に送電するのは二次的目標なのである。
それは今日でも変わらない。真の目的はプルトニウムを大量生産し、原爆製造、
そして水爆製造をするためであった。製造後に大量に出てくる劣化ウランで爆弾を造り、
世界各地での戦争を演出し、数十万、あるいは数百万単位で人々を殺害するためであった。

1991年、アメリカ軍はクウェートとイラクで94万4000発もの
劣化ウラン弾を発射した。
国防総省は戦場に最低でも320メートルトンの劣化ウランを残してきたことを認めている。
湾岸戦争の従事者に関するある調査では、彼らの子供が目の欠損や血液感染、呼吸器の問題、
くっついた指といった重い障害をかかえて生まれる可能性が高いと報告されている。

「原爆製造の父」であるロバート・オッペンハイマーの言葉
「物理学者たちは罪を知っている。我々は自分の手を汚した。原爆は麻薬だ。原爆は軍事的に
 意味のない兵器だ。それは大爆発ー非常な大爆発ーを起こすだろうが、
 戦争では役に立つ兵器ではない」

・・ここから「平和のための原子力」という言葉が生まれてきた。日本人は、
特に原子力発電を推し進める原発マフィアたちは、この言葉を今日でも使い続けている。
アメリカはこの「平和のための原子力」という言葉を盛んにピ-アールした。
こうして「恐怖の原子力」というイメージが消えていった。
この言葉を世界中の政治家たちがこぞって使い始めたのである。
シュトラウス(ルイス・L・シュトラウス、原爆エージェント)が勝利し、
オッペンハイマーが敗北した。「核拡散」こそが、原子力の平和利用であるとされた。

ヴィクター・ロスチャイルドはウラン鉱山の80パーセント近くを支配していた。
彼はさらに世界中のウラン鉱山を探査するのである。アフリカ大陸に的が絞られた。
南アフリカの金山からウランが出た。そして今、ロスチャイルドは、
オーストラリアに世界最大のウラン鉱山を持つ。

日本に目を向けてみよう。佐野眞一の言葉
「A級戦犯で死刑になった人は7人ですが、A級戦犯容疑者として拘留され、
 後に不起訴となって出てきた人はそれよりずっと多い。正力松太郎もそうです。
 彼は読売グループの総帥にして日本プロ野球の生みの親なわけですが、
 じつは戦前には警視庁刑務部長を務めた大物官僚で、戦時中も大政翼賛会総務や
 貴族院議員を務めていたんですね。終戦後はA級戦犯容疑で
 巣鴨プリズンにも入っていたという人物です」

CIAから暗号名「ポダム」を与えられていた正力は、輝かしい日本の未来を願い、
CIAから1千万ドルの小切手を貰って日本テレビを創り上げ、かわりに、
3千万の人々の反原爆運動を「毒をもって毒を制する」方法で、原子力利用を
工作したというわけである。

正力の戦略は原子力利用への熱望を育てることに成功していく。被曝があるからこそ、
期待が高まる。
オセロゲームで、黒のコマを一気に白に変えるような見事な手腕で、
正力は大衆社会の原子力への期待を煽りに煽り、それを一身に受け止めて衆議院議員に
初当選を果たし、かつて学術会議で議論された軍民を総括するアメリカ原子力委員会と
同じ名前の組織を作って良いのかという問題を一切考慮することなく、
強引に原子力委員会を設置して、自らその初代委員長に着任、
科学技術庁長官として入閣を果たした。

読売新聞は、1955年元旦、「原子力平和使節団招待」という社告を第一面に掲げた。
「原子力は学問的にみても、とっくに技術開発の段階さえ終わり、工業化と経済化への
 時代、それも輝くばかりの未来柱を暗示する時に来ている。
 広島、長崎、そしてビキニと、爆弾としての原子力の洗礼を最初にうけたわれわれ
 日本人は、困難を押し切ってもこの善意により革命達成の悲願に燃えるのは当然だ」
2につづく                          (敬称略)

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黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 2

