10月20日(日)朝 窓辺は冷雨。
風邪が悪化し始めた。
娘は休日だが仕事。
冷雨の中、小走りで駅に向かう。
過日、組織の不正、腐敗を抉り出し追及した作家が旅立たれた。
懸命に生きる真面目な庶民をもっと勇気付けて欲しかった。
有名作家小説では35年前の記憶が蘇る。
当時 労組書記長としていたが
会社から、思想的問題有り、破壊者としてのレッテルを貼られ
会社を辞めるか悩んでいた。
その時母校からOB会報が送られてきた。
コラムにOB紳士録がある。
読んだ。
大手航空会社の労組委員長として激しい労使交渉を経て
委員長を退任。
職場復帰すると、辺境のカラチ勤務の辞令。
仲間は皆「そんな会社は辞めてしまえ」と諭すが
彼は赴任する。
執拗な嫌がらせ人事に屈服せず黙って赴任する。
日本のトップ大学法学部を出て本来ならエリート階段を
上がる人物。
私など及びも付かない高レベルな方だ。
私はそんな気概もなく退社の道を選んだ。
それから数十年後だったか?
航空会社は墜落事故大惨事の責任で天下り官僚の
会長、社長が退任。
新会長は大手繊維メーカーの会長がなった。
新会長は以前繊維メーカーの労組書記長として
傾きかけた会社を建て直し、その後社長、会長になった。
航空会社の新会長になると、僻地に飛ばされていた
そのOBを社長室長に呼び戻す。
だが、新会長が失脚すると、再びアフリカナイロビの辞令。
それでも辞めない。
新聞に大きく報道された。
めげずに頑張るな~
そんな思いだった。
それから幾年月が経てバブル崩壊後
新聞の広告欄に載った小説の見出しを見て
直ぐにあの人だと分かった。
小説、沈まぬ太陽の主役で登場したのだ。
いやはや!すげ~なと感服。
会社側の昇進への甘事の誘いも拒否。
貫いたのだ。
後に航空会社は破綻、税金で再建。
その事をブログに書いたが、ある時期から該当ブログが
開かなくなり、航空会社の案内に変わった。
内部事情が書かれていたので隠蔽しようとしたのだ。
今は開ける。
OBの講演録を読むと興味深い。
腐敗組織と対決する人間。
ライオンとバッファロー
チーターとヌー
生死の戦い方が語られる。
以下講演録抜粋。
人間は弱い。だから団結と連帯が必要だ
それから、「人間は弱い」。とくに日本人は弱いと思います。これは、言いたかないですけど、第二次世界大戦でフランスがナチスドイツに占領されたとき、歴史に残るレジスタンスがありましたね。米軍占領下のベトナムでもレジズタンスがありました。日本で、フランスのようなレジスタンスができただろうか、これから、できるだろうか、私は非常に悲観的です。密告の連続でできないんじゃないか。もし、それができるくらいなら、日本でこれだけ、組合分裂で第二組合ができるはずがないんです。ですから、その点、もっと日本人は自分たちのことを考えなきゃいけないというふうに思います。
よく、私は求められると話をするんですけど、東アフリカで学んだことの一つなんですけど、今、私の趣味と実益をかねて動物を観察しますよね、肉食獣は草食獣を食べないと生きていけないです。ライオンが一番襲うのは一発で肉がたくさんとれるシマウマやバッファローなんです。大体200キロ近い、メスラインは100キロから150キロぐらいあるんですが、体重900キロのオスのバッファローを襲います。何頭かがかりで襲います。しかしバッファローは群で生活しています。これと見つけたのと挑発しておびきよせて襲うんですけれども、他のバッファローは気がつくとそれを奪回にくるんですよ。それで、バッファローがライオンとけちらして、そしてバッファローがしつこいんですね、ライオンが木に登るまでおいかけて、そして木下で期をゴツンゴツンやるんです。そして他のバッファローは、皮膚をさかれてよろよろと立ち上がったバッファローを舐めてやるんです。それで、群に収容して動いて行くんです。
チーターの体重は50~60キロなんですね。ですから、30キロぐらいのトムソンズガゼルだとか、グラントガゼルや、70キロぐらいのインパラは適当な餌なんですが、適当な餌がないときにはヌーを襲うんです。ヌーというのは牛かもしかですね。バッファローを小型にした格好をしていますね。あれのない十が約200キロあるんですよね。襲うほうが50~60キロ、おそわれるほうは200キロ。
ヌーはむれているでしょ、チーターが近づいてきて時速100キロぐらいで走ってくるとしますね。俺のほうめがけてきたと思えば、たとえば5頭ががっしりね並んで頭下げて、きたチーターを蹴散らすことができるんですね、やろうと思えば。だけど、ヌーはそのやり方を知らないし、そんな気もないからバーと逃げるだけ。そしてみすみす、チーターよりも大きな体をしながら、一頭が殺されちゃう。そして他のヌーは「あー、今日は俺の番じゃなかった、よかった」それだけなんだ。
私は、現在の日本の労働組合が、リストラの名の不合理な首切りに抵抗できない日本の労働組合はヌーじゃないかと思うんです。やはりバッファローにならなきゃいけないんだと思うんです。だから、人間は弱い、お前ね、第一組合に残っていると出世もできないよ、それから正論はいたって世の中通らないんだから、まあ身のため考えたほうがいいんじゃないか、とかね、いうどうしてもみんな負けちゃうんですよ。だからこそ、お互い支え合う仲間が必要なんだし、それからお互いの信義も必要なんです。人間は弱い、だから、団結と連帯が必要なんです。
私の感想。
その通り。
犠牲者の私を助けようとする者はいなかった。
遠巻きに見ているだけで近寄らなかった。
肉親でもない限り無償の行為などはありえないのだ。
馬鹿で愚鈍な私は60歳になり、直面する。
夜逃げして来た夫婦を身を削り助けたが
手酷い裏切りを受けるのだ。
赤頭巾の狼のごとく、入念に装っていた仮面衣装を脱ぎ捨て
本性を現わしたのだ。
私の会社を食い散らし、深い傷を負わせ逃亡したのだ。
贅沢三昧で3億円の負債を従業員に押し付け
真実を知らない私のところに逃亡した夫婦。
戦争中の陸軍中将富永恭二のごとく
自分だけが生き残ろうとして敵前逃亡するのだ。
3億円の負債を従業員、下請け、金融機関に背負わせ
借金を無くなって大喜び
周囲に自慢げに語る。
私の息子に向かって
「お前の親父が死んだら、後は知らね~」と言い放つ。
常識的には、生前 お世話になったお父さんのためにも
と励ますのが礼儀だが、死んでもいない私を
間接的に侮辱しているのだ。
この夫婦の自己本位、身勝手、無責任にぞっとした。
助けた70歳の先輩の一人は、「長い間生きてきて初めて見た。人間の屑だ」
夫婦を憎悪するよりも、見抜けなかった私を恥じる。
友人の元警察幹部にも「従業員、取引先、下請け、金融機関に見離された
人間を庇い助けるのは危ない。騙されている」と忠告されたのだ。
九段から葉山の中古マンションに逃げ込んだ夫婦
九段スズキ本店 長野利男、美保子だ。
周囲から人間の屑、サイコ夫婦と呼ばれる。
次回に続く。