
今が一番重要だ
「あの時はよかったけど」と言うな
幸福に生きようとすると2つのことだけ良く守ればいい。どうしようもない過去にしがみついて執着してはならず、近づいて来ていない未来を恐れて心配するなということだ。しかし、意外に過去と未来からくる大きなストレスを受けて苦しむ人が多い。現実の困難が多いほどに、現在に集中できずに過去と未来に視線を向ける。現在に焦点を合わせなければならない。
いくらか前に名門大学を優秀な成績で卒業したのに、やっと就職したという学生が訪ねてきた。会社生活がとてもつらいと言った。
「私はいつも一等を逃したことがありません。高校の時もいつも一等で、一度も自分が不足していると思ったことがありませんでした。ですが、大学を卒業して、望んだ会社は落ちて、結局、気に入らない会社に入りました。私自身に対する懐疑が多くなりました。私は一生懸命やろうと努力しますが、成果は良くなく、会社も気に入らないです。私が、ここでこんな業務や担当する人ではない、という思いに懐疑が生じます。仕事をやめるべきかとても悩んでいます」
何よりも重要なことは、心をなだめることだと助言した。手も自分のもので、足も自分のもので思ったとおりにできる。だが、心は自分のものでも望んだ通りに動かない属性がある。自分の心を他人のもののように他のことに奪われた状態で、外見だけは職場生活をしている。この時、押し寄せてくる空虚感と虚脱感は言い表すことができない。心が安定せず、いつも揺らぐようになる。
なぜそうなのか。それはつかむ事のできないことに執着しているからだ。過去と未来ではなく現在に集中して焦点を合わせなければならないのに、過去の自分の姿に没頭する余り、現実との落差に苦しくなっているのだ。私達は「私が以前ですね、、」という言葉を良く聞く。過去への執着的思考は、現在の自我との落差を作りストレスの主犯となる。有名芸能人が自分の大衆的人気が衰退する時に精神的な衝撃にはまりうつ病になる状況のようだ。
「あの時は良かったのに」と言うのは、やめよう。過去は過去であるだけだ。過去に自分がどんな人であろうが、今、重要ではない。過去に良かっただろうと悪かっただろうとすでに過ぎたことだ。現在と未来だけを話しても手に余る。過ぎたことは果敢に忘れてしまおう。
今、大事なことは立派な過去に対する未練ではない。今、自分が持っている物だ。自分が持っていることが何年か後に過去になるではないか。だから、過去のストレスをパッパッと振り払って立ち上がり現在に満足しなさい。もう一度自分を見てみよう。自分は今もすごくいい人だから。