芽室町議会議員 正村紀美子のブログ 「つぶやきをかたちに」

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通信を発行しました

2014年02月27日 | インポート
工事費の不適切な会計処理について通信を発行しました。

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「まさむらきみこ通信」2014年2月 第6号

緊急報告 災害復旧工事における不適切会計処理問題

今回の通信では、2月6日、17日の全員協議会で知り得た情報、関係資料からの情報、これまで新聞報道された内容をわたしなりに解釈し、現時点でのご報告をいたします。

●平成26年2月4日 町は、工事費の不適切な支出を1年半以上も続けていた… 新聞を見て大変驚きました。2月6日に開催される全員協議会の議案は事前に配布されていましたが、このようなカタチで議案の内容を知るとは思いもよりませんでした。
●2月6日 【臨時議会開会】 
町長は行政報告の中で町道工事の不適切な会計処理について、自身の責任を認め謝罪をし、今後は過ちを起こさないよう再発防止に努めると述べました。
同日【全員協議会*1】(以下全協)
町は、不適切な会計処理を行なった工事の概要、土量等の積算誤り、支払い遅延の理由、今後の対応と 併せて、平成25年度道路修繕等の支払い遅延(37件 総額15,453,280円)について説明。その後の質疑では疑問点が次々出されましたが、全協では質疑回数は3回というルールがあり、全容解明には至りませんでした。わたしは関係資料を要求しましたが、膨大な資料のためコピーに時間がかかる、との理由から担当課での「閲覧」となり、翌日7日から担当課で当時の工事書類をつぶさに調べました。
*1議員全員が、議案の審査や議会運営に関する協議を行なう公式の会議

【工事の概要】
平成23年9月 台風12号および豪雨による災害が起こりました。問題となったのは、町道中渋山高台線のがけ崩れの復旧工事です。この工事は平成23年度公共土木施設災害復旧事業国庫負担金を受けており(工事は国の災害認定を受けた補助工事)、平成24年3月議会定例会において27,941,000円が繰越明許費(前年度予算額を確定し、次年度に支払う行為)として議決しています。

【コンサルによるミス?】
 町は、平成23年10月に工事を行なうためにAコンサルタントに現場調査と設計を委託。(表-①)11月18日にコンサル(契約額114万円)は町に収めていますが、成果品に間違いがありました。しかし、町はそのミスに気が付かず、その積算で工事積算額を確定しました。
【疑問-1】Aコンサルは、成果品を収める前に社内でチェック作業をしていたのでしょうか。
【疑問-2】町は、受け取った成果品のチェックをなぜしなかったのでしょうか。チェックはひとりではなく、複数で行なう必要があるのでは。
 
【工事着手から完了まで】
(表②)平成24年3月 指名競争入札で、町内土木工事業者B建設が2646万円で落札しました。落札率94.7%です。
【疑問-3】落札した町内土木工事業者は、詳細な積算業務を行なっていたのでしょうか。もしも、
この時点で業者が町提出の積算数量を再確認すれば不適切会計処理は未然に防げたのでは…
【土量の積算ミス】
平成24年3月28日から災害復旧工事は着手され7月10日まで工事は順調に推移されました。(表③)しかし7月11日になり、B建設の現場代理人から積算された土量に間違いがあることが役場の担当者に報告されました。工期完了まであと20日間です。
町は「地域住民の生活及び産業活動に支障をきたすことが予想されたため」と説明していますが、工事完了を優先するからといって違法な行為は許されるはずはありません。土量の積算ミスで生じた500万円を超える金額をなぜ不適切な会計で処理しようとしたのか、わたしは町の説明を何度聞いても納得がいかないのです。結局、初期対応を間違えたために後手後手になりました。
【疑問-4】この段階で、町はコンサル、B建設と至急協議していたならば、数量に間違いを見つけることができたのではないでしょうか。限られた時間ではありますが、設計変更の準備、議会への状況報告、町の単独工事として補正予算をあげるなど、ミスを回避する方法はあったはずです。事実発覚後、本来取るべき方法は…
【疑問-5】担当課の問い合わせに、コンサルは土量計算が間違っていたことを認めています。コンサルの瑕疵は問われない?
【疑問-6】閲覧したB建設との協議メモには、土量の間違いがあることを伝えたとする内容の記載はありませんでした。なぜ協議メモに記載がないのでしょう…
【疑問-7】さらにB建設からの請求書も見当たりませんでした。工事費の未払い額を清算するためには請求書および工事関係調書を揃えなければなりません。

