幸運もただはない
偉大なことを成し遂げた多くの成功者の共通点は「皆同じように、夢を持っている」ということだ。この人たちは成し遂げようとすることに対する、明白なビジョンと目的がある。普通の人が真っ暗な暗闇の真ん中いて挫折する時、挫折を超えて待っている幸運の光を見つめる。他人の物差しではなく「自分」が主体となって生きていく。他人の物差しで振り回されたならば、自信感を喪失し疲れて挫折しやすい。すべての成功の一歩目は夢を持って自分に没頭することだ。
一回きりの人生、本当によく生きたいのか。自分を客観的に見極め、人を説得すればいい。説得は疎通でありコミュニケーション能力だ。どうやって説得して理解させなければならないか。最高の道具は何か。成功した人の共通点は学力でも財産でも背景でもない。「会った瞬間ごとに、相手を完璧に説得する能力」だ。
多くの人に会って、私は既成世代の間違った認識が、若い人の考えの枠をぎっちりと縛っているということを発見した。大きな成長を妨げ、想像の翼を広げることができなくしていると考える。
ある青年が研究室に進路相談に訪ねてきた。その若者は江南最高の富裕層の子女だったが、両親に対して否定的な気持ちでいっぱいで、両親の生き方を頑強に拒否した。自分は他人に施す生き方、良いことをたくさんして生きて生きたいが、両親は良いスペックを持つことに力を使えと、毎日うるさいから気持ちがいつも不安だと言った。
私は傷ついた心を慰め、両親の愛を理解できずにいるのだということを説得した。両親が娘の良いスペックとして何が成功をもたらすのか、ただ勉強をすることができる時期に、そして若い時期に、できるならばスペックまでちゃんと持つことを望むのだと話した。2週間後、両親と一緒に食事をしなさいという私の提案に快く同意した。両親に対する信頼の窓が開かれたようだと打ち明けた。
そうだ。勉強をしろと強要するより、自ら受容させることがどれぐらい難しいか。しかし、自分が説得の道具になろうと決心したならば、強要する前にこの人を愛し理解することになる。強要してうなずいても長続きはしない。心からにじみ出る受容とそれによって会得した知恵は長く続く力になる。
レビ ジェコ ライオスは「偉大な父」という本で「人生はパズルのワンピースと同じだ。全体の輪郭を見なくては、各部分を理解することが難しい」と話した。もしかして、私達は断片的な部分を持って未来を速断しているのではないか。ユダヤ人に伝承されているトルムトは、子供たちに律法と制度を強要するようだが、幼い頃から生きることに対して省察し、自ら生きる姿勢を備えて受容するように教えている。もう一度言うが、両親が生きている教科書になるということだ。両親が生きることで価値観を教えたおかげで、ユダヤ人は全世界の人口の0.2%に過ぎない少数民族でありながら、どの民族よりも最も多くの創造的人材を輩出し、世界の歴史を支配してきた。
どうだ、客観的に見て最も強力な説得の道具である「自分」を通して、正しく生きる姿が照らし出されるように日々努力して見ないか。
ビルゲーツの財産はおおよそ700億ドル(約75兆ウォン)を超えるという。もし彼ら夫婦が1年に1億ドル使ったならば700年かけて、利子まで合わせるとそれに数百年足さなければならない。
「それなのに彼はなぜ毎日仕事をするのか」
スチーブン スピルバーグの財産は焼く15億ドルだ。ビルゲーツほど多くないが、一生、楽に贅沢に過ごしてもあまるほどの財産だ。
「それなのに、なぜ彼は休まず、一つの作品が終わると次の作品にすぐに取り掛かるのか」
ビル コスビの財産は訳3億ドル、やはり一生、問題なく楽に贅沢に暮らしていってもあまるほどの財産だ。
「それなのに、彼はまだ一週間に5日以上仕事をするのか」
私達は金持ちにあこがれる。富を得ることを願い、安楽な生活を夢見る。しかし、大きな富を成した人の暮らしは富を得る前と後では変わりがない。富を所有する前のように熱情的で、誠実に生きていく。何より謙遜している。理由が何だろうか。冷静に自分を管理してゆれないからだ。金ができたからと、人が変わったならば決して富を長らく享受できない。良い関係が切れて人が離れていく。全世界的に、ロトに当たった人が幸福でない理由だ。降って沸いたように金持ちになった人の共通点は、今までの暮らしと全く違う暮らしを生き人が変わったというところにある。お金の物差しで人を比較すると、いつか同じことになる。身の程の高い低いに関係なく同じような人間。その気品を維持する秘訣は比較の剣を捨てることだ。自分も他人も絶対的な存在と価値で認めることだ。
世の中にただはない。運も同じだ。野球で「9回裏、2アウト逆転」も準備されたチームにだけ贈り物として与えられるのだ。幸運は「準備が機会に出会った時」現れる。準備したからとすべて成功することではないが、少なくとも準備ができていれば、機会が来た時に逃すことはない。