今日のうた

思いつくままに書いています

9条の発案者は誰なのか

2015-06-04 13:12:52 | ②一市民運動
朝日新聞夕刊の、シリーズ「新聞と9条」が面白い。
9条を多面的に捉えていて、関わった様々な貌が見えてくる。
これを読んでいくと、安倍首相が言う「アメリカから押し付けられた、みっともない憲法」
とは到底思えない。是非、安倍首相にお奨めしたい。

2015年6月3日の記事には、マッカーサーと幣原 喜重郎(しではら きじゅうろう)が
出てくる。寡聞にして、私はこの方をよく知らなかった。
広辞苑によると、
「外交官・政治家。岩崎弥太郎の女婿。1924年以後4度外相。
 対米英協調と対中国内政不干渉方針をとって、軟弱外交と非難された。
 第二次世界大戦直後に首相。

ここより引用
 1951年5月5日の上院軍事外交合同委員会で、マッカーサーは戦争放棄条項誕生の
 経緯を証言した。

 ―日本が憲法草案を作成していたころ、マッカーサーは、首相の幣原喜重郎から戦争放棄を
  どう思うか、意見を求められた。マッカーサーが幣原に答えた。
 
 「世人の嘲笑を切り抜けて行くには非常な精神的な強さを要するであろうし、そして
  結局は守り得ないことになるかもしれないが、とにかく敢然と進むべきである」

 この言葉を受けて幣原は、戦争放棄を憲法に書き込んだ、とマッカーサーは述べた。
 幣原は、この証言の2か月前に死去。本人への確認は不可能だった。ただし、幣原自身、
 マッカーサー証言の直前(51年4月)に刊行された遺著「外交五十年」で、
 戦争放棄、軍備全廃は自分の発案であり、連合国軍総司令部(GHQ)に強いられた
 ものではない、と述べていた。

 その後、63年にマッカーサーは「回想記」を発表、戦争放棄条項に触れた。

 ―日本政府の憲法問題調査委員会が草案づくりをしていた46年1月24日、自分の事務所
  を幣原が訪ねてきた。幣原は戦争放棄と軍事機構の不保持を定めたいと提案した。

 ―戦争廃止は私の長年の夢でもあった。幣原は涙ながらに言った。
  「世界は私たちを非現実的な夢想家と笑いあざけるかもしれない。
   しかし、百年後には私たちは預言者と呼ばれますよ」 (引用ここまで)

世の中は、強い意見に引っ張られる傾向にある。
危機感を煽り、「どうする、どうなる」と迫られると、「それは違うのでは……」と思っても
言えなくなってしまうことがある。

たとえば安倍首相は、ホルムズ海峡が封鎖されたら、日本はどうなる!石油が来なくなったら
日本はどうする!どうなる!と危機感を煽る。

だが、日本の原油備蓄は半年以上もあり、原油輸入第1位サウジアラビアからは、
パイプラインを使えば、ホルムズ海峡を通らずに紅海からも可能なのだ。
第2位のアラブ首長国からも、ホルムズ海峡を迂回するパイプラインが
3年前に完成しているのだ。
「他に方法がない」のではなく、「他に方法がある」のだ。

機雷掃海は武力行使に当たる。他に方法があるのに、日本が危険を冒してまで
集団的自衛権を行使し、機雷掃海をする必要があるのだろうか。
武力行使をすれば、国内だけではなく、世界中で日本人がテロの標的にされる
危険性が増すだろう。
自衛隊員が殉職する危険性も、今とは考えられないくらい増すだろう。

幣原さんをはじめ、先人たちが築き上げてきたものを、アメリカ政府を喜ばすために
失ってよいとは、私にはどうしても思えない。       (敬称略)

※新聞社の方へ
 読みにくい人名には、ルビを付けて頂けませんか。
 幣原(しではら)さんを、私は(ぬさはら)さんと読んでいました。

追記1
2015年6月4日、衆院憲法審査会は立憲主義などをテーマに、各党が推薦した
3人の憲法学者を招いて参考人質疑を行った。

(1)自民党が推薦した長谷部恭男・早大教授は
   集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案について、
「憲法違反だ。個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、
 なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判した。

(2)民主党推薦の小林節・慶大名誉教授は、
「憲法9条2項で、海外で軍事活動を法的資格が与えられていない。
 仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは9条違反だ」との見解を示した。

(3)維新の会推薦の笹田栄司・早大教授は、
「従来の政府による9条解釈が『ガラス細工と言えなくもない、ぎりぎりで保ってきた』
 との認識を示し、法案について『(これまでの定義を)踏み越えてしまっており違憲だ』」
 と指摘した。

また、重要影響事態法案などで、米軍などを後方支援する自衛隊が「現に戦闘行為が
行われている場所」以外なら活動できるとした点についても、小林氏らは
「(武力行使との)一体化そのものだ」などと発言した。
3人とも違憲や違憲のおそれがあるとの認識を示した。

●2015年6月4日毎日新聞夕刊に、とても興味深い記事が載っています。
 「この国はどこへ行こうとしているのか 『平和』の名の下に 哲学者・西谷修さん」
  アドレスが長すぎてブックマークに入りません。
  Googleで「毎日新聞西谷修」と検索すると、一番上に出てきますので、
  是非、ご覧ください。
  安倍政権がしていることは、アメリカへの「自発的隷属」だという。納得です!
 (2015年6月5日 記)
    ↑
こちらの記事も、有料会員しか見られなくなりました。(2015年6月11日 記)

●面白い動画を見つけました。
「(動画)総統閣下は、『安保法制』審議にお怒りのようです」をブックマークに入れました。
お腹がよじれるほど面白いです。
削除される危険性があるので、お早めにどうぞ!
          ↓
https://www.youtube.com/watch?v=WSroOlr3KyQ

これは2004年公開、ドイツ・オーストリア・イタリアの共同制作による映画
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』のパロディです。
深刻なシーンをアッケラカ~ンと利用して、面白おかしく、それでいて言いたいことを
ズバッと込める。素晴らしいの一言です。
こういうことの出来る日本は、まだまだ大丈夫です。
どんな形であれ、出来るうちに大いに発信していこうと思います。
もしかしたら、出来なくなる日が来るかもしれないのですから。

それにしても、『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を三国共同で製作できる
ドイツの懐の深さ、文化の豊かさを想いました。
原題はドイツ語の『失脚』、『没落』だそうです。
 (2015年6月9日 記)

●2015年6月8日の毎日新聞夕刊に、半藤一利さんが、
 現在の日本が段々きな臭くなっていく気配について語っています。
「この国はどこへ行こうとしているのか 『平和』の名の下に 作家・半藤一利さん」
 太平洋戦争を知る方ならではの視点です。
 ブックマークに入れましたので、是非、お読みください。
 もし読めない場合は、無料会員登録すれば読むことができます。
(2015年6月10日 記)
       ↑
昨日は無料会員登録ページが出て、登録したら見られました。
今、ブックマークをクリックしたら、有料会員の申し込みしか出てきませでした。
よってブックマークを削除します。
(2015年6月11日 記) 


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