崖っぷちに立たないために、、安住するにはまだ早い
世の中が余りにも苦しいからと、現状維持だけしてもいいことだと思う人が多い。職場に入社したらそれ以上学ぼうとしない。学校で学んだことで十分だと考える。これは錯覚だ。給料が凍結されているのに物価が3%ずつ上がったならば、果たして現状維持で成功したと言えるだろうか。人生も同じだ。世の中が絶え間なく変化しているのに、自らは過去に比べて少しも変わらなかったならば、大きな崖っぷちに遭遇することになる。
職場で、学校でも続けて挑戦して、生涯勉強して専門性を確保してこそ競争力を持つことができる。大企業の採用試験で入社したことだけでは、バラ色の未来は保障されない。今、階段を一段上っただけだ。これに早く気がついた人は賢明な人だ。今、立っているところが終着点だと考えるな。無限な停留所の中の一つに到着しただけだ。
今いるところが崖っぷちだという考えをしなければならない。健康で適当な危機意識は人生を建設的に導いてくれる原動力だ。
崖っぷちに立ったことがあるか。私は幼い頃、すごく高い裏山に上り、仲間達とウサギを捕まえようとした。一度、ウサギを追いかけていたら岩の崖っぷちに立ってしまった。危ないと思った瞬間、誰かがしっかりしたロープを木に縛り付けて、ロープをつかんで降りてきた後、そのままウサギを追いかけた。どんなに切り立った崖っぷちでも通り抜ける方策はあるものだ。崖っぷちだと考えて自分を育て没頭すれば強くなれる。
崖っぷちはこれ以上落ちることができない危機状況に直面することになる。今、うまく切り抜たと崖っぷちを考えないと強くなることはできない。一生、職場に通うように月給取り根性の道を選んだならば、崖っぷちに追いやられた時、対策が無い。今、崖っぷちに立っていると考えて、危機を自覚したら絶対に危機に追い込まれない。最も愚かな人は、昨日と同じ今日が繰り返すと思って怠ける人だ。
あなたは崖っぷちに立っていると思うか。そうならばよくやっているのだ。私は所謂、超一流企業というところで数十年仕事をした。一日たりとも危機のないことはなかった。いつも、近づいてくる問題と崖っぷちが私達を危険にし、危機に陥れた。行っても、行っても超えなければならない山が絶え間なく生じた。
危機だと宣言して共有することが最優先課題だと思った。危機として定義して、対応策を準備すると本当の危機は来なかった。大企業だと楽だ、と考えたら誤算だ。中小企業の職員も一生懸命働いているだろうが、大企業の職員は業務時間に比べたら、年俸は中小企業よりも少ないといえるぐらい一生懸命働く。崖っぷちに立った危機意識で考えて、問題を解決して最善を尽くしたならば崖っぷちは自分を育てる栄養分になる。
崖っぷちに立った人は夢を見る。夢を見ることで現在が崖っぷちでないことを知る。いつも夢により危機意識を持って挑戦する。どんなに切り立った崖でも、全力を尽くしてみれば崖を抜け出す方策はいつも準備されている。崖っぷちを抜け出すことができる秘密は、自分を叩いて勇気を与え自信感を吹き入れることだ。
今、苦しくて悲しいのか。汗がでる程に走ってみなさい。意気消沈する程に家に閉じこもり人に会うのもいやなのだろう。若さの活気を思うままに運動で発散すれば新しい考えが芽吹く。暗く悲しい内面のカスが抜け出してくると信じなさい。体と心は緊密に連結していて健康状態が似ている。体が病んだ人は心を癒し、心が傷ついた人は体の管理をしなければならない。身体と精神の均衡を持って自己管理をした人の未来は明るい。
自分の身の上についての愚痴ばかり言っていたら絶対に人生を変えることができない。むしろ、一度ワンワン泣きなさい。涙と鼻水でぐじゃぐじゃになるほどに泣いたらさっぱりする。さっぱり感が苦しさに変わったら、また泣きなさい。自分の感情を隠さず吐き出しなさい。崖っぷちに立った人が最も強い理由は切迫しているからだ。生きるか死ぬか熾烈に悩み苦しんでいる。
ロンドンオリンピックの柔道の金メダリスト、キムジェボム選手は「死ぬ生きるを言っていたときは金メダルを取れなかったが、死ぬと思って一生懸命やったら金メダルを取った。」と言った。負傷で全身がまともなところが無く、一般人よりも体の状態が良くない状況で、世界最高が可能なことか。汗と涙で汚れた勝利の感激は見る人の胸をジンとさせた。私達も毎日、人生の現場でスポーツマンシップで武装したら、できないことはない。
人生を生きてみると誰でも風波に出くわす。今苦しいならばよく生きているのだ。完璧感を追及しようと努力するな。無様にもがいている姿そのままを愛しなさい。