2014-11-16 12:04:03 | ⑤エッセーと物語
中曽根康弘はその著書のなかで、「これがわが国における"第三の火"のスタートに
なった」と書いている。中曽根が原子力予算案を提出したのは、アメリカが極秘裡のうちに
ビキニ環礁での水爆実験を行ってからまだ2日後のことだった。
ここから浮びあがってくるのは、中曽根がビキニの核実験をひそかにアメリカ側から
知らされた上で、あえてこの日に原子力予算をぶつけてきたのではないかという
疑惑である。さきに述べたように、読売がこの水爆実験をスクープするのは、3月16日
のことだった。もし読売のスクープが出たあとであれば、当時の国民感情からいって、
この予算案は通るどころか、上程することすらできなかったはずだった。

1954年、中曽根が原子炉建設費として提出した2億3千5百万円に対し、
「どうしてこの予算額なのか」と質問された際、中曽根は「ウラン235から決めた」と
言っている。中曽根はこのとき、「科学者たちが全く動こうとしないので、
自分が彼らの顔に札束を叩きつけて彼らの目を覚まさせた」と発言している。
日本の学者はそれ以降、札束を顔に叩きつけられて、原子力が危険なことを
言わなくなった。

槌田敦『原発安楽死のすすめ』より引用
「このアイゼンハウアの演説には裏があった。当時、アメリカでは原爆をつくりすぎていて、
 ウラン濃縮工場を操業短縮するという『軍事利用の危機』に陥っていた。
 その事情はソ連も同じである。そこで、この軍事工場で生産される過剰ウランを
 原子力発電所で消費することにより、軍事工場を操業短縮しないでも済むように
 しようとした。これが米ソ両国による『平和のための原子力』だったのである」

シュトラウスはヘンリー・キッシンジャーを同伴させて、中曽根に「原子力平和利用」を
日本に命じたのである。中曽根は正力松太郎とともに、アメリカのために、
決して日本のためでなく働くように強要されたというわけである。
かくて日本列島に核兵器工場=原子力発電所が林立することになった。

核物質の危険性はすでに知られていた。都築正男がその先駆者であった。
だが、原爆は秘密裡に造られたのである。前述したヴィクター・ロスチャイルドの強制力が、
チャーチル首相、ルーズヴェルト大統領を動かして。マンハッタン計画を知っていたのは、
アメリカでは、ルーズベルト大統領、スティムソン陸軍長官、グローブス将軍、
モーゲンソー財務長官と、物理学者たちであった。
トルーマン副大統領も、ウィリアム・リーヒ提督、マッカーサー、アイゼンハワーらの
司令官も全く知らされていなかった。マンハッタン計画に従事した数万の人々も、
自分たちが何を造っているのかを知らされていなかった。
このマンハッタン計画とその後の原爆実験で、アメリカでは広島・長崎をはるかに
上回る数の人々が被曝して、今も苦しんでいるのである。
(マンハッタン計画は、私のブログの放射性廃棄物~終わらない悪夢~ 
 2014年8月23日のエッセイにも出てきます)

1950年代に入ると、水爆製造の時代に入った。
アルバート・アインシュタインは、次のように警告していた。
「莫大な資力が軍部の手のうちに集中し、若者の教育を軍国化し、市民とくに公職に
 ある者の忠誠心を問う警察権力の監視が、日増しに顕著になっている。
 そして、固有の政治思想をもつ者に対する威嚇がひどくなり、ラジオ、新聞、
 学校を通じて、一般公衆が偏った方向に啓蒙され、さらに軍事機密保守の協調によって、
 一般の人々が得る情報が、大幅に制限される傾向にある」

(まるで現在、あるいは近未来のことを警告しているようだ)

広瀬隆『危険な話』より
「みなさんはこの文章をどこかで聞いたことがあるはずです。
 -これらの被ばく量は、私たちが自然から受ける放射能100ミリレムに比べて、
  ほとんど変わらない安全な量です。また、医療に使われている放射能より、ずっと
  低いものです。高い山に登ると、240ミリレムの放射線を受ける場所がたくさん
  あります。人間の体のなかにも、もともと放射線を出す物質が入っています。
  しかも私たちが目標としているのは、この数字ではなく、ネバダの実験場の外で
  住民が受ける放射能を、ゼロにすることです」  ー原子力エネルギー委員会
  
 どうですか、この文章は、私たち日本人がいま電力会社から受け取るパンフレット
 そのままではないですか。ほら、週刊誌などのPRでよくこの文章をグラフにしたものを
 見るでしょう。あれは実に、30年前にアメリカ人がネバダの風下住民に配った
 パンフレットから、そっくりそのまま内容を頂戴して絵に描(か)いたものだったのですね」

