日本映画専門チャンネルで、【いま、映画作家たちは 2020】を特集している。
三宅唱監督の「Play back」と「きみの鳥はうたえる」を観る。
1984年生まれの監督ということだが、観終わった後に静かな感動があった。
(1)Play back
端正な甘いマスクをした、昔の映画スターを思わせる男が主人公だ。
そう感じたのは、全編モノクロだからか。
しなやかにスケボーを乗り回し、ときおり人懐っこい表情を見せる。
映画は多くを語らないので想像するしかないのだが、どうも記憶がキーワードのようだ。
彼と彼を取り巻く人たちが、高校時代にタイムスリップしたり、現在に戻ったりする。
また同じ場面を時を経てPlay backすることにより、「ああ」と納得がいったりする。
男は俳優として声優として、それなりに名前が売れているようだ。
だが体の変調からか仕事に不都合が生じているようで、その埋め合わせをする
マネージャとおぼしき男の電話対応が面白い。
謝ったり時間を変更したりする時の対応が、まさにマネージャそのものなのだ。
男が検査を受けているところをみると、何やら深刻な病気を抱えているようだ。
それで記憶が飛ぶのだろうか。
この男の顔や体、身のこなしなど全てが魅力的なのだ。
特にスケボーをする姿など、彼を見ているだけで2時間が経ってしまった。
最後のテロップで村上淳と知り驚いた。村上虹郎のお父さんだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/55/d066f0379d79b64400a412c8e08e7f21.jpg)
(2)きみの鳥はうたえる
この作品も三宅唱監督である。
本屋でバイトをしていてセフレの関係にある男女と、男とアパートをシェアしている
男の3人の物語だ。柄本佑(えもとたすく)、石橋静河、染谷将太。
お互いに考えを述べるわけではなく、感情を伝えるわけではなく、3人は一緒に遊ぶ。
実に楽しそうに酒を飲み、ビリヤードをし、ライブに行く。
柄本が演じる男が、なんともいい加減なのだ。仕事はさぼるし、やる気はないし、
臭そうだし、キスをする時にやたらと音を立てるし、何を考えてるのか分からないし、
怖いし。こんな男と別れて、誠実でやさしい染谷と付き合っちゃえば、と老婆心ながら思う。
女の心の変化を表わすのに、染谷から借りたTシャツのにおいを嗅ぐシーンは見事だ。
だが、ラストは王道だった。
それにしてもこの女優はただ者ではない。
普通のことを、普通に演じるほど難しいことはない。
のびやかに、あっけらかんと楽しんで演じている。
石橋静河、あとで調べて驚いた。
石橋凌と原田美枝子の子どもだった。納得です。
柄本佑も両親、弟、妻・・・が役者の芸能一家だ。
彼のいろいろな映画やテレビドラマを観てきたが、どれも素晴らしかった。
でもこの役だけは、嫌いになりそうなくらい嫌な役だった。
2世、3世の政治家は弊害ばかりが目立つが、
芸術家のDNAは確実に引き継がれていると思った。
(そうでない人も多いとは思いますが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/32/78042384df81d0529fcf2af196dd14f1.png)
(3)燕 Yan
木村大作監督のように、撮影技師だった人が監督をするケースはある。
新聞によると、この映画の監督(今村圭祐)も気鋭のカメラマンということだ。
「新聞記者」の撮影を手がけ、米津玄師のミュージックビデオ(Lemon)の
撮影を手掛けている。
1988年生まれ、これから若い才能が発揮できる日が待ち遠しい。
※燕 Yanの監督の名前を書き忘れました。大変失礼しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/3a/fbe8005e1e9bf19bf801bdf4cb61eb1d.png)
(4)Drill & Messy
私は以前、短歌結社「塔」に所属していた。
私が辞めてから主宰になった方が吉川宏志だ。
吉川さんに次の歌がある。
「わが家にて性のシーンの撮られしを初めて知りぬ箪笥が黒い」
吉川さんの息子である吉川鮎太が、映画を撮るようになったことを知った。
才能のある人で賞を取っていた。
分野は違ってもこれからが楽しみだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/94/30b5a4d4e4e090c1ffcb04ade3ddfdea.jpg)
