
逆境のない人生は毒だ
ロシアの文豪トルストイは「逆境がなく偉大なことはない」と言った。逆境を通り過ぎない人は、小さな試練にも座り込む。逆境を経験した人は学習し大きな試練にも勝つ。しかし、温室で育った木のように逆境のない人生は自慢に繋がり、人生の波風に耐えることができなくなる。だから逆境のない人生はむしろ毒になりうる。
職業人として、CEOとして、大学教授として、多様な分野で多くの若者と学生、職業人に出会った。経営のアドバイザーと人生のアドバイザーの役割をしながら悟ったことは、逆境の中でも誠実に生きながら苦しむ人は、明らかに発展するという事実だ。若い頃の夢のために苦しんで、目標のために苦しんで、忍耐を要求する厳しい勉強のために苦しんでいるならば、これはよくやっているという信号だ。若い頃に苦労した経験がない人に、偉大なことは発見できないからだ。ただ、快楽と楽しさだけを追いかけていたら、結局、年をとって、間違って生きたと後悔先に立たずだ。
私は選択の岐路に立っている若い人に、いつもつらいと思う道を選びなさいと注文する。そこには必ずやり甲斐がある。広野を過ぎると祝福の平原が広がっているからだ。今苦しいのか。そうならばよくがんばっていると、自らを励ますことを願う。今の苦しみは未来の自分を安全で祝福される人生に導いてくれる必須の関門だ。