(どこまで怠慢で傲慢で、無責任で、国民を愚弄しているのだろう)

『福竜丸』の著者ラルフ・E・ラップの言葉
「核兵器のほんとうに驚くべき破壊力が示されたのは、福竜丸の甲板であった。
 核爆発地点から百何十キロも離れたところに居た者でさえ、核爆弾にそっと音もなく
 触れられて死ぬことがあるのだと知れば、人間が核爆弾を手にするのは、
 世界はあまりにも小さすぎるということが、否でも応でも判るはずだ」

この福竜丸の被曝を知り尽くしたシュトラウスは、1954年の春、アメリカ中を
巻きこんだ水爆実験の影響をめぐる論争の真っ只中で、次のように公言したのであった。
「放射線が少し増えたとしても、人間、動物、作物に害を与えうるレベルよりもはるかに
 少ない」
「医療用のX線のような放射線源や"自然放射線"と比較し、核爆発から出る放射性降下物は
 人間の遺伝構造に重大な害を与えない」

東京電力や関西電力は、このシュトラウスの主張する「無害論」をパンフレットにして
ごく最近まで、東日本大震災のすぐ直前まで大量にバラまいていたのである。
正力松太郎はシュトラウスの甘言を受け入れて、彼の代理人であり続けた。
(3・11の後に)フランスのサルコジ大統領が日本にやってきたのも、
GEのトップが東京電力本社にやってきたのも、水素爆発した原発を"見せ物"化して、
「より新しい、すなわち、より安全だと思わせる発電所を造れ」と、日本政府と東京電力を
説得するためであった。
 
彼らは正力松太郎の"毒を持って毒を制する"ことこそが、日本人を洗脳する一番よい方法だと
知り尽くしている。多くの原発マフィアたちが海外の権力者の力を借りて、「もう一度、
新しい原発を」「より安全な原発を」と騒ぎ出す日は近いのである。

プルトニウムについて
私たちを今悩ませるのは、原子力発電所から出てくるプルトニウムである。このプルトニウム
問題が解決できず、アメリカはついにスリーマイル島の原発事故以降、
原発の建設を中止するようになる。

このスリーマイル島の原発事故は「レベル5」とされている。福島第一原発事故は
「レベル7」。
「ウラン資源を有効に利用し、原子力発電の供給安定性を高めるため、長期的に安全性及び
 経済を含め軽水炉によるウラン利用に勝るプルトニウム利用体系の確立を目指すこととする。
 すなわち、使用済み燃料は再処理し、プルトニウム及び回収ウランを利用していくとの
 考え方『再処理ーリサイクル路線』を基本として、これに沿って着実、かつ、段階的に
 開発努力を積み重ねることにする」 (原子力開発利用長期計画)

これが日本の原子力開発の一貫した方針である。しかし、プルトニウムという
「地獄の魔王」が、使用済み燃料として大量に生まれてくる。原子爆弾(水素爆弾を含めて)
に利用できるが、再処理=リサイクルされたことはない。
すなわち、世にいう「高速増殖炉」によるプルトニウム利用はほぼ不可能なのである。

では、どうしてプルトニウムは危険なのか。
「100万個のなかの1個のアルファ線が体内に入ると決定的な突然変異の原因になる可能性
 がある。したがって、いかなる量のプルトニウムでも癌を生み出す可能性がある」と
いうことである。

ひとたび体内にプルトニウムのアルファ粒子が入ると、その半減期は2万4千65年である。
その半分が別の元素になるまでの時間はさらに2万4千65年となる。福島原発事故で
プルトニウムが出てきたことは、たとえ少量であっても2万4千65年は
消えることはないということだ。
私はあの原発事故でプルトニウムがかなり大量に出ているものと思っている。
最も危険なのがプルトニウムであると知る必要がある。しかし、新聞もテレビも、
たった一度だけプルトニウム放出を報道したが、後は一切報じていない。