(画像はすべてお借りしました)
三宅唱監督の「Play back」と「きみの鳥はうたえる」を観る。
1984年生まれの監督ということだが、観終わった後に静かな感動があった。
(1)Play back
端正な甘いマスクをした、昔の映画スターを思わせる男が主人公だ。
そう感じたのは、全編モノクロだからか。
しなやかにスケボーを乗り回し、ときおり人懐っこい表情を見せる。
映画は多くを語らないので想像するしかないのだが、どうも記憶がキーワードのようだ。
彼と彼を取り巻く人たちが、高校時代にタイムスリップしたり、現在に戻ったりする。
また同じ場面を時を経てPlay backすることにより、「ああ」と納得がいったりする。
男は俳優として声優として、それなりに名前が売れているようだ。
だが体の変調からか仕事に不都合が生じているようで、その埋め合わせをする
マネージャとおぼしき男の電話対応が面白い。
謝ったり時間を変更したりする時の対応が、まさにマネージャそのものなのだ。
男が検査を受けているところをみると、何やら深刻な病気を抱えているようだ。
それで記憶が飛ぶのだろうか。
この男の顔や体、身のこなしなど全てが魅力的なのだ。
特にスケボーをする姿など、彼を見ているだけで2時間が経ってしまった。
最後のテロップで村上淳と知り驚いた。村上虹郎のお父さんだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/55/d066f0379d79b64400a412c8e08e7f21.jpg)
(2)きみの鳥はうたえる
この作品も三宅唱監督である。
本屋でバイトをしていてセフレの関係にある男女と、男とアパートをシェアしている
男の3人の物語だ。柄本佑(えもとたすく)、石橋静河、染谷将太。
お互いに考えを述べるわけではなく、感情を伝えるわけではなく、3人は一緒に遊ぶ。
実に楽しそうに酒を飲み、ビリヤードをし、ライブに行く。
柄本が演じる男が、なんともいい加減なのだ。仕事はさぼるし、やる気はないし、
臭そうだし、キスをする時にやたらと音を立てるし、何を考えてるのか分からないし、
怖いし。こんな男と別れて、誠実でやさしい染谷と付き合っちゃえば、と老婆心ながら思う。
女の心の変化を表わすのに、染谷から借りたTシャツのにおいを嗅ぐシーンは見事だ。
だが、ラストは王道だった。
それにしてもこの女優はただ者ではない。
普通のことを、普通に演じるほど難しいことはない。
のびやかに、あっけらかんと楽しんで演じている。
石橋静河、あとで調べて驚いた。
石橋凌と原田美枝子の子どもだった。納得です。
柄本佑も両親、弟、妻・・・が役者の芸能一家だ。
彼のいろいろな映画やテレビドラマを観てきたが、どれも素晴らしかった。
でもこの役だけは、嫌いになりそうなくらい嫌な役だった。
2世、3世の政治家は弊害ばかりが目立つが、
芸術家のDNAは確実に引き継がれていると思った。
(そうでない人も多いとは思いますが)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/32/78042384df81d0529fcf2af196dd14f1.png)
(3)燕 Yan
木村大作監督のように、撮影技師だった人が監督をするケースはある。
新聞によると、この映画の監督(今村圭祐)も気鋭のカメラマンということだ。
「新聞記者」の撮影を手がけ、米津玄師のミュージックビデオ(Lemon)の
撮影を手掛けている。
1988年生まれ、これから若い才能が発揮できる日が待ち遠しい。
※燕 Yanの監督の名前を書き忘れました。大変失礼しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/3a/fbe8005e1e9bf19bf801bdf4cb61eb1d.png)
(4)Drill & Messy
私は以前、短歌結社「塔」に所属していた。
私が辞めてから主宰になった方が吉川宏志だ。
吉川さんに次の歌がある。
「わが家にて性のシーンの撮られしを初めて知りぬ箪笥が黒い」
吉川さんの息子である吉川鮎太が、映画を撮るようになったことを知った。
才能のある人で賞を取っていた。
分野は違ってもこれからが楽しみだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/94/30b5a4d4e4e090c1ffcb04ade3ddfdea.jpg)
(画像はすべてお借りしました)