【別の工事費への上乗せ】
 (表④)7月31日に工事は一応完成し通行止めは解除となりました。担当課はB建設に工事費の追加分およそ515万円(内部で設計変更の手続きが完了していないために金額は未確定)を今後の道路修繕費等に上乗せし支払いをすることをお願いしたのです。担当課は中渋山高台線災害復旧工事での、いわゆる「借金」を返すために(表⑤)平成24年10月から平成25年3月まで間に道路修繕工事費等と称して15本の工事で102万円の「借金」を返しました。担当課は、修繕工事に関する不適切な会計処理の開始で間違いを隠すために、さらなる間違いを自ら引き起こしたことになります。わたしは実際に契約書等を確認しましたが、実質工事額に上乗せした額を発注額としていたため、書類上では全くわかりませんでした。
【疑問-8】不足額を「お願いした」ようですが、口約束で500万円もの「借金」ができるの?
【疑問-9】担当課だけで不正な支出をしようと思えばできてしまう。組織内でのチェックは機能していたのか…
【疑問-10】起工から会計決裁までの工事積算方法、金銭支払い決裁、出納課との連動作業が必要なのでは。
【疑問-11】コンプライアンスは当然。第3者のチェックが必要では…

【不適切会計処理の発覚】
「借金」の返済は平成25年度にも継続しており、(表⑥)平成25年6月から平成26年1月まで5本の工事で170万円「返済」しています。
そもそも、災害復旧工事費の不適切会計処理は、平成25年11月末に「工事費の遅延がある」という情報があり、調査を行なっていく中で発覚したものですが、平成26年1月10日に支出した工事費103万円には実質工事額の約3倍が上乗せされていました。「芽室町財務規則」では、担当課長は300万円まで決裁できる規定になっており、町長、副町長の決裁がなく支出できます。17日の全協では、違法な支出行為について副町長は「知らなかった」「相談もなかった」と答弁しています。
【疑問-12】担当課長のチェックはなぜスルーできたのか。

平成26年2月17日 議会は(表⑦)に全協を開催し、「不適切会計処理等に関する調査特別委員会設置及び調査要綱(案)」について協議しました。
2月24日には臨時議会が開会され、「調査特別委員会設置」について審議し質疑、討論、採決します。可決された後は、ただちに「第1回調査特別委員会」が開催され、本格的な調査が始まることとなります。

【真実に向き合って】
組織の中で恣意的な金銭の流用が自由にできることはおかしいし、なによりも皆さんから頂いた税金の使い道がずさんであることを改めなければなりません。町は今回の事件を糧に、二度と同じ間違いを起こさない組織づくりをしなくてはなりません。
 これからはじまる調査特別委員会では、わたしは「芽室町自治基本条例」にもとづいて公正で民主的に町政が運営されているか、を基本に、真実に向き合っていきます。
 事件の解明までまだ時間はかかりますが、議会で明らかになった事実を今後もご報告していきます。

町民の方からいただいた声
● どうしてこんな不正できるのか、わかりません。議会としてしっかり原因究明をしてほしいし、クリーンな役場を作ってほしいです。(50代女性)
● 国の補助金で出来たはずの工事なのに、町は500万円を支出しなくてはならない。町は町民に損害を与えたと思う。(40代男性)
● 組織的な問題がある。自己改革は無理なので管内の市町村からの外部意見もほしい。議員もしっかり勉強して追及してほしい。(60代男性)
● 町長は知らなかったのだから気の毒。(60代女性)
● まじめに仕事をしている職員にも疑いの目を向けてしまう。町の信頼回復を願う。(40代女性)
● 全容解明まで不足額は支払わないでほしい。お金を支払ったら済んだことになってしまうのではないか。(60代女性)
● この事態を早く収束させてほしい。必要以上に騒ぎすぎる。(50代男性)
● 新聞にコメントするのは副町長が多い。町長はなぜ出てこないのですか。(60代女性)

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