NHK Eテレ「日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち」
第3回は「民主主義を求めて 政治学者 丸山眞男」
丸山は、60年安保闘争ではオピニオン・リーダーであったが、
1968~1969年の東大紛争では学生から糾弾された。(当時は東大教授)
番組を通して感じたことは、
日本の民主主義は勝ち取ったものではなく、戦後アメリカから与えられたものだということ。
私が生まれた時から民主主義があり、民主主義は当たり前で、民主主義とは何かを
考えることなく来てしまったこと。
民主主義にフィニッシュはなく、常に政治を監視し、権力に対して問い続けて行かないと、
独裁を許してしまうこと。
心に残った言葉は
(1)一身独立して一国独立す(『学問のすすめ』より)
デモクラシーの精神的構造
まづ人間一人一人が独立の人間になること
他人のつくった型に入りこむのではなく
自分で自分の思考の型をつくって行くこと
間違ってゐると思ふことには
まっすぐにノーといふこと
私自身、問いただすことをせず、あるいはノーと言えずに、道を誤って
しまったことが多くある。
自分で考えて独立した人間になる、これが大事だったのだ。
(2)戦後間もなく行われた講演会で
政治に対して無関心 嫌悪の支配するところでは
民主主義の実質が否定され 政治家は独裁し ボス化する
独裁者は民主主義の敵であり 政治は形骸化される
民主主義の実態は プロセスを重視するのである
討論が重視されるのである
権力に対して常に問いかけること 問い続けることである
(3)新安保条約批准の強行採決(1960年5月19日)にたいしては
19日から20日にかけての夜の事態を認めるならば それは
権力がもし欲すれば 何事でも強行できること
つまり万能であることを認めることになります
権力が万能であることを認めながら
同時に民主主義を認めることはできません
日本の議会制民主主義が
あの問題を契機に危機に当面した
危機感を感じられた
(4)三島コンビナート計画に反対して (この計画は市民運動により阻止された)
デモクラシーの考え方は パートタイム政治参加です
つまり 大部分は職業政治家じゃない人民が 政治について
最後の発言権を持つという考え方でしょう
アマチュアが 知らねえやとシラケちゃうと
政治なんて関係ねえやということになったら
民主主義はおしまいです
すこしの時間を割いて 職業政治家のやる政治を
監視しなきゃいけない
やっかいなんですよ
やっかいなことによって
デモクラシーは成り立つ
そういう政治の仕組みなんです
(5)丸山は広島での被爆体験を語ることがなかったが、
32年後に広島を訪れてからは、封印を解いていく
今日(こんにち)でも新たに 原爆症の患者が生まれている
長期患者 あるいは二世の被爆者が
今日でも白血病で死んでいる 日々起こっている
毎日 原爆は落ちている
広島は毎日 起こっている
毎日 新しく
毎日 我々に
問題を突きつける
戦争を選んだら 核戦争になりますから おしまいですから
戦争は 国家の手段として選べない 現実には
日本は唯一の 原爆被災国であるということの意味を
もっと活かさなきゃいけない
世界に胸を張って
何とお前たちはバカだと
言わなければならない
(6)日本にたいする違和感
何か 日本はおかしいところがある
他者感覚のなさ
他者がいないんです
同じ仲間とばかり話してますから
その怖さです
現在のお友達で固めた政府を見ると うなずける。
(7)最後に
もし「永久革命」という言葉に 意味があるとしたら
民主主義だけが 永久革命という名で呼ばれるに値する
世界中どこも 民主化が完了した国はない
これから永久に
革命していかなければならない
あらゆる国は 民主化の過程にある
(敬称略)
追記1
Eテレ「女たちは解放をめざす 平塚らいてうと市川房江」を観る。
婦人参政権を得て68年が経っても、女性の国会議員の割合は8%に過ぎない。
世界で127位だという。(先進国では最低)
せっかく勝ち得た権利を、先人たちはどう思っているだろう。
市川房江の言葉
「権利の上に眠るな
権利があっても それを使わなければ 無いことと同じになってしまい
それがなくなってしまうのです」
番組の中で、興味深い言葉があった。
男たちは一代主義だという。つまり男は目先の事にとらわれて決断する。
だが女性は、自らが産む・産まないに関わらず産む性として、未来を見据えて決断する。
現在の、目先の利益しか考えない政治を見るにつけ、今こそ女性の視点が必要だと思った。
(2014年9月15日 記)
第3回は「民主主義を求めて 政治学者 丸山眞男」
丸山は、60年安保闘争ではオピニオン・リーダーであったが、
1968~1969年の東大紛争では学生から糾弾された。(当時は東大教授)
番組を通して感じたことは、
日本の民主主義は勝ち取ったものではなく、戦後アメリカから与えられたものだということ。
私が生まれた時から民主主義があり、民主主義は当たり前で、民主主義とは何かを
考えることなく来てしまったこと。
民主主義にフィニッシュはなく、常に政治を監視し、権力に対して問い続けて行かないと、
独裁を許してしまうこと。
心に残った言葉は
(1)一身独立して一国独立す(『学問のすすめ』より)
デモクラシーの精神的構造
まづ人間一人一人が独立の人間になること
他人のつくった型に入りこむのではなく
自分で自分の思考の型をつくって行くこと
間違ってゐると思ふことには
まっすぐにノーといふこと
私自身、問いただすことをせず、あるいはノーと言えずに、道を誤って
しまったことが多くある。
自分で考えて独立した人間になる、これが大事だったのだ。
(2)戦後間もなく行われた講演会で
政治に対して無関心 嫌悪の支配するところでは
民主主義の実質が否定され 政治家は独裁し ボス化する
独裁者は民主主義の敵であり 政治は形骸化される
民主主義の実態は プロセスを重視するのである
討論が重視されるのである
権力に対して常に問いかけること 問い続けることである
(3)新安保条約批准の強行採決(1960年5月19日)にたいしては
19日から20日にかけての夜の事態を認めるならば それは
権力がもし欲すれば 何事でも強行できること
つまり万能であることを認めることになります
権力が万能であることを認めながら
同時に民主主義を認めることはできません
日本の議会制民主主義が
あの問題を契機に危機に当面した
危機感を感じられた
(4)三島コンビナート計画に反対して (この計画は市民運動により阻止された)
デモクラシーの考え方は パートタイム政治参加です
つまり 大部分は職業政治家じゃない人民が 政治について
最後の発言権を持つという考え方でしょう
アマチュアが 知らねえやとシラケちゃうと
政治なんて関係ねえやということになったら
民主主義はおしまいです
すこしの時間を割いて 職業政治家のやる政治を
監視しなきゃいけない
やっかいなんですよ
やっかいなことによって
デモクラシーは成り立つ
そういう政治の仕組みなんです
(5)丸山は広島での被爆体験を語ることがなかったが、
32年後に広島を訪れてからは、封印を解いていく
今日(こんにち)でも新たに 原爆症の患者が生まれている
長期患者 あるいは二世の被爆者が
今日でも白血病で死んでいる 日々起こっている
毎日 原爆は落ちている
広島は毎日 起こっている
毎日 新しく
毎日 我々に
問題を突きつける
戦争を選んだら 核戦争になりますから おしまいですから
戦争は 国家の手段として選べない 現実には
日本は唯一の 原爆被災国であるということの意味を
もっと活かさなきゃいけない
世界に胸を張って
何とお前たちはバカだと
言わなければならない
(6)日本にたいする違和感
何か 日本はおかしいところがある
他者感覚のなさ
他者がいないんです
同じ仲間とばかり話してますから
その怖さです
現在のお友達で固めた政府を見ると うなずける。
(7)最後に
もし「永久革命」という言葉に 意味があるとしたら
民主主義だけが 永久革命という名で呼ばれるに値する
世界中どこも 民主化が完了した国はない
これから永久に
革命していかなければならない
あらゆる国は 民主化の過程にある
(敬称略)
追記1
Eテレ「女たちは解放をめざす 平塚らいてうと市川房江」を観る。
婦人参政権を得て68年が経っても、女性の国会議員の割合は8%に過ぎない。
世界で127位だという。(先進国では最低)
せっかく勝ち得た権利を、先人たちはどう思っているだろう。
市川房江の言葉
「権利の上に眠るな
権利があっても それを使わなければ 無いことと同じになってしまい
それがなくなってしまうのです」
番組の中で、興味深い言葉があった。
男たちは一代主義だという。つまり男は目先の事にとらわれて決断する。
だが女性は、自らが産む・産まないに関わらず産む性として、未来を見据えて決断する。
現在の、目先の利益しか考えない政治を見るにつけ、今こそ女性の視点が必要だと思った。
(2014年9月15日 記)