ヴィクターとユダヤ資本家、金融マフィアたちは、次から次へと御用科学者を培養していった。
そして、ついに「原子力ルネッサンス」の時代がやってくる。その切り札こそが
地球温暖化というエセ科学であって、一流と称される科学者たちを買収して
全世界に流行させたのである。
私たちは21世紀に入って、ウランを制する者が世界を支配する世界を迎えた。否、その
言葉は正確ではない。迎えようとしていた。そこに、福島第一原子力発電所で
大爆発が起こったのだ。                     (敬称略)
3につづく                                     

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黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 3

2014-11-16 12:04:02 | ⑤エッセーと物語
中曽根康弘が原子炉建設費として提出した2億3千5百万円の予算案は、
その後どうなったのか。
あのウラン235をもじった予算案が予算委員会を通過した翌日、新聞、ラジオはいっせいに
反発したのであった。「どうせ原爆を造る気だろう」「無知な予算だ」
「学術会議に黙ってやった」・・・。
それでも共産党をのぞく四党は押し通した。私はアメリカが強力な圧力を加え、
日本政府、政党を脅した結果だとみている。突然の「原子力の平和利用」が日本国民の
知らないところで、中曽根康弘によって開始されたのである。

この予算がつき、正力松太郎が衆議院議員に初当選し、初代の科学技術庁長官、
そして原子力委員会の委員長になる。正力と中曽根の二人組が、原子力発電所を
強引に日本に造っていくのである。
正力と中曽根は共同で、次々と法案を提出しては通過させていく。原子力委員会設置法、
核原料物資開発促進法、原子力研究法、原子燃料公社法、放射線障害防止法、そして
科学技術庁設置法が、矢継ぎ早にできていった。この間、役人は一切関与していない。
中曽根は衆議院の専門委員と法制局の参事を使っただけで、中曽根を中心とする一部の
国会議員だけでの議員立法の形で法案が提出され、成立していったのである。

ここで、私たち日本人は知らなければならない。まず、法律が制定され、日米原子力協定が
調印されて、東京電力と関西電力が動き始めたということである。これは何を意味するのか。
原子力発電所は最初から国家が建設し、維持し、管理するという特殊なシステムが完成し、
これにアメリカが強制的な力を発揮したということである。
東海村はもとより、福島第一原発も、第二原発も、東京電力の事業というよりは、
国家事業であったことを私たち日本人は知らねばならない。

(政府が際限もなく東京電力救済にお金を使う仕組みが、ここにあったのだ)

中曽根内閣は1983年12月18日に「平和問題研究会」を発足させたが、そのリーダーは
瀬島龍三であった。委員会は同じ日に報告書を出した。中心は日米安保体制であったが、
原発についても触れている。
「原子力の中核的役割にかんがみ、核燃料サイクルの確立、新型動力炉の開発などを
 積極的に進める必要がある」
核燃料サイクルの確立・新型動力炉の開発とは、「プルサーマル」のことである。
原発から出てくるプルトニウムを再処理することこそが、「平和問題研究会」の
主要なテーマであったことが分かるのである。

青森県六ケ所村にプルトニウムをもっていくことを決定したのは中曽根康弘である。
日本は、否、世界はまことに運がよかった。あの3・11巨大地震がもう少し
北の震源で起きていたら、プルトニウムが爆発し、世界は滅ぶところであった。
アメリカも、世界権力を狙う連中もみんな、みんな、滅び去ってしまうところであった。

すべてはウラン235から採用された2億3千5百万円の予算案から始まった。
維持することも不可能、解体することも不可能な原発が54基も存在する日本。
こんな日本をつくったのは、正力と中曽根だけではない。多くの利権を漁る連中が、
この日本という国を喰いつぶしたのである。

(政治家が日本国中に必要のない空港をたくさん造らせ、それがJALを窮地に陥らせた
 ことに相通じるものがある。非難されるのは企業だけで、その大本となった政治家は
 常に責任を問われることはない)

 
私は、日本人はどこかで大きな間違いを犯し続けていると思っている。第二次世界大戦で
日本が敗北したのに、その真の原因が隠されたままではないか。
今回の3・11巨大地震でも、起きるべくして福島第一原発の大事故が起きたのに、
その真の原因を探ろうとする動きは見えてこないのである。
私はその真の原因を読者に知らせるべく、降りかかるであろう苦難を百も承知で
追及の旅に出ている。

