森の時間 SINCE 2002

Le Temps Du Bois

Milonga Nueva

2010年01月04日 | 界隈・町歩き

Nec_6279 駿河台下、三省堂脇、すずらん通りと靖国通りに挟まれた路地に「Milonga」という、タンゴコレクションのコーヒーショップがある。いつ頃からあるのかは知らない。私の学生時代にもあった。竹橋・神保町界隈のM社時代にも、タンゴ気分になると訪れていた。

今日は2010年仕事始め。とくに仕事はない。年始あいさつで行き来する事もないので、昼に仕事を終えて九段下の事務所から正月の余韻のありそうな古本屋街を徘徊することにした。一箇所だけ自然科学系専門の古本屋に足を踏み入れたが、「文房堂」でパステルを買い、結局は「東京堂」に長居してしまった。子供のころ母に、「お正月にお金を使うと、その一年お金がドンドン出て行くからお正月にお金は使わないように。」と言われた事が私の頭の中にずっと残っている。正月は縁起事以外にはお金を使わないように努めているが、今日は本を数冊買ってしまった。買った以上は、「積ん読」になって、正月の買物が無駄にならないように、帰宅前に読破してしまおうと思った。

懐かしい「Milonga」が、正月早々から開いているようだったので、重い木の扉を引いた。暗い店内は、熱く呻くアコーディオンネオンが充満している。唯一の屋外の明りは、右奥のレンガのスリット状の隙間だけ。その前の席に陣取って、買ったばかりの本をテーブルに積んだ。積み上げた山の一番上の一冊を手に取る。選ばずに上から読むことにした。薄暗い空間とメリハリのあるタンゴのリズム。読書に集中できたので一気に二冊完読した。外は雨が降りそうな曇天。夕方が早く訪れ、小さな窓から入る明りだけでは文字が読みにくくなってきた。この日の読書は二冊で止めて、店を後にした。頭と心を満たすと、身体を動かしたくなった。湯島、不忍池を抜けて上野まで歩いた。

正月初日の出勤日、自分の時間。今年の「森の時間」、幸先の良い一日だ。

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