退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 7

2015-06-28 08:22:27 | 韓で遊ぶ


光を放つ絵
ある大学の西洋画科の授業で教授が学生たちに課題を出しました。
「今週中に自分の手を描いて提出しなさい。表現する方法は皆さんの自由です。皆さんの実力を信じて期待しています。」
手を描いて来いという宿題は、簡単なようですが難しく、難しいようですが簡単な宿題でした。大部分の学生はため息をつきましたが、何人かの学生は面白いという表情をしました。
何日か過ぎて課題を提出する時間になりました。
教授の机の上には学生たちが描いた手の絵がうず高く積まれています。
教授は課題の絵をじっくりと見ました。そして一枚の絵から目を離すことができませんでした。
「うむ、この絵からは光が放たれている。本当によく描けている。誰がこのように手の感じを自然で深みのあるように表現したのだろうか。授業の時にこの学生を褒めてやらなければ。」
教授は絵を描いた主人公が気になりました。次の授業の時間に教授はその学生を探しました。
「皆さん、自分の手をよく表現しました。その中でひとつ光を放つ絵がありました。さあ、この絵を描いた学生は立ってください。」
教授が絵を持ち上げると一人の男子学生が立ち上がりました。教授はその学生を見て驚きました。学生の中で最も光を放つ絵を描いた学生は、片腕がなかったからでした。それで教授はやっと悟りました。その絵が光を放つことができた理由とその裏側に隠された傷を。
片腕を失い、残った腕で絵を描いてきた男子学生。この間、彼は多くの挫折と試練を味わってきたのでしょう。ですが筆を捨なかったのは残っている腕に対する感謝があるからです。
教授もその絵に感謝の心を見たのでした。片腕で培っていく固い希望、熱い情熱、夢に向う執念。その心が男子学生の絵に光を入れたのでした。
コメント
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