ベルギー領コンゴのみならず、カナダでも豊富なウラン鉱脈が発見された。
南アフリカでは金山の副産物として大量のウラン鉱石が生産された。
アメリカ西部諸州でも大規模なウラン鉱山が発見された。さらにオーストラリアでも・・・。
これは何を意味するのか。大量の鉱石の産出が、【原発を必要とした】のである。

政府は原子力関連投資への特別償却や減税措置を含む大規模な助成策をとった。
原子力の利点だけを、東電も関電も大々的に宣伝した。CIAが1千万ドルの資金を出した、
あの正力松太郎の日本テレビがその先兵となった。瀬島龍三は他のテレビ局にも圧力を
かけ続けた。「原発は危険だ」というニュースがテレビで流れることはなかった。

(NHKをはじめとするテレビ局や新聞社の委員・理事・参与・重役・社長・会長などと、
 原発との関係が実名で書かれている。3・11以降のマスコミの対応は、
 ここに起因していたのか)

広瀬隆の本より
「新潟県柏崎市に建設されている『柏崎刈羽原子力1号』は世界最大クラスの原子炉である。
 この工事は、1984年12月に運転開始、総建設費3753億円の予定で6年前に
 着工されたが、運転開始が2年近く遅れ、すでに建設費は計画より2割以上も水増しされ、
 4543億円に達している。
 土建業界では、工事費の3%を政治家に払う、と言われている。
 これだけで136億円が政治家の懐に入っても、不思議ではない。(中略) 
 【一号炉】、と力をこめて書くのは、この柏崎に予定されている原子炉が、
 合計7基にのぼるからである。

2000年代に入ると、ロスチャイルド傘下のRTZは世界各国とウラン契約を結びだした。
しかも長期契約である。アメリカ、フランス、イギリスが、RTZ(表向きはあくまで
オーストラリア政府とではあるが)と大量輸入契約を結んだ。それを見た日本もオーストラリア
とウラン購入契約を結んだ。・・・中国も原発燃料用ウランを大量に発注した
(2006年4月)。
追ってインドもオーストラリアと契約をした。
RTZが他国のウランよりも安く、しかも、甘くて使いやすいイエローケーキを提供したから
日本は飛びついたのだ。

作者は東芝の社長宛てに手紙を出す。
「あなたは、大昔からオーストラリアに住む原住民アボリジニーを知っていますか。
 彼らはウラン鉱石が地表に近かったり、露出したりしているところを「病気の国」と呼んで
 いました。彼らは直感力を信じていました。アボリジニーたちは
 「母なる大地の胎内に眠らせておけ」と、ウラン鉱の近くを避けて生きてきました。
 しかし、オーストラリアの大地を自由に歩きまわり、ながいながい悠久の歴史を生きた
 彼らは、イギリスからきた白人たちに殺害されていきました。
 かろうじて生き残った彼らはウラン鉱の中で、その近くで生きています。
 ウラン鉱山からイエローケーキを取り出した後の尾鉱といわれる放射性物質が
 彼らを24時間、襲っています。私は彼らの中に日本の未来の悲劇を見ます。・・・」

柏崎刈羽での原発事故が発生したとき、「低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶
約400本が横倒しになった」と書いた。間違いなく、これがDUの入った缶なのである。
年間7000トンほどのDU,すなわち劣化ウランが日本の原発から出てくる。
毒性が非常に強く処置に困るからドラム缶に入れているだけにすぎない。

DUは、人体にとって、「トロイの木馬」だと言えるかもしれません。
なぜなら、体内に入りこんだDUは、やがてその作用によって、重い疾患や、
逃れがたい死をさえ引き起こしうるからです。
劣化ウラン弾の使用に起因するこれらの極微小粒子は、破壊不能であり、何よりも
生体不適合なのです。肺から血液、胃、肝臓に移り、ついには精液の中に入ります。
環境を汚染し、私たちの健康に取り返しのつかない影響を及ぼすのです。

DUを兵器としたために、イラク、アフガニスタン、ボスニア、コソボで住民たちに
悪性リンパ腫、脳腫瘍、肝臓ガン、血液のガンが多発している。呼吸器障害、関節痛、
全身倦怠感に苦しむ住民も激増している。

