森の時間 SINCE 2002

Le Temps Du Bois

Wiener Johann Strauss Orchester

2018年01月08日 | 随想・エッセイ

「ウイーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団」の『ニューイヤー・コンサート2018』を娘と鑑賞した。

年越しの「東急Silvester Concert」や、ウイーン楽友協会黄金ホールの「ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団」のニューイヤーコンサート。正月はウインナワルツが満載です。ヨハンシュトラウスファンにとっては嬉しい季節。私のお気に入りは「南国のバラ」。中学生の時にワルツを知って、ロマンチストだった私はこのウインナワルツが好きになった。以来、ヨハンシュトラウスのワルツや喜歌劇は常に身の回りにあって、なんとなく自分の原点を見直したくなった時にはヨハン・シュトラウスを聴いていた。

7-8年前にウイーン経由でキエフやブカレストに行く仕事があって、何度か街を散策したことがあった。学生時代にユーレイルパスで通過した街。あの頃は建物や銅像にペンキが塗りたくられていて、憧れのウイーンは汚れたヨーロッパの町だったが、すっかり汚れは落とされていて、重厚な建物と深い街路樹に西洋の歴史を感じた。

ウイーンで時間があったら、バイオリンを弾く黄金のヨハンシュトラウス像に朝に夜に会い行き、周囲の木々の中を散策した。ウインナワルツは、私が物心ついたころの原点で流れていたメロディ。ウイーンの森のなかで、自分の歩んだ人生の一コマ一コマが走馬灯のように巡り去った。 

 

最近、レコードプレイヤーを新調し大型ステレオスピーカーを復活させ、実家に埋もれていたレコードを数十年ぶりに聴いている。お気に入りだったアーサー・フィドラー指揮ボストン交響楽団によるBoston Popsシリーズにもウインナワルツ盤がある。聴きこんでいたその盤にかなり傷や汚れがある。ピッとかパチッとかジッとか時折弾ける雑音が懐かしい情感を引き出してくれる。大きな木製スピーカーでから流れるレコード音は電子的なCD音とは違う柔らかくて、深くて、優しい音だ。

ヨハン・シュトラウス管弦楽団は1844年結成され、シュトラウス一族が継承してきたウイーン・フィルを凌ぐ伝統の名門。コンサートは前後半で90分。それにアンコールが4曲。コミカルな指揮者や楽団員のコントもあって、一時も退屈することのないプログラム。来日オーケストラコンサートは始めてという娘も、思いの他楽しかったと満足げ。来年も来日してくれたら、聴きに行きたい。新春に相応しい佳き一日だった。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする