稀な場所に行く際は、手帖スケッチを心がけている。が、うっかりスケッチ手帖を忘れたり、描くつもりで勇んで出かけても、盛んな好奇心が一所にじっと留まらせてくれずにスケッチとは縁遠い行動になってしまうことが多い。そして、スケッチ手帖を一度も開くことなく帰宅する。今年になってからスケッチペースが落ちている。手帖スケッチは、二冊目が半分埋まったままで久しかったが、最近2度スケッチ帖を開いた。
2月から3月に聖路加に行く機会があった。昨年の人間ドッグで来た際には勝ち鬨橋を描いた。往年の不摂生からの自分の身体の問題点を認識しているので、再検査と言われると沈鬱な気持ちになる。検査結果では悪化している点はなかったが、定期検査は続けましょうというアドバイス。60代になると、蓄積した疲労と劣化で様々な肉体と神経的な病が現われる。それをきちんと受け止めて、過食・過飲、深夜PC仕事をするとかの悪しき生活習慣を改め、体質改善し、自律神経を意識して養生し、日頃の幸せの期待値を下げる等、生活パターンを原点に戻す努力をする。病を修復する60代を乗り越えた人はエクスタシーの70代が過ごせるとか某作家の言葉がある。身体のモヤモヤが晴れない時はスケッチに集中すると気分は晴れる。聖路加前の川縁の散策路から勝ち鬨橋を渡って対岸の下流まで歩いて、陽光を受けた勝ち鬨橋と聖路加タワーを昨年と真反対のアングルでスケッチした。
9年間愛用したレガシーを買い換えた。昭和30年代のスバル360以来のスバリストと思っていて、レガシーの性能にも惹かれたので、やはり選択肢はスバル。NISSANとMitsubishiのEVも考えたが、付帯設備の費用、利便性、バッテリーの劣化、等々。ネガティブ要素が多々あるのでその気になれない。小回り効く荷物運びの軽トラSambarもあるので、1stカーは小型化してXVにダウングレードするか、更に軽乗用車にしてしまうか、SambarもなくしてForesterにするかとか迷っていたが、試乗したり内容・金額を比較すると、やはりスバル旗艦モデルのレガシーに魅せられてしまい、思い切ってコスパの良い安心のOutbackにしてしまった。巷でも目立っているらしいトリコロール飾りのローズ色ハイルーフSambarとタングステンメタリック塗装のOutback。川越の庭先がちょっと落ち着かない贅沢な風景になっている。
贔屓にしてもらっているスバル高島平店で契約を決めた穏やかな春の日、住み慣れた川口の荒川に足を伸ばした。新荒川大橋から足立農業公園経由し五色桜大橋までの左岸の土手道は私の「思索の道」だった。春色の土手南斜面、心地よい春風、遠望できる風景、懐かしい空気を思い切り吸って思い出の土手を歩く。期待していた農業公園のレストランは生憎の定休日。満開の桜周辺には沢山の人。食べ物にありつけないまま、家から持参したボトルの残りコーヒーをチビチビ飲みながら居場所を定めてスケッチ。集中していると、満足感でいつの間にか空腹感は消えていた。