この劣化ウラン弾が、沖縄・嘉手納の在日米軍基地に40万発
(湾岸戦争での全使用量の半分)が保管されていると、2006年8月2日付の
「毎日新聞」が報じている。
劣化ウラン被曝国が
劣化ウラン弾を禁止しろといくら叫べども、アメリカ、フランスなどの国は無視続けている。
これが、彼ら"原発マフィア" たちが唱える「環境にやさしい原発」の正体である。
4につづく                           (敬称略)

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黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 4

2014-11-16 12:03:57 | ⑤エッセーと物語
私は、日立がGEと組んでいると先に書いたが、2011年4月4日、
GEのCEO、ジェフリー・イメルトが来日した。2011年3月末にはフランスの
原発メーカー最大手、アレバのトップも来日している。アレバは何を狙っているのか。
アレバと提携関係にある三菱重工の幹部は「目的は廃炉ビジネスだ」と指摘している。

RTZは、フランスという国家を巻き込み、ウラン資源国のカナダ、南アフリカ、
オーストラリアのウランをフランスに提供することにした。フランスは原発を
国有化した。そしてヨーロッパのエネルギーの支配者となった。三菱重工を組織の
中に取り入れたアレバは、フランス国家が90%の株を所有することを知る
必要がある。RTZはかくてフランスを巨大な原発国家に仕上げた。

イギリスが世界最初に原子力を平和利用化した。すなわち、原発を最初に造った。
1956年、商業用4基が運転を開始した。翌1957年、余ったプルトニウムを
再処理しようとし、原子炉で大火災が起きた。このことは軍事機密とされた。
大火災が発生したイギリス北西部、アイリッシュ海に面するセラフィールドは、
この大火災により、小児白血病が10倍に増えた。イギリスは日本に原発を
売り込むと同時に、東電などの各社の使用済み核燃料を受け入れている。
しかし、1964年、核燃料再処理施設を運転開始して以来、大量の放射性物質を
含む原液を海に放出し続けている。東電はそれでもイギリスに再処理を
委託し続けてきた。

ついに2005年、再処理施設でウラン・プルトニウムが配管から大量に流出する
事故(「レベル3」)が起こった。日本の原発から出るプルトニウムを引き受けた
フランスとイギリスから、大量のプルトニウムが日本に帰ってくる。原発最大手の
RTZは、そのために、オーストラリアに巨大な核廃棄物処理施設を造っている。
今、新・原発ルネッサンスの時代を迎えようとしている。
イギリスの海は、福島の海の比ではない。汚れっぱなしだ。フランスの海も
汚れっぱなしだ。アメリカを見よ。あの汚れちまった大地を。

アメリカはオーストラリアとの大量のウラン購入契約をした。しかし、アメリカでは
福島第一原発事故を受けて、予定していた原発建設の中止が相次いでいる。
だから購入したウランは、核兵器製造に使わざるをえない。原発マフィアたちは
新しい戦術を展開するにちがいない。
アメリカ、イタリア、スイス、そしてドイツが原発から撤退しそうである。
フランス、中国、そして日本は、原発から撤退できなくなっている。

どんなに悲惨な事故が起きようとも、国際金融マフィアが完全に支配する原発の
新設は続けられる。日本はもし、静岡・浜岡原発で予期せぬ事故が起きたら、
国家として成り立たなくなる。
しかし、東芝も、GEと組んだ日立も、フランスのアレバと組んだ三菱重工も、
次々と原発をいろいろな所に、そう、いろいろな所に、世界中に造りまくると
意気まいている。もし、フランスのアレバが、福島第一原発の廃炉の利権を得れば、
アレバと三菱重工に兆円単位の金が入ることになる。世界が原発で滅びようとも、
世界を支配しようとする原発マフィアは、かえってそれを願っているのかもしれない。
私たち日本人は大変な時代に生きている。
そして何も知らされずに、ただひたすら、世界の善意なるものを信じている。

(安倍政権がインドやトルコ・UAE、ヨルダン、ベトナムなどに原発を輸出しよう
 としているのは、これだったのか。
 反原発とは、こんなえたいの知れない巨大な力と向き合うことだったのか)

日本の原子力政策は、大多数の国会議員には触れることのできない内閣の専権事項と
なっています。担当大臣すら実質的には役所にコントロールされている。つまり、
経産省や内閣府の原子力委員会など"原子力村の人々"が政策の方向性を事実上
すべて決め、政治家だけでなく原発を抱える地方自治体には何の権限も与えられて
いないのです。

(特定秘密保護法が施行されると、ますます秘密裡に進められてしまうのでは
 ないだろうか)

・・日本では、東芝、日立、三菱重工の力が強く働いていると私は思う。彼らは
日本に原発をどんどん造るよう、国際原発マフィアから、たえず脅されていると思う。
日本の首相も経産省もこの力の言いなりなのだ。
オーストラリア政府から(現実にはRTZから)大量のウラン購入を続けなければ、
約束違反に問われる。日本の3つの原発メーカーと、9つの電力会社は
一蓮托生の運命にある。

2011年4月18日、毎日新聞編集委員、山田孝男の論説から引用
「中部電力の浜岡原子力発電所を止めてもらいたい。安全基準の前提が崩れた以上、
 予見される危機を着実に制御する日本であるために。急ぎ足ながら三陸と福島を
 回り、帰京後、政府関係者に取材を試みて、筆者はそう考えるに至った。
 福島に入った私の目を浜岡に向かわせたのは佐藤栄佐久・前福島県知事だった。
 郡山に佐藤を訪ねて「首都圏の繁栄の犠牲になったと思うか」と聞いたとき、
 前知事はそれには答えず、こう反論した。
 「それよりネ、私どもが心配しているのは浜岡ですから。東海地方も、東京も、
  まだ地震が来てないでしょ?」

 浜岡原発は静岡県御前崎市にある。その危うさは反原発派の間では常識に
 属する。運転中の3基のうち2つは福島と同じ沸騰水型で海岸低地に立つ。
 それより何より、東海地震の予想震源域の真上にある。
 福島のあおりで中部電力は浜岡原発の新炉増設の着工延期を発表したが、
 稼働中の原子炉は止まらない。代替供給源確保のコストを案じる中電の視野に
 休止はない。ならば国が、企業の損得や経済の一時的混乱を度外視し、
 現実の脅威となった浜岡原発を止めてコントロールしなければならないはずだが、
 政府主導の原発安全点検は表層的でおざなりである。

 向こう1000年、3・11ほどの大地震や津波がこないとは言えないだろう。
 列島周辺の地殻変動はますます活発化しているように見える。そういうなかで
 GDP至上主義のエネルギー多消費型経済社会を維持できるかと言えば、
 まず不可能だろう。・・・
 危機は去っていない。福島の制御は当然として、もはやだれが見ても危険な
 浜岡原発を止めなければならない。原発社会全体をコントロールするという
 国家意思を明確にすることが先ではないか。」

"原発震災"なる言葉を生み出し、かねて警鐘を鳴らしてきた地震学者の石橋克彦
の言葉「最悪の場合、(中略)放射能雲が首都圏に流れ、1千万人以上が避難
 しなければならない。日本は首都を喪失する」
「在日米軍の横田・横須賀・厚木・座間などの基地も機能を失い、国際的に大きな
 軍事的不均衡が生じる・・・」

私は日本の首都喪失だけでなく、日本という国そのものが喪失する可能性があると
思っている。大地震が来て、浜岡原発がメルトダウンするとき、国家の機能が
すべて失われて、工業国日本が消えて、放射能に永遠に汚染された広大な国土だけが
残る。関東一円の数千万人が、住む場所と仕事を失う。もはや彼らは原発難民となり、
日本国中を差別されながら流浪する民となる。

(原子力発電所建設が国主導で行われたことを考えても、一企業に任せるのではなく、
 国主導で 浜岡原発を廃炉にして欲しいと切に願う。
 これだけ危険性が分かっているのに国が何もしないのは、怠慢どころか
 犯罪だと思う。それとも自分たちが政権にある間だけ安全ならいいというの
 だろうか。この本が出版されて3年半が経ち今まで無事でいられたことが、
 むしろ奇跡だといっても過言ではないと思う)

では、私たち日本人は今、何をすべきか。私たちの将来が、それもごく近い将来が
真っ暗闇だということを知るのである。すべては、そこを出発点としなければならない。
静岡県を見よ。御前崎市を見よ、そして浜岡原発を見よ、と私は言いたい。

小出裕章は、「これから起こる原発事故(2007年『別冊宝島』)の中で、
次のように浜岡原発について書いている。
「浜岡原発4号機が大事故を起こし、事故発生から7日後に避難した場合、最大で
 5万4千742人が急性障害で死亡する。もし巨大地震の揺れに耐え切れず、
 浜岡にあるすべての原子炉が大事故を起こし、事故発生から7日後に避難した場合、
 最大で29万7千883人が急性障害で死亡する」

そして2011年4月4日号、「週刊プレーボーイ」の中で、小出は原発事故から
身を守る方策として、重要度の高い順に次のようなものを挙げている。
(1)原子力発電所を廃絶する。
(2)廃絶させられなければ、情報を公開する。
(3)公開させられなければ、自ら情報を得るルートを作る。
(4)事故が起きたことを知ったら、風向を見て直角方向に逃げる。
   そして可能なかぎり、原子力発電所から離れる。
(5)放射能を身体に付着させたり、吸い込んだりしない。
(6)すべて手遅れの場合には、一緒にいたい人とともに過ごす。

これらの動きが浜岡原発から、御前崎市から、そして静岡県から衝き上がるとき、
関東一円の数千万の人々が、本当の危機感を彼らと共有するとき、その危機感が
日本中の人々を動かすとき、「がんばろう、日本」と「原発反対」のスローガンが
生きてくる。だが、そんな動きは少しもない。私たちは空しい日々を一日、また一日と
送り、第二の福島の悲劇を迎えることになる。
「がんばろう、日本」
「原発反対」
そんな言葉を叫ぶだけでいいのか、日本よ。
日本は浜岡原発の大事故を、首都壊滅の日を、きっと近い将来迎えるにちがいない」

(これらを考え過ぎ、心配し過ぎ、あるいはたわ言と片付けていいのだろうか。
 何も策を講じなければ、遅かれ早かれ起こり得ると、私は思う。
 あれだけの大事故を起こしても、選挙での関心はきわめて低い。
 いくら景気がよくなっても、原発事故が起きれば全てを失ってしまうのだ。
 桜島の噴火の予測ができず、住民の避難計画も不十分なまま、
 川内原発を再稼働してよいのだろうか。
 地球をこれだけ汚し、人々の生活を根こそぎ奪い、病や死に追いやる原子力という
 ものの怖さを、今こそ真摯に考える時なのではないだろうか。
 自戒をこめて、騙されないためには、まずは 【 知ること 】 だと思う)
                               (敬称略)

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曳舟

2014-11-16 12:01:43 | ③好きな歌と句と詩とことばと
吉川宏志さんの第四歌集『曳舟』より

憎みつづけし男なれども単色の写真となりて我を見下ろす

人体に溶けている塩 燃やされて塩はいずこに還るか知らず

棺はこぶ黒き車にわが身体(からだ)映りおりしがうごきゆきたり

ねむの木の莢(さや)垂れている山の間(ま)にながれこむなり秋空の青

撲(う)ちし子が花壜のごとく揺れたるを二、三日ほど記憶しつづく

てのひらを頬にあてれば感情の生まれて遠く山鳩が鳴く

顔のうらがわをなみだのながれると言いし人あり夜が静かだ

てのひらを雨がつついているようなさびしき逢いのいつまでつづく

とんとんと紙を揃えるリズムにて雀は跳ねる冬の日なたに

くちなしは尿(ゆまり)のいろに枯れており妻のねむりし家に帰れば

夏の墓洗えばすぐに湯となりてながれゆくかな草生(くさふ)のなかに

暗黒のなかに聞きおり昼間見し砂地を海が這いのぼる音

身体(からだ)から剥がれるように夏逝くと思いしころはただ若かりき

あるときは妻の部屋への幕として子は立ちており氷菓舐めつつ

輪をつくる指はしずかに宙にあり彫られしときのままのかなしみ

天井に水の光の揺れいるを幼く病みし我は見たりき

生卵もちて走れるむきだしの憎悪を見ればむしろ明るし

ゆうぐれの地面に蝉は死にており蕊(しべ)のごとくに上を向く脚 (蝉は旧字)

帰りたや若かりし日に ふなうたは舟を離れて水の上ゆく

靖国を焼け あけがたの耳のなか羽蟻のごと落ちてくる声

燃えてゆく太柱(ふとばしら)よりぶくぶくと無数の青き霊が湧き出す

じゅうじゅうと遺書は燃えゆき血で書きし文字が泳げり炎のなかを







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